ARIA The ORIGINATION |
第1話「その やがて訪れる春の風に…」 |
2008/1/8 02:30 テレビ東京 |
冒頭のアイちゃんとの手紙トーク、ゆったり流れる牧野由依の歌声、その背景で進むドラマ…もうOPだけで、ARIAだなぁ!
と思わせる導入です。すばらしい。
さらにすばらしいのが、また成長物語に戻りそうなこと。"The NATURAL"では、ふしぎ物語に軸があってイマイチなところもありましたが、今回は"The ANIMATION"の感じに近い。だから"The ORIGINATION"なのかしら?
やっぱり見習いちゃんたちの成長こそが本道だと思っているので、さらに期待がふくらみます。
「明日の自分は、今日の自分よりもっともっと輝いてるはず」「まだまだの自分をうんと好きになって、楽しんじゃえばいいんじゃないかしら」こんな台詞がなんのいやらしさもなく、自然に響く作風に感激すらしてしまいますね〜。
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ARIA The ORIGINATION |
第2話「その 笑顔のお客さまは…」 |
2008/1/15 02:06 テレビ東京 |
なんて、いい話なんだろう…。「あなただけにできる案内を」と言われて一生懸命に案内する灯里。
だけど常連のお客さまは全部知っている場所ばかりで…。「なんとか自分だけの素敵な場所をと思ってご案内したんですが…」としょんぼりする灯里の気持ちを思うとこちらも泣けてくるし、それに対する
アマランタさんの「あなたの心がこもっていた」と言う言葉や、アリシアさんの微笑みが温かく、またまた泣けてきます。
最初は、プリマへの昇格がかかった覆面試験なのかとも思っていたのですが、そういう裏もなく、ただただ、とあるお客さまを案内した素敵な一日を描いた話なんだけど、それに説得力を与える美しい背景美術もよかった。
ところで、シングル指名制度は、リピータにとってはかなり魅力的じゃないでしょうか。だって、灯里とアリシアさんを二人とも占有できるんですよ?:-) 経営側からすれば、人件費2倍だから大変だと思いますけどね。
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ARIA The ORIGINATION |
第3話「その こめられた想いは…」 |
2008/1/22 02:00 テレビ東京 |
「パティシエさん」が、「ウンディーネさん」と出会って初心を思い出すお話。いつもの柔らかムードではありますが、「パティシエさん」の事情については想像する必要があります。
―― 勤めていたホテルを辞め、自分でお店を出すことにしたのだけれど、なにか物足りない。
そこで灯里に「チョコに込められた想い」を思い出させられる。
ホテルを辞めた理由もその辺にあったはずで、自分のやりたかったことを再認識することでまた前に進み始める……表面的には、
瓶詰めが袋詰めになっただけですが、彼の中ではそんな葛藤があったのではないかと想像します。
ところで、マンホームがどうなっているのか、今まではっきりと言及されていなかったような気がするのですが、フロリアンの店長さんが「水没した」とさらりと言っていましたね。現実のヴェネツィアも水没の危機にあるわけで、そうなる前に一度見ておきたいものです。
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ARIA The ORIGINATION |
第4話「その 明日を目指すものたちは…」 |
2008/1/29 02:00 テレビ東京 |
第3期絶好調〜!と叫びたくなる出来の良さ。今回もいい話だわ〜。
今回は灯里ちゃん、トラゲット初体験の巻。初めて出会うシングルの子たちと一緒にプリマへの夢を語り合いながら、無事にこなしてよかったよかった……で終わりじゃなかった! アトラの「試験官が厳しすぎるだけなのよ!」という一言で暗転する場の雰囲気。
さすがの桑島法子も、ARIA世界に来るといい人になるんだな〜とか思っていた自分が甘かった(笑)。
徒弟制度のようなこの業界で、言ってはならない言葉を言ってしまったという感じがなんとも言えません。
プリマ試験に落ち、激しく落ち込んでいた杏もそれは言わなかったことで…。
でも、アトラの気持ちが「ちょっぴり」どころか非常によく分かる人間としては、杏や灯里の言葉は耳に痛い。
あんなにも前向きで、純粋な気持ちを持ち続けることはなかなかできません。
ま、だからこそ、この作品に心動かされるのでしょうね。
「プリマ試験の話が出てこない」と落ち込んでいる灯里ちゃんですが、アリシアさんはずっと彼女のことを見ています。
今まで、アリシアさんの優しさの中で灯里はすくすく育ってきたわけですが、
プリマ昇格という現実を前に灯里自身はもとより、アリシアさんもどう指導していくのか。とても気になるところです。
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ARIA The ORIGINATION |
第5話「その おもいでのクローバーは…」 |
2008/2/5 02:00 テレビ東京 |
極上のバルカローレに、奇跡の操船技術(「典雅な挙措」のほうが重要かな)。
「天才」たちに囲まれた自分の大好きな先輩と、自分自身を重ねて思い悩む藍華ちゃんなのでした。若者らしい!
でも、晃も気が付いたように、努力し続けられることや仕切り能力の高さだって持って生まれた才能なのです。
そのきっかけを作ってくれたのが他ならぬ藍華だった、というのは素敵な因果の反転ですね。
「誰にでも誇れる、世界で一番の人」。そんな人の元で仕事ができるというのは、どれだけ素晴らしいことか。
三人娘が、それぞれ自分の先輩をどんなに誇りに思っているか、よく分かるお話でした。
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ARIA The ORIGINATION |
第6話「その 素敵な課外授業に…」 |
2008/2/12 02:00 テレビ東京 |
いやはや、これはたまらん…「すみません、でっかい生意気言いました……叱ってください」
萌え死ぬくらいいいシーンだわ! 今クールのARIAの出来は素晴らしすぎる。
アバンタイトルからは、てっきり灯里がメインの話かな?と思ったのですよ。でも、OPでアリスがメインであることを教えてくれます。
そのOPでの、アリスとアテナのやり取りがまたよい。アリスのことをやさしい眼差しで見ているアテナがいいなー、なんて思っていると三段アイスをコロコロ落としちゃうし(笑)、慰めてあげようとアリスが差し出したピザに感激しながらも、やっぱりボトっと落としちゃうし(笑)。
そんなドジっ娘な先輩に対して、パーフェクトに見えるアリシアさんはいったいどーなんだ? というところから物語がスタートします。
アリシアさんの本音を引き出すために、アリスを持ってきたのは正解ですね。灯里本人はもちろん、心酔しちゃっている藍華でもだめだし。それに、3人のなかで一番純粋で堅いところがある彼女と、アリシアさんのツーショットはなかなかの緊迫感:-)。
人を育てる方法、人が育つ方法はまさに十人十色であって、アリシアさんの「私のやり方」が、合う人、合わない人はいるでしょう。
たぶん、アリスには合わないと思いますが、それも一つのやり方であると理解できたことは彼女の糧となるに違いありません。
そして、最後のアリシアとアリスのやり取りが絶品。「今のお話は内緒」にする理由を問われて「だって恥ずかしいじゃない」とにっこり答えるアリシアさんは予想できました。本当の理由はアリスちゃんなら分かるよね、と。並みの作品なら、ここで終わるところ。
「お二人は、見てるこっちが恥ずかしくなるくらい一心同体ですから」というアリスの切り返しに、アリシアさんも思わず本心の照れ笑い。
アリスちゃん、やるなーと思っていると、「すみません、でっかい生意気言いました……叱ってください」という甘えモードで、トドメ。
台詞だけじゃなくて、間の取り方、表情といった演出もよかった。もちろん、演技もね。
まったくもって蛇足ながら、私は褒められて伸びるタイプなので、アリシアさんとは合うと思います。
ARIA COMPANYに転職したいですな!(笑)
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ARIA The ORIGINATION |
第7話「その ゆるやかな時の中に…」 |
2008/2/19 02:00 テレビ東京 |
うわっ、グランマ若い!:-) 本名は、秋乃さんでしたか。姫屋のエースだったというのはちょっと驚きの新事実ですね。
そこからスピンアウトしてできたのがアリア・カンパニーと。しかも、その設立にはあのアリア社長が重大な役割を演じていたとは。
……まぁ、いつものもちもちポンポンな社長を知っている我々としては、単にお腹がすいて動けなかっただけでは?とか思ってしまうところですが、そんなことはないのです。きっと:-P。
でも、今回の設立秘話、アリシアさんすら聞いたことがなかったというのは驚き。
特に、隠すようなことでもないと思うんですけどね。姫屋の経営層と確執があったのでは? とかそういう深読みも許してもらえない雰囲気なので、ちょっと消化不良かな〜。
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ARIA The ORIGINATION |
第8話「その 大切な人の記憶に…」 |
2008/2/26 03:12 テレビ東京 |
6話に続き、アリスファンには感涙ものの出来ではないでしょうか…。
アリスは天才少女で、それゆえに斜に構えたところもあるけれども、やっぱり15歳(だっけ?)の女の子。
年相応の幼さがにじみ出た演出が(毎度の事ながら)素晴らしいです。
冒頭、灯里たちに、アテナとピクニックに行くことを告げるところは、澄ました顔しながらもうれしさを隠しきれない様子。
準備をするところなんかは、いつものアリスでも考えられないくらいのはしゃぎっぷりが微笑ましい。
一転、ピクニックがダメになってしまったときの、がっかり感。
子供みたいに泣いて騒いだりはもちろんしないけれども、やっぱり素直に許せないその未熟さ加減が、可愛らしい。
むしろ記憶喪失を装ってアリスの本音を聞き出そうとするアテナ先輩の方が、子供っぽいぞ(^^;)。
アリスとの約束を守れなかったことであんなに取り乱すのも意外でした。
気遣いがすれ違うという意味で、やっぱり、このコンビも似たもの同士なんだね。
それからはもう、自分のことを思い出してもらおうと必死のアリスが…(T_T)。「アテナ先輩、私のことだけ思い出さない…」と
落ち込むシーンが切なすぎる。
そして最後のアテナ先輩との対話シーンですよ。
「やっぱり嫌いだったんですね」「…! 嫌いってことは…」「じゃあ、好きだった?」「……どちらかと言えば、後者でしょうか」……
この「どちらかと言えば…」という言い回しが、いかにもアリスっぽくてよいですね。大人みたいな答弁のあと、子供みたいに泣きじゃくるこのギャップ感がたまらなく切ないです。広橋涼の演技もよかった…。
こんな子を泣かせるなんてアテナ先輩もGJ罪作りですが、「どう思われているのか、不安になることもある」というアリシアさんの台詞でまろやかに締め。ここの灯里との対話は6話のアリスとの「内緒の話」にもリンクしていて、6話の後編と言えるような作りになっていますね。絶品のお話でした。
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ARIA The ORIGINATION |
第9話「その オレンジの風につつまれて…」 |
2008/3/4 02:00 テレビ東京 |
これはやられた……まったく予想外の展開。灯里のときにもあった、シングル昇格試験。誰しもそう思っていたのではないでしょうか。
アリスのカンツォーネに乗せて、なつかしいシーンがフラッシュバック。
あぁ、アリスは確かに成長したな〜と感慨に耽っていると、アテナ先輩が厳かにシングル入りを宣言。うむ、したりしたり。
そう思っていると、もう一本の手のほうも…。こうして「オレンジ・プリンセス」は誕生したのでした。
感激の涙を流すアリスに、こちらもうるっと来てしまいました。……この時、「いきなりプリマになっちゃったら、灯里や藍華とギスギスしないかしら」とか思ってしまいました。いやだね、大人って(苦笑)。
でも、そんなことはなく、温かく祝福する二人の先輩にすがって泣くアリスに、今度こそもらい泣き。「ルーミス エテルネ」 いい歌だな〜。第三期はアリスのためのシリーズかな?
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ARIA The ORIGINATION |
第10話「その お月見の夜のときめきは…」 |
2008/3/11 02:00 テレビ東京 |
アリスのプリマとしての初仕事。初々しい〜。ちょっと落ち込んだりもしたけれど、アリスは元気です。
先を越され、特に藍華がどう思うか心配でしたが、そうならないために第5話があったわけですね。
ちゃんとフォローしてあげる藍華や灯里のほうがやっぱり"お姉さん"であって、大人です。
後半は、その藍華のターン! アルくんと二人、古井戸の中での吐息が色っぽすぎる。大人です:-)。
ここで流れるピアノの曲がまた良くって。窪田ミナ、いい仕事しますな〜。
アルくんも朴念仁かと思ったら、非常に回りくどい言い方をしながらも、ちゃんと藍華のことを受け入れています。
藍華の一人芝居でなくてよかったね。
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ARIA The ORIGINATION |
第11話「その 変わりゆく日々に…」 |
2008/3/18 02:00 テレビ東京 |
ああ、もう……なにもかも最高です…。すばらしい。
前半、藍華のことを案じる晃さん。自身も落ち込んだ穴だけに藍華の気持ちはよく分かる…。
でも、晃と違ったのは、藍華には晃がいたこと。5話→9話→11話と絶妙なシリーズ構成と言えましょう。
でも、プリマ昇格試験が近々用意されているのなら、晃さんもそんなに心配する必要もなかったと思うけどね。
「ローゼン・クイーン」誕生を期待しましょう。「禁止姫」もなかなかいいと思うけど:-)。
で、後半はアリスちゃんです。新人プリマとして、多忙な毎日を送る彼女。
さすがに初日の堅さは取れてきっちり仕事をこなしているわけですが、そのときにふと、灯里と藍華の姿を見かける。
……そっか。もう合同練習はしないんだよね……。
「ただ、会いたいだけなのに。なかなか難しいな。このまま、ずっと会えなくなっちゃうのかな。……さみしいよぉ」 とアリスにしては長い独白が、胸を締め付けます。
アテナにそんな気持ちを気取られないよう、部屋の前で呼吸を整えるアリスとか。
でも、ちゃ〜んとアテナはお見通しで、灯里たちを誘っていたりとか(たぶんね)。
そんな気持ちに応えて、会いに来てくれる灯里と藍華とか。
彼女たちの友情に乾杯!と言いたい。
アリスは「きっかけがない」と嘆いていたけれど、ちょっとしたことでそれを用意できる灯里はやっぱり人付き合いの天才ですね。
あ、そうか。アリスの感じていた気持ちは、かつてアテナも体験したものかもしれませんね。
持つべきは偉大な先輩かな。
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ARIA The ORIGINATION |
第12話「その 蒼い海と風の中で…」 |
2008/3/25 02:00 テレビ東京 |
OPで、藍華がプリマ昇格! グローブを脱がすとき、もらい泣きしていた晃さんが可愛いですな。
泣いちゃうのはアテナの予言通りでしたね。
灯里に対して、先にプリマになったことを申し訳なく思っているのが藍華らしい。
でも、それだけではなく、支店長になり、灯里たちともあまり会えなくのはやっぱり寂しい…。
灯里も、藍華のことをアリシアさんに報告するときには無理をした笑顔でしたが、ここでアリシアさんがタイミング良く昇格試験実施を宣言。
さすがミス・パーフェクト。
灯里の試験の道々で、いろんな人からエールを送られるのがじんと来るシーンでしたが、なんと言っても「ここから先の行き先は、灯里ちゃんが決めるの」と言われ、灯里が目指した場所ー―アリアカンパニー―がどんどん近づいてくるシーンが素晴らしく、うるうる度もMAX。そして「ありがとう、私のアクアマリン」でもうダメ押し:-)。
しかし、アリシアさんの「大切なお話」というのが気になりますね。なんだろう?
灯里も驚いた感じではなかったので、イレギュラーな話ではないんでしょうか。まさか、現役引退とかじゃないよね?
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ARIA The ORIGINATION |
第13話「その 新しいはじまりに…」 |
2008/4/1 02:30 テレビ東京 |
え゛……ほんとに現役引退だったのか。エイプリルフールじゃないの!? しかもです。
理事就任なんかはどうでもいいんですが、寿引退ってどーゆーことですかー? 引退することより、アリシアさんが結婚することの方が驚き。
今まで、男の影なんかちっともなかったのに、裏切られた気分です(爆)。現実では、よくあることですが:-P。
しかし、そんな感傷はともかく、メイン級のキャラの一大イベントを、まったく物語に織り込まなかったのが意外です。
だって、花婿は結局出ず終いですよ? 少なくとも結婚式のシーンは必須でしょう。
そもそも、3大妖精の一人にして、ミス・パーフェクトとも言われる彼女を射止めるなんて一体どんな男?
だいたい、ウンディーネとして多忙な毎日だったはずなのに、どうやって付き合っていたのか。全くの謎のままです。
「でも、灯里ちゃんといられる、この愛おしい時間を失うのが怖くて」と灯里のプリマ昇格を遅らせた理由を語るアリシアさんですが、
う〜ん、そう読み取れるだけの心理描写があっただろうか…。
そんな風に考えていくと、どうにも寿引退という結末は唐突感があり、後付っぽいような気にさせられてしまいます。
せっかくの灯里のプリマ昇格が完全に霞んじゃっているし。うーん、素直にプリマ昇格おめでとう!でフィナーレで十分だったと思うのですが…。
でも、アリシアさんが抜けたことで生きてきたのがラストシーンですね。成長したアイちゃんが、灯里の後輩になっているところ。
アリシアさんのようにお姉さまの微笑を振りまく灯里がまぶしいです。プリマになってから、何年くらい経っているのかな?
…ってなわけで、ちょっと予想外の終わり方ではありましたが、すべてにおいて高いレベルでまとめられた作品でした。
殊にアリス絡みの話は素晴らしく、何度も見返してしまいました。
まだ1クールしか経過していませんが、間違いなく、今年のベスト3に入る出来でしょう(現時点では文句なくトップ)。
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