翠玉のリ・マージョンが成功すると思うかとアーエルに問われ「ええ」と迷いなく、自信たっぷりに答えるネヴィリル。このシーン、ネヴィリルは三回「ええ」と答える(としか答えない)んですが、どれもちゃんと意味が違います。うまい。
一体どのような結末を迎えるのか…。しかし最終回はむしろ後日談と言うべきものでした。
考えてみれば、ほとんどの決着は前回まででついていました。戦争の行方は宮国の衰退という形で終局を迎え、巫女さまたちも泉に行った。
唯一残ったのが、アーエルとネヴィリルはどうなるのか…。それは翠玉のリ・マージョンを完成させて、終了です。
ネヴィリルが別世界に旅立った理由は、アムリアを探し出すためではなく、アーエルとともに「自由になれる場所へ」行くことですから、
「永遠の少女」となった二人がワルツを踊り続ける ―― ここで終了なのです。
しかし、本当の意味での永遠ではなく、オナシアがそうだったように、ドミヌーラがそうなりつつあるように、やがては終わりが来る。
そんな含みを持たせたラストだったのかな、と感じました。
この作品は、女の子ばかりの世界という思い切った設定をぶち上げ、必然として景色を百合色に染め上げました。
ゆえに視聴者を選ぶ作品になったと思いますが、キャラクターの心理描写が巧みで素晴らしく、また「リ・マージョン」を始めとする造語の美しさも雰囲気を盛り上げていました。世界観を表現するという点では、無二の作品と言えるかもしれません。
最期に、それぞれのキャラのその後について。10年くらい時が経っているのかな?
最年少シヴュラだったリモネは、少女に成長。うーん、美しい。
以前は子供ゆえの放言もあったわけですが、今では柔らかい雰囲気を纏っています。でも、ドミヌーラのことを悪く言った少女を睨み付けたりするのもキュート:-)。再び飛ぶことを選んだドミヌーラにうれしげに腕を絡ませる姿も微笑ましいのですが、果たして彼女は気が付いているのでしょうか。ドミヌーラの肉体が、オナシアと同じように結晶化しつつあることを…。
モリナスはご懐妊。あらあら。ということは…ワポーリフと結ばれたわけです。壁を越えられなかった二人でしたが、前回の「お帰りなさい」でゲットに成功したのか。
パライエッタは、以前のボーイッシュなのも良かったんですが、今は角が取れ綺麗なお姉さんになりました。ロードレアモンと孤児のための施設を切り盛りしているようです。ロードレの方は、なんだかちょっと老けて見えない?:-)
カイムとアルティは、二人で暮らしているようです。共に女となった二人ですが、カイムはちょっと少年チックで、アルティの方がお姉さんチック。
どうやらのんびりとした日々を送っている模様。
泉の番人となったユンは、外見は変わらないまま。相変わらずの美少女っぷりです。彼女がもの悲しげに「ドミヌーラ…」とつぶやいた理由は後で分かります。
フロエとビューラは男に。コールのお騒がせキャラだったフロエですが、憎めないキャラでもありました。でも、再び戦争の足音が…。
アヌビトゥフとグラギエフは、さらにイケメンお兄さんに。でも、シヴュラ時代のグラギエフ(女性名はなんだったんだろう)の可憐さは忘れられません。
そして、アーエルとネヴィリル。この二人は冒頭語った通りですが、ネヴィリルさまと言えば、シヴュラ・アウレアと言われる宮国最高の巫女。
シムーン・シヴュラとしては最高のアウリーガだったわけです。
でも、よ〜く考えると彼女のすごさが描かれたシーンはほとんどありません。腕を見せる前にふさぎ込んじゃったので(^^;)。
それでも、立ち居振る舞いからそう感じさせる演出がよかったですなー。気高い心を持ちながら、同時に脆くもあり、揺れ動く様を堪能させていただきました。
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