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魔法遣いに大切な岩手弁講座

「魔法遣いに大切なこと」のヒロイン、ユメちゃんは岩手県は遠野の出身だという。彼女は普段は標準語(東京弁)でしゃべっているがやはり興奮するとお国言葉が出てしまうらしい。そこがまたユメちゃんの純朴なところを引き立ててもいるのだが、さてこのユメちゃんが発する岩手弁、いったいどのくらいリアルなのだろうか? 今回は岩手弁ネイティブのJ先生(仮)に登場していただき、ひとつ岩手弁講座といきましょう。

魔法遣いに大切な岩手弁講座〜入門編〜

カズくん: では早速J先生(仮)、第1話をご覧になってユメちゃんの岩手弁の発音についてどう思いましたか?
J先生(仮): なんか微妙にずれていた気がするなぁ。
遠野は内陸部なんだが、あの発音は県北から沿岸の方に近い気がする。
とはいえ、最近の娘は標準語と方言が微妙にブレンドされた言葉を話しているので、綺麗な方言を喋っても、それはそれで違和感バリバリなんですが。
カズくん: 内陸と沿岸で違うんですか。さすがネイティブ。
J : 個人的には、それよりもヒロインのアホ毛の方が気になった。
カズくん: アホ毛……最近の萌えワードはよく分かりませんな…。
では続いて第2話。第2話はあんまり方言出てこなかったんだよね。
J : 失速しましたなぁ。
「わだす」くらいしか訛ってなかったですよ? けど、今の娘は自分の事を「わだす」なんて言わないよなぁ。「わだし」もしくは「わだすぃ」ですよ。
カズくん: 「わだすぃ」ですか、メモメモ…
J : けど、それよか「ごめんなさい」と謝っていたのが許せない。岩手県人なら「もさげね」が基本だ!
あー、なんかイライラする〜!
カズくん: まぁ、落ち着いて。ほら、このユメちゃんが魔法使うシーンいいじゃないですか。もぉ〜スカートのひらっとさ加減が絶妙ですわ〜…おっと失礼、「もさげね」ね。もさげね…もーさげねぇ…もーしわげねぇ…申し訳ない、か!なるほど!
ではこの勢いで第3話。第3話は岩手弁バリバリだけど、どうですかね?
J : さっぱりですね
カズくん: ほーほー、やはり発音ですか?
J : そもそも、番組後のインタビューで「東北弁」と一緒くたにしているあたりが問題かと。東北といっても広いのでねー
カズくん: 確かに広いわな
J : うむ。同じ東北でも仙台とか青森とかの人とは上手く話せないしな。
カズくん: 言葉遣いは正しかったの?
J : いや、全然。だめだめっす。あれは岩手の方言じゃないなー
カズくん: じゃあ、あのシーンをリアル岩手弁にするとどうなるの?
J : ・・・えーっと、詳しいセリフを覚えてないんですが〜
カズくん: (…おい) まず「そっではねぇ、誰のせいにもしねぇ」…表記しづらいですが。
J : おう、とりあえず最初の「そうではねぇ」は「んでね」もしくは「そでね」でOKよ。
カズくん: 短いなー
J : 基本的に寒い地方の言葉なので、短くいうのが基本よ。同様に「馬鹿にすんでねぇ」は「馬鹿にすんな」だと思うな、僕は。
カズくん: あれ? 普通じゃん。
J : そういうもんよ。違いは「馬鹿に」を「ばがに」と呼ぶところ位ね。ただし、興奮するとお国言葉が出てくるっていう設定なら「馬鹿(ばが)にすんでねぇ」の方がいいかもしれん。
カズくん: ふむ。では「ちゃんときげば、ちゃんとできるてせづめいしてんだ」
J : 「ちゃんときげば〜」はこれで良いね。ただしアクセントとかタイミングとかがおかしいけど、まぁ許せるかも。
カズくん: タイミングかー。ところで「だす」っていうのは言うの?
J : 「だす」は言わないなぁ。「〜だ」で止めるっす。
カズくん: なるほど。確かに「だす」はちょっと違うんじゃないか?と思ってたので。どこの言葉だ?
J : そうだねー、天才バカボンのデカパンが言ってるよね。「わてはデカパンだす」
よく解らんが、九州の方じゃないか?
カズくん: そーそー、そんなイメージ。デカパンはともかく。
J : ちなみに、仙台は「〜ちゃ」なんだよね。「おら、昼飯食いに行くっちゃ」とか。
カズくん: ラムちゃん!?
J : 「だっちゃ」とかは言わないみたいですが
カズくん: いわんのか
J : ・・・自分の事を「ウチ」とは呼ばんからなぁ。
カズくん: っていうか仙台は「〜りゅん」だろ。
J : そんな奴いねー。
カズくん: おかしーなー、以前、センチ旅行仙台行ったときは、りゅんりゅん言ってたぞ。
J : それはお前が脳内補完していたからだ。そもそもあのゲーム、誰も訛っていないじゃん
カズくん: そういや、青森の妙子ちゃんも限りなく標準語だったなー
J : 九州も四国も標準語だった気がするぞ。
カズくん: 確かに高松の真奈美ちゃんも、福岡の千恵ちゃんも標準語だったな。
J : そういや、センチ2はやったの?
カズくん: 2はいいや(あっさり)。今ならシスプリの方がまだ…
J : だめだめです。

…と、最後は脱線気味でしたが、ポイントを整理しておきましょう。

  • 寒い地方なので、言葉は短く!
  • 単語自体も違うものが混じっている。また今の若い娘が使う言葉はTVの普及により、伝統的な岩手弁とはまた異なる!(標準語に近くなった)
  • やはりネイティブにしか分からない、アクセント・タイミングというものがあるらしい!

ってなわけで、ユメちゃん、もうちょっとがんばりましょう! でも、どうがんばったら今時の若い娘の岩手弁になるのか。次回は、J先生(仮)監修の元、実践編をお送りします。お楽しみに!


(C)カズくん