「オレが、どれだけ勇気を出して言ったと思ってんだ!」という千秋様の台詞は微笑ましかったな…。
この作品は、ひたすらのだめが千秋を追って追って追いかけて進む話でしたが、最後の最後で、千秋が迎えに行ったところがまたいい終わり方でしたね。
この作品ほど、アニメ化(ドラマ化でもいいが)された意味のある作品は、あまりないのではないでしょうか。なんと言っても演奏シーン。
コミックと違って実際に曲を聴くことができるのですから、そのときの状況やキャラクターの心情を雄弁に物語ってくれます(逆に言うと、コミックだけで完全に理解できる人は、かなりクラシックに詳しい人だと思います)。
また、コミックをアニメ化すると必ず言われることに「間の悪さ」がありますが、演奏をふんだんに盛り込むことによって解決しています。
例えば、第11話、シュトレーゼマンと千秋のラフマニノフは8分に渡って演奏されますが、間延びした印象は全くなく、むしろ曲の美しさをじっくり堪能できます。そして合間にタイミング良く入る台詞が心地よく、ピアノがもっとも盛り上がる部分で千秋が「この人の音楽をもっと聴いていたかった」というところなどは最高でしたね。ここは屈指の名シーンだと思います。
ドラマののだめでクラシックに触れた人が押し寄せて、クラシックブームが到来しているようですが、それも当然でしょうね。
だいたいクラシックは素人にとって(もちろん私も)、1)どれを聴けばいいか分からない 2)どこを聴けばいいか分からない 3)どうイメージすればいいか分からないものですが、それを三つながら解消しているわけですから。
さて、アニメ版で個人的に唯一不満だったのはシュトレーゼマンが再登場しなかったことかな。
原作でどういう展開になっているのかは知りませんが、最後にちょろっとでも出てきて欲しかった。
彼あっての千秋であり、のだめでしたから。いずれにせよ、非常に出来の良かったこの作品に巡り会えてよかったと思います。
これで心おきなくコミックも読めます:-)。
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