remove
powerd by nog twitter

当社の業務で使用している用語を解説しています.
Home 既刊書籍 会社概要 ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行 参考文献

ヤング-ハウスホウルダー変換式Young-Householder transformation
 距離行列から重心を原点とした積和行列(スカラー積行列、内積行列)へ変換する式(Young&Householder、1938、Psychometrika)。刺激の差異(距離)が測定されたデータから刺激の位置(座標、尺度値)を求める方法が尺度構成であり、多次元の尺度値(空間的な位置)を求める方法が多次元尺度構成法(Multi-dimensional scaling、MDS)である。複数の刺激は、普通の測定値の場合、(刺激の数−1)の次元の空間に位置付けられる。刺激の位置は、適当な原点からのベクトルの終点で表すことができるが、距離行列を重心を原点としたベクトルの内積に変換する式が、ヤング-ハウスホウルダーの変換式である。距離が内積行列に変換できれば、空間的な位置は、主成分分析などと同じように特異値分解することによって、少ない次元で最小2乗近似することができる(Torgerson,1858)。式の形を見ると、対称形の距離行列について、2乗の行平均、列平均、全体平均によって変換するので、重心変換、2重の中心化などと言われることがある。

有意差検定(統計的仮説検定参照)
母集団について,標本を用いて,複数の平均値や比率の差が偶然の差か意味のある差なのかを調べること.得られたデータの偶然の差ということは,本来,同一母集団(差がないこと)に属していて偶然変動する要素の中から,たまたまデータに見られる差を持つものが選ばれたと考えることを意味する.統計的な有意差検定では,まず偶然であるとして,そのようなデータが得られる確率を計算する.偶然である可能性が低いならば,偶然であると考えたことが誤りだったとして,異なった母集団から選ばれたデータであると考える.このことを,有意差があったという.有意にならなかった場合を正確に言うと,極めて珍しいケースが偶然に起こったということが言えなかった,という意味になる.したがって,異なった母集団から選ばれた(本来有意差がある)可能性もあり,同一母集団から選ばれたという結論にはならない.同一母集団(平均値が同じ)という結論を出すためには,何らかの別の情報がなければわからない.有意差がでなかった場合でも,何らかの情報から異なった母集団であるという予想ができるときには,データ数を多くするなど,検出力を高めることによって,有意差が出る可能性がある.

有意水準(統計的仮説検定参照)(level of significance)
統計的な仮説検定を行うとき,偶然ではないと考える確率の水準.一般的に5%の場合と1%の場合がとられる.すなわち,20回に1回程度の出現率よりも小さい場合には,予想される原因が影響している(影響しないとする帰無仮説を捨てる)と考え,偶然ではないと結論する.有意水準は,帰無仮説を捨てる境界であることから棄却域と呼ばれたり,偶然ではないと考えたとき偶然である可能性を表していることから危険率とも言われる.

ユーティリティ(utility)
効用値.心理的には行動に表現された量を表わすが,効用値は行動や結果の側から想定された概念であり,内容を表していない.嗜好量などの心理的な尺度値が物の評価属性を表わすのに対して,効用値は,尺度上の回数の多少,人数の大小などのボリュームを考慮した現実の値になるので,心理量と効用値を関係付ける関数関係(おもに尺度上の分布)が想定される.最も基本的には,心理量から効用値に移す場合,プラスのみの数値で表現される現実によく適合する指数関数が考えられる.逆に,実現値(アウトプット側の効用値やインプット側の測定値など)から心理量に移すには,指数関数の逆関数である対数関数が用いられることになる.心理量同士の変換機能には,単調な圧縮・増幅(バネ)を表現するベキ関数が用いられることが多い.

郵便ラベル印刷(当社のラベル印刷ソフト)
宛名印刷用ソフトウェアの名前.ラベル用紙,ハガキ,封筒などの宛名が印刷できる.「M-07 ラベル印刷システム」.

良い印象を与える動作 印象測定尺度の1つ.J−20〜J−25の中に含まれている.

用語検索による集計→文章集計システム.

予測
予測は統計的な結論の最終的な検証場面を表している.実験などの研究では,特定の条件に視点を置いて他の条件は一定に保つように努力が払われる.実際の応用場面では,様々な要因が影響すると考えられ,それらの要因を統制しない場合が実際の場面である.したがって,実験場面では要因効果が観察されたとしても,応用場面では,その要因効果が,実用上有効なほど大きくなく,周囲の要因効果の誤差に比較するとほとんど誤差と区別できなかったり,相互作用を起こしたりすることもある.薬品の臨床試験が必要な理由はその例である.また,予測するときには,効果の量的な差だけでなく効果のある個体の出現率が問題となることがある.確かに効果があることが分かったとしても,効果のある人の割合が低い場合で,しかも効果のある人が特定できない場合,効果のある人とない人についての利得量の問題を考慮しなくてはならない.効果がなくても問題はなければよいが,効果がないとき,費用や他の努力の休止などから損失が大きい場合,そして効果がある人の利得がそれほど重要ではない場合(他の要因によって代替できる場合など)では,たとえ効果があったとしても,応用上はほとんど有効ではないと言える.

Home 既刊書籍 会社概要 ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行 参考文献