双眼鏡を選ぼうと思うと、メーカーのカタログは欠かせません。
実際に店頭で触れられる双眼鏡はごく一部ですし、小型のものに限られます。
双眼鏡のカタログには製品のデータとともに、双眼鏡の知識が詰め込まれていますから是非入手してみましょう。
大きなメーカーのカタログでは50以上の双眼鏡が掲載されています。
店頭で見つけた機種より自分に適した双眼鏡があるかもしれませんから、よく見ておいて損はありません。
カタログから双眼鏡の性能すべてがわかるわけはないのですが、その一端を知ることができます。
カタログを手に入れましょう
双眼鏡を扱っているカメラ店ならいくつかのメーカーのカタログを置いていると思います。
手に入りにくいメーカーでもネットでは情報が入手できますし、メールや電話で請求すればカタログを送ってくれます。
メーカーごとのカタログの特徴は「双眼鏡研究室」を覗いてみてください。
カタログを開いてみましょう
メーカーによって違いがありますが、見たことのないような数の双眼鏡が載っているでしょう。
巻頭や巻末には双眼鏡の基礎知識がまとめられていることもあります。
ほとんどのメーカーでは双眼鏡がタイプごとに分類され、同一のタイプでも複数の倍率が用意されています。
もう間違わないと思いますが、倍率は双眼鏡を選ぶ基準にはなりません。
プリズム形式と対物レンズの口径を基準に目を通して見ましょう。
カタログの数字
カタログには幾つかの数字が並んでいます。
詳しくは、「双眼鏡入門」に載せてあります。
対物レンズ有効径・倍率・実視界・アイレリーフ・大きさ・重さを軽く見てみましょう。
倍率や口径はどのメーカーでも変りがありませんが、視野・アイレリーフ・大きさ・重さはそれぞれの製品で大きな差があることに気が付くでしょう。
メーカーによってはレンズのコーティングやプリズムの種類が記載されえいることもあります。
カタログの限界
ここまで見てくるとその双眼鏡のほとんどがわかったように思えてくるかもしれません。
でも、それはまったくの勘違いです。
カタログのスペックだけは一流でも、実際は使えない双眼鏡が多くあります。
数字で表される性能にしても、当てにならないものが多くあります。
視野は双眼鏡にとって重要な数字ですが、カタログだけでは実際の能力を知ることはできません。
数字上の視野が広くても、周辺視野で像の悪化がひどいとその領域はまったく使えないのです。
メーカーによっては周辺視野の悪化を承知で無理な広視界を設定していることもあります。
レンズコーティングもカタログが当てにならない最たるものです。
カタログではマルチコートとかかれていても、品質はまちまちです。
反射を抑えることよりも、消費者の目を引くことに主眼を置かれたようなコーティングも少なくありません。
また、双眼鏡は少なくとも10程度のレンズやプリズムの境界面を持っています。
対物レンズや接眼レンズの最外面はマルチコートしていても、内部の様子はわかりません。
ひどいものになると目に付きやすい対物レンズだけ派手なコーティングをして、接眼レンズの最外面すら手を抜いていることもあります(名の通ったメーカーでも!)。
1面でもマルチコートすれば、他はコーティングなしでも「マルチコーティングの双眼鏡」になってしまうのですから。
どんなにカタログにいいことがかれていても、実際に見たときの感想が一番信頼できることに変わりはありません。
たとえ気に入った商品がカタログの数字で劣っていたとしても、それは取るに足らないことです。
逆に、カタログで気に入っても実物を見る機会があれば念入りにチェックしてみてください。
カタログの数字より、初心者でも自分の目のほうが確かなんです。