アニメ「一休さん」の拠点となる舞台。それが安国寺(あんこくじ)だ。事実、一休さんは周建(しゅうけん)という名で、安国寺に在籍していた。6歳〜17歳までいたとされる。アニメの安国寺の境内には、山門・本堂・鐘突堂・和尚の部屋・小坊主棟・井戸・東司などの構築物と、さらにさよちゃんの家も含まれる。寺の片隅には、あの千早六蔵の墓もある。もちろん、てるてる坊主の木もある。 さて、安国寺はアニメでは、住職外観和尚と、しゅうねん以下6人の小坊主しかいない貧乏寺に描かれている。これも話を面白くさせているのだが、実は創作による設定のようだ。 安国寺は、足利尊氏・直義の兄弟が臨済宗の、天竜寺開山となる夢窓疎石(正覚国師)のすすめで、元弘の乱以来の戦死病没者の霊を弔うことを名目に、日本の各州に一寺ずつ、全国66ヶ国2島にたてたお寺で、京の安国寺もそのひとつだった。これは、国分寺とおなじように、治安維持・民心安堵が目的の官寺である。 安国寺は、3代将軍義満の禅院管理政策により、鹿苑院僧録司によって管理されるヒエラルキーにくみこまれている。安国寺は、「五山之上」とされる南禅寺、「五山(相国寺・天竜寺・建仁寺・東福寺・万寿寺・・・京都五山は時代によって序列も選ばれた寺も何度か変わっている。)」に次ぐ、「十刹(広覚寺・宝幢寺・禅興寺・妙覚寺などなど)」のなかにある。 現在の京都市、四条大宮付近にあったようで、五重塔ももっている、大きなお寺だったということだ。住職「外観」は、実在の人物である。 |