秀念さん・・・安国寺小坊主中最年長の、一休の兄弟子。彼のその年長者としての誇りは、アニメ「一休さん」序盤において一休さんに牙を剥く相手とならしめるのである。ほかの小坊主には、秀念のような覇気は無く、一休にトンチを挑むものはいない。秀念だけが特別なのだ。 しかし、そんな攻撃心のある秀念さんだが、トンチ問答における攻撃力防御力とも乏しく、桔梗屋によって安国寺が、そして一休さんが攻撃されるキッカケをつくってしまうのも秀念さんが抜群に多い印象がある。ひそかに桔梗屋に借金をしてしまい、外観和尚の秘蔵の知恵の箱を、桔梗屋によって盗みをそそのかされるのも秀念さんだ。(第76話 かりたお金と とんち箱) 桔梗屋(利兵エ・弥生ともに)とは、他の小坊主はほとんど絡みがなく、秀念さんが最もからんでくるのである。それもこれも、かれの人徳か。 いやそれは、内的要因と外的要因があると考える。 内的要因としては、その秀念さんの性格にある。秀念さんは、弥生さんにメロメロに惚れているので、それだけ絡みやすい。また、年長なのに、ちょっとしたことですぐに大喜びしたり、おだてに乗りやすかったりする、お調子者なのである。その調子の良さが彼の人の良さでもあるのだが、それが桔梗屋にねらわれる災いの種なのだ。 また外的要因として、アニメ「一休さん」の声優のキャスティングにあると分析する。エンディングの曲「ははうえさま」のなかの映像を見ると、「 秀念 はせさん治 」が必ずでているのにお気づきだと思う。そう。秀念が出ない話はないのではないか。また、仮に、出ない話があったとしても、はせさん治氏の声がどこかででているのではないか。そう。アニメの声優の振り方として、声優の顔が見えていないので、他のキャラクターの声として使いまわせるのだ。事実、将軍さま(山田俊司氏 現・キートン山田)や、桔梗屋利兵エ(緒方賢二氏)などは、町人などの振り替えで出ているのだ。同じことが秀念さんにも言えるので、それだけ、はせさん治氏の起用機会が増え、話の構成にも秀念を使うことにより、多くの声優をつかうことを避けることができるのだ。 さて、秀念さんの特徴をまとめてみよう。
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