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FANTAZY ZONE
1986年 SEGA |
・新世代シューティング!
シューティングといえば深淵なる宇宙を舞台にしたものが中心だった懐かしい80年代中盤、「ファンタジーゾーン」はそのあまりのポップさ、カラフルさで強烈な印象をゲーマー達に植え付けてしまった伝説のシューティングゲームです。
「ファンタジーゾーン」という世界の通貨危機を救うため、「OPA−OPA」という戦闘機(生き物?)が8つの惑星を舞台に戦いを繰り広げます。
任意で上下左右にスクロールさせる事ができ、各惑星に配置されている10機の前線基地を破壊すればステージのボスが登場するという斬新なシステムでした。
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世界観・BGMとも歴史的一作と言える |
・秀逸な世界観
「ファンタジーゾーン」と特徴といえば、なんといっても幻想的な世界観!美しいグラフィックで描かれた各惑星の背景は、「ファンタジー」の視覚化というと〜っても難しい作業を初めてなしえたといえます。「ファンタジー」ってこんな感じだよなぁ、と思わせる(謎の)説得力に満ち溢れています。驚異のセンスです。現在のバタ臭いゲーム業界では生まれ得ないと言っても過言ではありません。
登場するキャラクターもファンタジックで、手を振ったり、頭のプロペラをクルクル回しながら浮遊する前線基地は「基地」の概念をぶち壊してしまいました。破壊するとヘロヘロと落下し(落下しないのもいる)、「ふぎゅ〜」といわんばかりの表情の残骸が残るのには感動しました。
ボスキャラクターも魅力的で、ステージの特徴にあったデザインが施されています。なんとなく抽象画のようなデザインで、緊張感は皆無です。
BGMもそれまでのシューティングとはかけはなれたノリのいいサンバ調で、音質の良いFM音源とあいまって未だに語り継がれる名曲揃いとなっています。
・お金!
本作では、どんな通貨危機が起きているのかはわかりませんが、お金を使って買い物ができます。敵やボスが落と
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立体感がほんとに美しいのですよ。 |
す(撒き散らす)コインを集めて、「ショップ風船」を捕まえると入れるお店でアイテムを買うという非常に斬新なシステムです。自機も買えます。
散らばったお金を拾い集めるというあさましい行為を、ファンタジックかつ美しいグラフィックでなんとも言えぬ幻想的な光景にすりかえてしまうセンスは、もはや技です。
・伝説の作品
羽が生えた戦闘機のオパオパ(主人公)はとっても可愛くて、そのままセガのマスコットにして欲しいほどです。そんなオパオパは戦いの最後に実の父親(オパパ)と戦う羽目 になります。そのシーンのBGM「YA−DA−YO」は、シーンとともに心に残る見せ場でした。
ファンタジックでちょっぴり切ない本作は、その驚異的に美しいグラフィックと、練りこまれた斬新なシステムで話題になり、今なおプレイしても全く色あせる事のない超名作といえるでしょう。
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