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FANTAZY ZONE
for SEGA SATURN
1997 SEGA
 セガの名作をサターン上に復活させようというセガ捨て身の(経営上ね)ファンサービス「セガエイジス」。移植を担当した「るつぼゲームス」の神がかり的な職人技によって「スペハリ」「アフターバーナー」「アウトラン」など、今までの家庭用移植で苦渋をなめてきた超名作が次々と完全に復活しました。
 一連の体感ゲームと同じくらい忘れられない名作といえば「ファンタジーゾーン」!「セガと言えばファンタジーゾーンだ!」という人も多いのではないのでしょうか。エイジス化の希望が最も高かったこの名作も当然のように「セガエイジス」で復活!まぁ、もう出来に関しては言うまでもないんですがね。
夢か現か、アーケードそのまんま!
・完璧です
 はい、移植度に関してはほんと言うことないです。全く同じと言っていいでしょう。アラを探すだけ無駄骨です。プログラム単位での違いとか言い出すと全く検証不可能なので仕方ありませんが、おそらく寸分違わぬ移植がなされています。長年の夢だった「ファンタジーゾーン」の完全移植が初めてなった記念作です。
 グラフィック、動き、BGMは当たり前としてちょっとしたバグの隅々まで完全に再現されているようです。2面のBGM「KEEP ON THE BEAT」の曲名表示でつづりが間違っている(「KEEP ON THE BEST」になってる)ところまで再現(曲名は「北米版」で現われます)!!ヤバイほどの完成度ですね。これで3800円とは・・。大拍手!
 ひとつだけ。BGM・効果音全てを内臓音源で鳴らしていたアーケード版では、一部の効果音がBGMに影響を与え、音色を若干削ってしまう現象がありました(ボスBGMなど)。サターン版ではBGMがCD−DAなのでこの現象はなくなっています
・サターンモードとアーケードモード
曲名のつづりが違いますね。これは仕様です
 普通にゲームを始める(仮にサターンモードとします)と若干違う部分があります。タイトルで「PRESS START BUTTON」となっているのは仕方ないですね。エンディングではスタッフロールも追加されています。
 セガのロゴ中に2コンのA、Cを押しながらスタートを押すことでできる「アーケードモード」では以上のことはちゃんと解決されて、まったくアーケードと同じになるのでご安心を(もちろん「INSERT COIN」ですよ)。
 ただ、これは「スペハリ」でも同様でしたが、アーケードモードでもデモに一定の間隔(1ループに一回)で「SEGA」と「SEGA AGES」のロゴが現れてしまいます
・凄まじい設定項目
 オプションで設定できる項目はかなり凄まじいです。様々な条件を満たすことでどんどん増えていきます。項目を挙げると・・・
・「プレイヤー残機」
・「ゲームレベル」
設定もいたれりつくせりですよ
ディップスイッチの確認もできます(見るだけ)
・「エキストラシップの値段」
・「ボタン配置」
・「国内版・北米版切り替え」
・「画像出力の彩度」
・「画像出力の明るさ」
・「サウンドテスト」
・「音声出力 ステレオ/モノラル」
・「連射有無と、速度」
・「曲名訂正の有無」
・「最下行文字等表示切り替え」
 と、まぁこんなにあります。すごいです。
 「国内版・北米版切り替え」は5面BGMの違い(有名ですね)や各面の曲名表示の有無と考えましょう。
 「サウンドテスト」では、「OPA−OPA!」や「YA・DA・YO」のイントロありなし両方聴けます。もちろん効果音も全部聴けます
 「曲名訂正の有無」は冒頭でもちょっと触れたもので、北米版の曲名表示における2面の曲名の間違いを直すかどうかです。 「最下行文字等表示切り替え」は基地のレーダーやラウンド・残機表示を画面の最下行に出すかどうかなどを設定できます。恐ろしいほどのサービス精神!
・オリジナル要素
 そしてさらにオリジナル要素もオプション(設定画面)に含まれています。大きく2つ。
驚異のヴォーカル曲!
サウンドテストで聴けば歌詞も表示されるのだ
 まずは「トレースプレイ」。これは自分のプレイを録画できてしまうというものです。究極のプレイを録画するために頑張るという遊びもできます。ただ、かなりSAVE容量をくってしまう(必要空き容量3376)ので、実際はやったことないです。もちろんカードリッジRAM必須です。デフォルトで制作スタッフの模範プレイが入ってます。
 もうひとつは「ヴォーカル」!サウンドテストにおいて、1面のBGMである「OPA−OPA!」のヴォーカルアレンジ「ネーネーどうして?」(作曲・編曲/Hiro 作詞/詩織 歌/佐々木加奈子)を聴く事ができます。再生するとカラオケのように歌詞も表示されてなかなか凝っていますが、曲としてはどうなんでしょう。「ファンタジーゾーン」とはあんま関係なさそうな歌詞だし。それなら伝説のヴォーカル入り「YA・DA・YO」とか入れて欲しかった気がしますが。
 ちなみにこの「ネーネーどうして?」は、トレースモードの再生時にBGMとして流すこともできます(効果音は鳴りません)。
 忠実な移植ながら、これほど書く要素にあふれているほどサービス精神いっぱいのサターン版「ファンタジーゾーン」。しかしながら、やはり賞賛すべきはその完璧な移植度ですね。
 ハードの性能がオリジナル版を凌駕しているからと言って、完璧な移植が実現するとは限りません。移植人の技とこだわり、信念が重要です。サターン版「ファンタジーゾーン」ではそんな移植人魂をこれでもかと感じさせられた傑作です。
セガ
1997年2月21日発売 3800円

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