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第086話:殺人聖者

作:◆CSZ6G0yP9Q

相良宗介が少年を発見したのは二時の半ばを過ぎた頃だった。
 彼は考える。ここに来る途中、少女の死体を発見した。彼女のデイパックからは既に持ち物は抜き取られていた。
 これから導きだされる答えは、ゲームに乗った人間がいるということだろう。そして、弱い人間を殺し、武器を集め、自分の生存の確率を高める。それは酷く正しい。
 ならば、俺も参加者を殺すかして、武器を集めるべきだ。それらをこなしながら、彼女の元へ向う。
 彼は、そう結論を出した。
 そして、眼前にいる少年をみる。年齢は自分と同じくらい。学生だ。彼の日常を象徴するようなここに逃げて来たのかもしれない。
 震えている首にナイフが突き刺さる。後ろからの一撃。宗介の存在に彼は気づいていなかった。そして、自分が死んだことも。
 時刻は三時を一分過ぎていた。


「はずれか……」宗介は呟き、デイパックから食料と水を移すと、死体の横で、奪った豆腐を一つ食べる。
 腹が五分ほど満たされたところで、彼はその場所を去っていった。
 夜明けは近い。自分の格好を考えれば、動くべきは夜であり、休むべきは昼。それまでに、人の近づかなさそうな場所を確保するべきだ。
 彼は地図を眺め、立ち去った。

【D-2(学校1階教室1-4)/03:01】

【相良宗介(フルメタルパニック)】
状態:健康、殺人聖者モード
装備:コンバットナイフ、スローイングナイフ数本
道具:支給品一式(水、食料×2)
思考:1、火器類の確保 2、千鳥、テッサの保護 3、クルツとの合流 4、探索は夜、昼は仮眠
行動:南へ

【キョン(涼宮ハルヒシリーズ)】
状態:死亡(03:01)
道具:水・食料を除く支給品、豆腐の残りと醤油

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