マイナスイオン神話の解体1「ブームの始まり、あるある大事典」- (疑似科学の終焉)
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マイナスイオン神話の解体

ここは、疑似科学「マイナスイオン」が蔓延してしまった「謎」を解明していこうとするページです。
公開されている情報収集を元に、ゆっくりと作成・編集している途上です。
※知られていない情報をお知りの方はどうぞ お知らせくださいませ。


-- CONTENTS --
  1. ブームの始まり、あるある大事典
  2. 代替医療紳士、堀口昇ドクターのマスコミ宣伝作戦
  3. 空気イオン、空気のビタミン説の起源
  4. 戦前、北の国での謎の研究。北海道大学
  5. 戦後、アメリカでのイオン商品の氾濫と衰退。米FDAのネガティブ判断
  6. 鉱石ブローカー、永井竜造氏のトルマリン鉱石錬金術作戦
  7. 大不況に喘ぐ日本家電が良心を捨てたとき
  8. 研究費と引き換え、疑似科学研究に手を染める研究者
  9. ブームの頂点、2002年の熱く長い夏
  10. エピローグ。意味の拡散、商品のキメラ化

ブームの始まり、あるある大事典

何事にも始まりがある。
ブームの始まりは新商品の販売というのは普通である。
また、機能が良い、とても効果があるという口コミ、うわさ、ネットコミュニケーションが流行るきっかけになることも多い。 この場合は、本当に効果がなければ、口コミは途中でとまり、流行とはならない。
つまり、消費者も馬鹿ではない、利きもしないものに好んで金をだすことはしない。

さて、マイナスイオン。この流行は、このようなどちらの常識もあてはまらなかった。
まず、ブームの最初に、ある飛びぬけた新商品があったわけでもない。
また、健康に良いとか、効果が口コミでひろがったわけでもない。
そして、利きもしないものに、消費者は金を払った。

不審と謎と不誠実が感じられるこの現象は解明される必要がある。

マイナスイオンの流行のトリガーとなったのは、あるTV番組だった。
その番組の名前は、「あるある大事典」といい、疑似科学や代替医療やその周辺をもっともらしく紹介するのを得意とする番組である。
その紹介のしかたが、センセーショナルで、視聴者を「煽る」ような番組の作り方をしているのが逆に刺激的で効果があったのか、それなりの視聴率を得て、長続きする番組となっている。 (もちろん良識ある人々からは笑殺されている番組なのだが)

振り返ってみよう。20世紀末、そしてミレニアムの前後に、以下のような番組が流された。 マイナスイオン商品自体は、1990年代中頃から市場に出だしたようである。
しかし、認知度はなく、ほとんど人の目に止まることもなかった。 新聞・マスコミ等のニュースになることもほとんどなかった。

マイナスイオンという「虚の市場」が立ち上がるのは、1999年である。
新聞・マスコミ等の記事の量が急激に増える。 その記事の中で、引用されるのは、決まって上記「あるある大事典」の件の番組であった。
マイナスイオンをうたう商品を鞄に詰め、売込みをはかりにいくマイナスイオン紳士たちが決まって、販促ツールに使っていたのは「あるある大事典」の件の番組を録画したビデオテープであった。

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更新日 2003/09/20, 作成日 2003/08/09