We do not recommend that authors limit their creativity, only that they consider alternate renderings in their design.
我々は(ウェブの)製作者が、その創作物に限度を設けるべきだとは考えない。 ただ、作者はデザインの中で代替表現を考慮すべきだと言いたいのである。 (訳;筆者)
出典; W3C HTML4 ...2.4.2 Consider universal accessibility to the Web川崎が、「デザイナーは言葉を駆使できなければデザイナーではない」と断言しているのも、気持ちよい。一般には言葉に頼るデザイナーは軽視されているのだが、これは日本のアート・デザイン病がもたらした恐るべき症状であって、言葉とデザインは本質を同じうするものなのである。そこを川崎はずばっと説いてきた。
出典; 松岡正剛の千夜千冊『デザイナーは喧嘩師であれ』川崎和男
なぜ、画像に対して alt のような代替表現を付加すべきだと主張するのか?
では無く、
テキストで表現している一節を、画像に置き換えたらどうなるのか?
と、いう考え方をしてみたいと思います。
考え出したシンボルは縦長の長方形であり、一本の黒い線が(対角線上に)右上から左下にかけて引かれている。 線より上側は濃いグレー、線より下側は白っぽいグレーで着色されている。
上記のテキストで描かれている図形をイメージしたモノを、画像として配置しました。 このような画像には代替表現 = altテキストを挿入すべきだと推奨されています。 今回のように、テキストで説明したものを画像化した場合は altの文章には 元々の(画像化する前の)テキストを要約して記入してやれば良い寸法です。
物事を合理的に整合性を持って考えるならば、 用の無い・意味を為さない画像が配置される道理は無いわけです。 何らかの必然性があるから画像が配置されるわけであり、 その必然性とやらを言語として説明する試み、それが画像の代替テキスト表現ではないでしょうか。
代替テキストの必要性は、 HTML 構文作成においてさんざん連呼される ”あらゆるユーザー環境を考慮しましょう” 的な考え方から発生しています。 何でもかんでも、根源となる発想は同じわけですよ。 ちなみに、 img に対して height と width で大きさを指定しておけば画像が表示されなくとも、 画像指定部分のタテヨコの寸法は枠線によって保持されます。 故に、レイアウトの破綻を防ぐ為の安全策にもなります。
HTML文法チェッカーでは画像に alt 属性を付加していないと、割と高ポイントな減点制裁を受けました。 alt 属性を省くとは、画像非表示のユーザー(あるいはテキストを音声読み上げで利用しているユーザー) に対する配慮を欠いたバッド・サイトだという認定を受けるわけです。 第一部では代替テキストの入力を完全にさぼっていたので、かなり主要な減点要因となりました。
あーしろ、こーしろと面倒なコトばかり。 alt="......" の文章を画像毎に挿入するのも若干、苦痛を伴う作業となるでしょう。 そこで気休め程度のハナシですが、 alt を付加するメリットというものを考えてみます。
Google などのロボット型検索エンジンは alt のテキストも文字列として収集してくれます。 alt にテキストが書き込めるというコトは、核となるキーワードを頻出させる機会が増すというコトでもあります。 悪辣な商用テクニックとして、 height="1" width="1" と指定した極小の画像に alt のテキストを書き込んでキーワードを連呼するという詐欺行為すら存在するらしいです。 alt という代替テキストに文字を書き込む為に画像を配置したのでは本末転倒も甚だしいのですが、 alt をいちいち画像に付加する手間、ソレに対する小さな恩恵があるコトも念頭に置いてみてはいかがでしょうか?