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IE 帝國 その戦略と大衆支配の構造

個人的心境の変遷。知れば知るほど無限地獄

このサイトは IE というブラウザの独占的支配に対して毒づき、現状に対する不平不満を(なるべく公正な立場から) ダラダラと述べようという趣旨のものであります。 殺人に動機があるように(無い場合もあるが)、批判にも動機が存在するものです。 いや、正確には批判を手間隙かけて書き記す所以となった動機のコトです。 ここでは、作家先生きどりの私がいかなる経緯を経て IE への不満を吐露するに至ったのかを記述していきます。 勝手ながら、ウェブを私的に作成しようなどという御仁は似たような経緯を辿るのではないかと思っております。

創世紀(今から2年以上前)

最初に HTML を覚え、ウェブサイトを作ったときのコトは早くも多くを忘れかけていますが、 何かと覚えることが多く苦労したものです。 HTML 自体よりもむしろ、サーバーに申し込んでレンタルスペースを借りることだとか、 FFFTP などの転送ソフトを使ってファイルをアップロードすることだとか、 ウェブサイトそのものの概念を理解するまでが最も苦難に満ちた時期だったような気がします。 index.html という名前のファイルを作らないといけないというのも、 分かるまではうまくいかず、何が悪いのかと随分悩んだものです(サーバーにメールで質問したりしました)。

転送までがスムーズにいくようになると、今度は HTML のタグというヤツを一通り覚えてみようという気になりました。 ちなみに、最初から今に至るまで Windows のメモ帳を使ってファイルの作成をしています。 何故、便利なツールを使わないのかというと、ツールの使い方を覚えるのが面倒だと感じたからです。 まあ、とにかく辞典形式のものを買って試行錯誤を繰り返す日々の始まりでした。 あまり文法などには興味は無く(とにかく画面に表示されれば良い)、 いきなりサイドビジネスにならないものかと欲を張っていたものです。

直立紀(2年前から半年前)

この頃はまだ我慢強かったので訪問者の有無にはそれほど気を病んでいませんでした。 会社の給料日前における節約を要する期間の暇つぶし感覚でやっていたので、それほど急いでいなかったという感じです。 しかし、カウンターを設置し、来る日も来る日も2,3人の訪問者しか来ていないコトに気付いてからは少しばかりの焦燥を感じました。 何か根本的に間違っているのか? と、考えサイトを一から作り直してみました。 画像ばかりで文字が無かったものですから、なるべくテキストを織り込むようにしてみました。 ある日、思いつきから CGI のアクセスログを導入してみようと思い、 数時間の格闘の末、ようやく設置に成功しました。 そして、検索エンジンに入力された文字を知り、 その文字を入力すると実際に自作サイトが検索結果として表示されるという喜びを知りました。

やがて、毎日50人くらいは検索エンジン経由で来てくれるようになりました。 2ちゃんねるからのリンクで一日に400くらいのページビューがあったこともありました。 このとき、自作サイトの感想というものをはじめて読んだもので、こうなってくると面白いものだと感じました。 人は誰しも評価されたいと思っているので、他人の忌憚無き意見が聞けるというコトは素晴らしいものなのです。 しかし、サイトの更新も徐々に煩わしくなってきて(バナー広告が何の利益も生み出さないコトもあり)、 パチンコ行くか、飲みに行くか、という日々が続いたものです(平日は会社で働いて)。 しばらく放置した後にレンタルサーバーを解約しました。

革命紀(今から半年前)

会社を辞めると暇になったので(職探しはしていますが)、またウェブ作りをやるようになりました。 ヒマだと面倒なことにも挑戦する気になるものですから、以前購入してお蔵入りになっていたスタイルシート辞典にも 手を出すようになりました。 以前、少しだけ導入して(あまりにも意味が分からなかったので)断念していたスタイルシートの活用に着手したのです。

この頃、ある重大な事実を知りました。 ブラウザで文字の大きさが変えられるという事実です。 このときまで、こんなコトも知らずにサイトを作っていたものですから、自作サイトにて文字の大きさを変更したら レイアウトは崩れるわ、極端に文字は小さいわで、今まで作ってきたものは全て「文字サイズ;大」を基準にしていたものですから、 こいつはマズイと痛感したものです。

結局、スタイルシートを使ってフォントサイズを 12から14pt に絶対指定するコトを多用しました。 もともと、「文字サイズ;大」で世間のウェブを観覧していたものですから、 心理的には大き目の文字を好む傾向があったのです。 ノートパソコンしか持っておらず、あまり見やすいディスプレイでは無かったコトも大き目の文字を好む要因の一つだったと思います。

躍進紀(今から2ヶ月前)

努力の末、スタイルシートをおぼろげながらもマスターしたと思ったものですから、 無謀にも CSS解説サイトを作ってみました。 実際には作りながら覚えていくという感じだったのですが......。 猛烈に執筆を続け、約一ヶ月で完成にまでたどり着きました。

しかし、完成させた CSS解説サイトを HTML文法チェッカーで採点してみたところ、満足のいく点数を得られませんでした。 そうは言っても、修正に莫大な労力を要するという程では無かったのです。 確かに地道に直していかなければならないので単調な反復修正作業を繰り返すコトが求められたのですが、 文章自体はそれほど手直しをする必要がなかったのが不幸中の幸いでした。

この頃には以前はほとんど見もしなかった、ウェブサイトの標準仕様(W3C 関係など)について記述されたサイトを閲覧するようになりました。 やはり、本を読んだだけの知識では間違い、勘違いが多いのだ(そもそも市販本の信用度が大したものではない)と痛感しました。 何か、知れば知るほど底抜けに(ウェブ作成に関する)課題が見つかってくるような気がして、 眩暈・動悸・息切れを感じたとか感じなかったとか。

混沌紀(最近)

そしてついに、パンドラの箱を(止めておけばいいのに)開けてしまったのです。 どうも、IE だけしか知らないというのは世間知らずのような気がしてきて Mozilla というブラウザをダウンロードしてみたワケです。 そして、標準仕様に忠実な非IEブラウザで自作CSS解説サイトを観てみると、これは何という! 地獄の様相を呈していたワケです。 ”応仁の乱”、”ブラック・マンデー”、”パンチ・ドランカー”...、頭に浮かんできたのは混乱や混沌を意味する語句ばかり。 HTML文法チェッカーで99点だったページもレイアウト的には思いっきりアウトでした。 はみ出したり、重なったり、間延びしたり......、IE6 で見たときのあの姿はいったい何処へ行ってしまったんだと嘆いたものです。 今度ばかりは手直しに莫大な労力を要します。

3日3晩の熱病にうなされた挙句、奇跡的な生還を遂げた私は諸悪の根源が IE の帝国的独占支配にあるのだと気付き、 世直しの筆を振るうことを心に誓ったのであります。 趣味的に作ったサイトですからパンドラの箱開封による痛手は個人的嘆息で片付いた次第ですが、 これがもし、仕事でウェブサイトを作っていたとしたら......。 その痛手は個人の範疇を越えて経済的・時間的な損失、社会的信用の欠如となりましょう。 このように災禍の種ともなりかねない、IE の独自支配体制に対して憤懣の嵐が心中にて渦巻いているワケでございます。 ここまでのこのような私的な経緯に関して、皆さんのご理解を頂けるのなら、これ幸いであります。


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