ブラウザの基本的な役割はサーバーから HTMLファイルをダウンロードして、 その内容を解釈、そして順序や位置関係を整理して HTMLファイルを(画面上に)再構築するというものです。 インターネット接続の際に活用するソフトウェアであり、 必ずしも OS とブラウザを同じ会社の製品にする必要はないわけです。 さらには、複数のブラウザを一つの PC で使用することも無理な話ではありません。 Windows ユーザーだから InternetExplorer しか選択肢は無い、というコトではナイのです。
無料でダウンロードできるブラウザがあるというので、後学の為に利用してみました。
Mozilla というのは Netscape社から派生した管理団体が開発したブラウザらしいのですが、とにかく無料で製品を配布しています。
興味のある方は以下の日本語サポートページをご覧になってください。
もじら組
こうして第2のブラウザ、しかも MicroSoft の息のかかっていないソフトを手に入れるコトに成功しました。 慣れ親しんだ IE は今後も使っていきますが、 Mozilla の Firefox も自作HTMLファイルの互換性を確認する上で重要なツールとなりました。 セカンドブラウザは愛人感覚で導入可能です。 つまり、IE という名の嫁と離婚せずに第2のブラウザを導入しても、同一PC上で共存が可能なのです。
非 IE ブラウザによって何が見えてくるのか? 主として2点、感じたコトがあります。
一つは IE というブラウザの持つファイル構築(レンダリング)の巧みさです。
IE では小奇麗に表示される HTMLファイルであっても、非 IE ブラウザではレイアウトが破綻したりします。
列と行によって上から下へと文字列が一方向に敷き詰められる様なシンプルな構成だと破綻の要因は少ないのですが、
画面上を複数に分割したりするとトラブル発生の要因が急増します。
このように書くと IE だけが正しいレンダリングを行うようにも思えますが、実際には
IE が間違ったレンダリングをしているワケです。
この件を詳細に検証するコトが当サイトの主題であり、具体例と対策については他の章を参照してください。
IE の HTML 組み立て技法の巧妙さ
2点目の相違、それは文字サイズの変更機能についてです。 IE についている文字サイズ変更機能は最大(G)、大(L)、中(M)、小(S)、最小(A)の5段階です。
標準 | 互換 | 最大 | 大 | 中 | 小 | 最小 |
---|---|---|---|---|---|---|
xx-large | 48pt | 42pt | 36pt | 30pt | 24pt | |
xx-large | x-large | 32pt | 28pt | 24pt | 20pt | 16pt |
x-large | large | 24pt | 22pt | 18pt | 14pt | 12pt |
large | medium | 18pt | 16pt | 14pt | 12pt | 10pt |
medium | small | 16pt | 14pt | 12pt | 10pt | 9pt |
small | x-small | 14pt | 12pt | 10pt | 9pt | 8pt |
x-small | xx-small | 12pt | 10pt | 8pt | 7pt | 6pt |
12pt | 12pt | 12pt | 12pt | 12pt | 12pt | 12pt |
CSS で文字の大きさを指定する際、xx-large から xx-small までの7段階の大きさが選択可能です。 例えば互換モードの HTMLファイル内でミディアム(medium)を指定すると、ユーザー(IE6)による文字の大きさ選択が「大」なら 16pt、「中」なら 14pt、 「小」なら 12pt となります。 このように、相対指定と呼ばれる方法でフォントサイズを指定すると文字の大きさは可変的であり、 ユーザーの意思によって大きくしたり小さくしたりが容易に行えます。 また、IE5.5以前では「中」設定時におけるフォントサイズの取り方が IE6 とは違うらしいです。
また、文字のサイズを HTMLファイル中にて指定しなかった場合、デフォルト値が適用されます。 IE6 で試したところ、デフォルト値は標準準拠モード <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN"> だと small(10pt) 、互換モードだと small(12pt)に設定されます。 標準モードの方がフォントサイズを一段階小さめに設定しているようです。
一方、表の最下段にある 12pt のように具体的な値でサイズを絶対指定すると IE では簡単にはサイズを変えられません (ちなみに、このテーブル内の文字は 12pt の絶対指定で描かれています)。 IE を日常的に使っていると ”絶対指定文字だとサイズを変えられないものだ” と、いう認識になりがちですが Mozilla などの 非 IE ブラウザでは絶対指定文字でも問答無用でサイズを変えられます。 このように絶対指定文字をどう扱うかという問題一つを取ってもブラウザ間における認識の違いは大きいわけです。
Mozilla では IE のように5段階とは言わず、ほとんど青天井で果てしなく拡大・縮小ができます。 度の過ぎた拡大や縮小に何の意味があるのかは分かりませんが、 注目すべきは絶対指定でフォントサイズを定めているテーブル内の文字も拡大・縮小されているという点です。 文字が小さくて読みにくいというサイト(絶対指定で 10pt とか)でも何ら問題ありません。 ウェブ上で繰り広げられている、文字の大きさに関する不毛な論議にも簡単に終止符を打つコトができるわけです。
Mozilla では Ctrl キーと + − キーを組み合わせて押すだけで文字のサイズを変更できます。 この機能を便利と思うかどうかは、世間の皆様の判断次第でしょうが、 ウェブ閲覧の利便性を高める為に様々な機能が考えられるという、 そういうコトです。 ブラウザの機能には様々な方向性が考えられ、 将来的にはどのような機能がユーザーから支持されるコトになるかは分かりませんな。
Mozilla.org という組織が Mozilla というブラウザを開発しています。 Mozilla.org では Mozilla の軽量版(容量が少ない)として Firefox というブラウザも作っています。 Firefox はもともとフェニックスという名称だったのですが、商標の関係で改名を余儀なくされ、 ファイアバードに改名した後(この名前も商標の関係で没)、結局、ファイアフォックスに落ち着きました。 ファイアバードと言えばポンティアック・ファイアバードという名車か、 手塚治虫の「火の鳥」か? と、オッサンは思うでしょうが商標でクレームを付けてきたのは、 ソフトウェア関係の同業他社のようです。 ちなみに Mozilla.org では、メールクライアントとして Thunderbird というソフトも開発していますが、 これはサンダーバード(1号、2号、3号...?)で通せるようです。 社会のルールってヤツは、いまいち釈然としませんな。
当サイトで Mozilla と記述している場合、Mozilla.org を意味する場合と Mozilla(ブラウザ名)を意味する場合とがあります。 若干、曖昧な書き方をしていますがご容赦ください。