作:◆VXLJVmSKgk
ミズーを寝かせた後、俺と新庄は周囲で役立ちそうな物の探索をしていた。
今のところ、マッチや糸などの小道具ぐらいしか見つかってない。
そして部屋の片隅にあったデスクの引き出しを開けた。
「……新庄、これは何だと思う?」
中に入っていた数十枚の紙をデスクの上に広げながら俺は新庄に言った。
棚を漁っていた新庄がこちらに来て、その紙を見て驚いた。
「これって…地図?」
「ああ、どうやら各エリアの地図が拡大されているようだ。
支給された地図よりも詳しく書かれているな」
地図には建物の後に数字が記されていたが、その意味は最後の紙を見て理解した。最後の紙には数字の後に文字が書かれていた。
ああ、神様ありがとう! どうやら今まで不幸だった俺に幸運が舞い込んできたようだ。
「おそらく数字のところにアイテムが置かれているんだろう。
そして、その中には俺の贖罪者マグナスと咒式用弾頭がある!」
咒式が使えるようになればミズーの治癒もできるし、俺も戦える。この二つを手に入れればかなり有利になる。
「なら、早く取りに行った方がいいね。他の人に取られちゃうかもしれない」
マグナスと咒弾の場所はB-1とD-1。現在地から考えると運が良かったとしか言いようがない。
しばらく考えた後、俺は新庄に言った。
「ミズーを頼む。俺が一人で行く」
「え?! 一人じゃ危ないよ!」
「この状態じゃ一人でも三人でも変わらない。
ミズーを看てて欲しいし、外は危険だ。
女の子を危険に晒すわけにもいかないからな」
新庄は納得していない顔で言う。
「でも…」
「行きさえ無事なら、ある程度の敵でも勝てる自身はある。心配するな」
「…うん、わかった」
心配そうな顔で了承してくれた。やっぱりいい子だ。
足の痛みも多少、引いてきた。どうせ咒式で直せるんだから無理してでも走って行けばいい。
「とりあえず、まずは屋上に行って人のいない道を確かめる。
その道を通れば多少危険は低くなるだろうし」
「がんばって、ガユスさん」
「ああ」
俺は部屋を後にし階段を上る。
どん底の俺たちに希望の光が差し込んできた。
【残り88人】
【B-3/ビル一階/一日目/08:20】
【ミズー・ビアンカ】
[状態]:気絶。左腕は動かず。
[装備]:グルカナイフ
[道具]:デイバッグ(支給品一式、支給品の地図にアイテム名と場所がマーキングされています)
[思考]:気絶
【新庄・運切】
[状態]:健康
[装備]:蟲の紋章の剣 救急箱
[道具]:デイバッグ(支給品一式、支給品の地図にアイテム名と場所がマーキングされています) 部屋で発見した詳細地図
[思考]:1、ガユスが戻るまでまで休憩 2、佐山達との合流 3、殺し合いをやめさせる
【ガユス・レヴィナ・ソレル】
[状態]:右腿は治療済み。戦闘は無理。疲労。
[装備]:リボルバー(弾数ゼロ) 知覚眼鏡(クルーク・ブリレ)
[道具]:デイバッグ(支給品一式、支給品の地図にアイテム名と場所がマーキングされています)
[思考]:屋上で安全ルートの捜索。傷を悪化させてでも、B-1とD-1へ急行。
2005/04/22 修正スレ48
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