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第052話:駆ける炎髪

作:◆gzzG2LsYlw

(悠二・・・。)
 煌く真紅の髪と眼を持つ少女は南西の方角へ疾走していた。
先ほど突然目の前に現れた、場違いなほどの笑顔をした青年以来
誰とも会っていない。
 さわやかな笑顔のまま挨拶と静止を促してきた青年に彼女はまったく興味を示さず、
走っていた体勢そのままでもっていた刀(なまくらだが)の峰で前頭部を強打、
青年は笑顔のままその場に背中から倒れ気絶した。 
彼が腰に持っていたリヴォルバータイプの銃を抜き取り、懐に入れたが、
食料は残してやることにした。
 彼女の目的はただひとつ、坂井悠二と合流すること。
悠二の存在の力の気配は南西の方角、それも大きな建物の付近にいるのを感じる。
どうやら彼の近くにもう数人誰かいる様だ。
(すぐ行くから無事でいるのよ!)
彼女は今はこのくだらないゲームに乗る気はなかった。
すべては悠二と合流して、相談して決めればいい。
 フレイムヘイズである彼女の存在の使命は、この世でいたずらに存在の力を乱獲する、
異世界の住人・紅世の徒や王を討滅することである。
 それ以外の存在を相手に殺し合いをするのは彼女の望むところではない。
それに、ここにきてからアラストールの反応がないのも気になる。
いつもならアラストールか自分のどちらかが望めばお互いの場所に瞬時に移動できるのだが、
ここでは不可能のようだ。
(悠二・・・!!)
天頂からわずかに西にずれた月の光を浴びながら”炎髪灼眼の討ち手”シャナは
走り続ける。

シャナ
[状態]健康。
[装備]刀(なまくら) 『カノン』(リヴォルバー式ハンドガン)
[道具]デイバック一式。
[思考]悠二のいる南西の城へ向かう。銃は使う気なし。

古泉一樹
[状態]気絶状態
[装備]なし
[道具]デイバック一式。
[思考]SOS団の合流

【残り105名】
【E-6/一日目1:40】

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