0.概要 1.座学(池袋篇) 2.企業実習(新宿御苑篇) 3.修了式 4.私の終わりは私の始まり |
職業訓練の種類 | 普通職業訓練 |
訓練課程 | 短期過程「若年者職業訓練 (委託訓練活用型デュアルシステム)」 |
訓練科名 | Javaプログラミング技術科 |
総訓練時間 | 480時間 |
受講期間 | 平成16年5月26日〜平成16年9月16日 |
よくわからない人のために、公共職業訓練のあらましについて述べておくことにしましょう。
かつて、企業は若年者を採用すると1からトレーニングを施していたのですが、近年の長引く不況によって企業は若者を育てる余裕を失い、「スキルがあって、即戦力になる者だけ欲しい。いなかったら、無理に採用しない」といった姿勢に転換しました。(※1)
その結果、多くの若者が技能を磨けず、キャリアを築けずといった状態で放り出されることになりました。
「これではいけない。若者が職業訓練を受けぬままフリーターなどで過ごしていると、将来、社会を担う熟練した人材がいなくなり、経済が悪化、国際競争力が低下する!」
と危機感を抱いた政府が、若者たちに、企業の代わりに職業訓練を施すことにしました。これが公共職業訓練です。
公共職業訓練は公的資金(税金)によって賄われていますので、受講料は基本的に無料です。(※2)
尚、公共職業訓練の詳しい内容については、最寄のハローワークに行って御確認ください。一年に何回も募集していますし、コースも充実しているので、チャンスは多いと思われます。
さて、私が受講したのは4ヶ月コースの「Javaプログラミング技術科」です。Javaとはコンピューターのプログラミング言語の一つで、このコースはJavaプログラマーを養成するものです。
4ヶ月のうちの3ヶ月が池袋の駿台電子情報専門学校(※3)での座学、残り1ヶ月が新宿の日本エクス・クロン株式会社での企業実習です。
このように座学と企業実習とを組み合わせたものをデュアルシステムといい、このシステムは今年度から導入された制度です。(※4)
池袋の駿台電子情報専門学校に3ヶ月通いました。その成果は以下の通り。
(1)Javaを習得 3ヶ月の座学を終えた後、新宿に移って日本エクス・クロン株式会社で企業実習を受けました。企業実習とは学校と仕事の中間に位置するもので、企業に行って実際の仕事を勉強するというものです。
今回会社では当初、実際の仕事を与えようかと検討しましたが、生憎ピッタリ来るものが手許にないので、過去に自社がやった小さな仕事を課題として与えることにしてきました。その課題とは、わかりやすく言うと地図表示ソフトです。
我々(8人)は1ヶ月かけてこのソフト製作に取り組み、全員何とか期日までに仕上げました。そしてCD−Rに焼いて提出し、終了式の日に返却されました。(※8)
さて、それでは企業実習で得たことを項目別に整理してみましょう。
(1)Javaのコードを調べる力が付いた
わからないことがあったら、とにかく自分で調べる。Sunのわかりにくい説明書(※9)と格闘しながら未知のコマンドを次から次へと拾い出してゆきました。
(2)UMLの書き方を覚えた
UMLが何の略かは忘れましたが、ともかくもUMLとは設計図の書式の一種です。
課題ソフト制作で設計書を作る時にUMLを用いました。ちなみに会社の人の言によれば、我々のUMLは「初級レベル」だとか。
(3)ビジネス系文章力アップ
要求仕様書、基本設計書、詳細設計書、トラブル対策管理シート、テスト仕様書兼報告書、業務報告書、進捗状況報告書、readme.txtと、色々と書きました。これをドキュメンテーションと言うそうです。
娯楽性の強い文章や学問的な文章は比較的書いていましたが、ビジネス文書は書く機会が少なかったので、プログラマーとしてというよりビジネスマンとして勉強になりました。
(4)Excelが上達した
UMLで設計図を書いたことは前にも述べましたが、その時に使ったのがExcelです。クラス設計やメソッド処理の流れも全てExcelで描きました。おかげでExcelで作図する能力が上がりました。
(5)新宿御苑の地理に少し詳しくなった
実習先の会社は新宿にあるのですが、最寄り駅は丸ノ内線の新宿御苑前駅です。たった1ヶ月でしたので池袋ほどではありませんが、45分の昼休み中にウロウロして花園神社にも行きました。迷子にもなりました。
(6)体調の異変
両膝を始めとして体中の関節が痛み、筋肉がパンパンに腫れ、歩くとふくらはぎの筋がこわばります。又、疲労が体に染み付いています。
他の皆さんもお疲れ気味で、中には「Javaはもういい!」と吐き捨てる人も。最低でも数日間の休養が必要だと思われます。
9月16日。修了式は日本エクス・クロン株式会社で行ないました。
終了証授与の際、社長(後藤徹也代表取締役)が出てきて数十分語ってくれました。
曰く、企業実習の課題は少しハードルの高いものをやらせてみようと考えて、入社2年目の社員が実際に作ったものを作らせた。新人諸君もここまではやらない。
だから、途中でやめる人がいるんじゃないかと思ったけれども、幸い脱落者は出なかった。これならソフト会社に行っても通用するんじゃないか。
他にも業界のことやドキュメンテーション(文書作成)の重要性などを語ってくれましたが、それは割愛。(※10)
あ、そうそう。履歴書には実習先の企業名(この場合は「日本エクス・クロン株式会社」)を書いてもいい、と専門学校の方が仰っていました。(※11)
まあ、いずれにせよ私は会社名も専門学校名も書くつもりでしたが、そう仰っていただけると心強い。
修了式が終わった後、私はその足で丸ノ内オアゾや秋葉原へ行きました。長きに渡る職業訓練でそういうところへ行きたくても行けず、たまっていたものがあったんでしょう。ちなみに、帰りに新宿西口でビッグイシュー第13号を買いました。
そして私は数日の間、2.企業実習(6)体調の異変を治すべく養生することにしました。(※12)
この時の私の心の声(正直に白状します!) |
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これから就職活動だって? 馬鹿言ってんじゃねーよ。疲れててやってらんねーよ。とにかく休ませろ。つーか休む。しばらく棚上げ。マーラよ、せかすな。 …それにしても就職活動のことを思うと気が重いな。 |
9月21日。私にはやることがいっぱいありました。ここではその顛末を書きます。
話しは少しさかのぼりますが、企業実習の末期、ヤングハローワークから一通の手紙が届きました。
それによると、私がヤングハローワークに登録していた内容(※13)をとある会社の人が見て、面接リクエストを出してきたとのこと。会社名は「サクラシステムサービス株式会社」(※14)です。
しかしながら、企業実習中はテンテコマイでとても手が回らず、何の手も打てずに放ったらかしていました。
さすがにそれはまずい。おまけにこのシステムもよくわからない。ということで、渋谷のヤングハローワークに通知を持って行きました。
> そこの就職相談コーナーで相談すること数十分。担当者が会社の人事担当者に電話してくれて、履歴書を送る段取りを付けてくださいました。担当者によると、確実に面接してくれるとのことです。
ということで、サクラシステムサービス株式会社に履歴書を送って面接します。「100社に履歴書を送って、その内の10社面接し、その内の1社から内定を貰う」と職業訓練で言われたことがありますが、私はそれを真に受けていますので、「ここで絶対に内定を取るぞ!」と必死の構えで意気込むつもりはありません。面接の勉強をしようと思います。
さて、ヤングハローワークを出たところで、スーツ姿の人に呼び止められました。毎日新聞の取材とのことで、名刺を渡されました。名刺には「毎日新聞社 編集局 経済部記者 上田宏明」とあります。
年金について色々訊かれました。あー、そういえば国民年金滞納してましたなあ。「どうせ3年後には国民年金と厚生年金は一元化されるんだろ」などと言っておきました。
この若い記者はノートに青ペンを走らせて私の発言をメモしていました。私の場合は講演などでルーズリーフに走り書きしていますが、こんなところで若人を呼び止めて色々と根掘り葉掘り尋ねるのは大変だなと思いました。
さて、次に私はそこから北上してハローワークへ行きました。というのは、職業訓練の修了手続きをとるためです。修了手続きといっても、書類を一枚提出するだけですが。
そんなこんなで色々あった一日でした。(これ以外にも自宅で色々と事務的作業をこなしました)
その日は暑かったせいもありますが、帰る途中から頭が痛く痛くて仕方がありませんでした。
さて、今後の展開ですが、とりあえず面接レポートをアップしたいと思います。お楽しみに!