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ヤングハローワークの
若年者プレ訓練講座
受講体験記
 平成16年2月6日(金)、プー太郎の私は渋谷のヤングハローワークで、この講座の受講を申し込みました。ちなみに受付番号は「1」でした。
 チラシによると、内容は大体以下のようなものです。

自分発見&採用担当者から見た応募と面接
自分発見 平成16年2月25日(水)13:30〜16:00
1.オリエンテーション
2.自己理解から始めよう!
3.職業適性検査(VPI)をしてみよう!
4.職業訓練の紹介
【担当】職業能力開発総合アドバイザー 中島正彦・佐々木勝男
採用担当者から見た応募と面接 平成16年2月26日(木)13:30〜16:30
1.「面接は第一印象で決まる」はウソ?!
2.面接官から見た、面接のポイント
3.心理テストできづく「あなたらしさ」
4.「自分を知ること」と適職の関係
5.ビジネス社会の「優れた能力」とは?
【講師】株式会社JMAMチェンジコンサルティング 小堀潤一氏

 今回、私はこの顛末をリポートしたいと思います。

2月25日 、私はグレーのスーツに赤いネクタイで、渋谷のヤングハローワークに行きました。少々早く来過ぎていたので、会場は4Fなのですが、5Fの求人検索フロアに潜り込んで、雑誌「SAPIO」を読みながら時間を潰しました。
 そして20分前に会場入り。受付では、自分の名前(安澤)が入ったネームプレートを頂きました。後で返すことになるのでしょうが、自分の名前を印刷していただいてちょっぴり嬉しいです。
 会場はちょっとしたオフィスフロアで、前面にはスクリーンが設置されており、又、映写機もあって、その映写機と右斜め前の講壇にあるノートパソコンがコードで繋がれております。パワーポイントでも使うのでしょうか。
 ともかくも私は最前列の一番右に座りました。最前列なのは「前からお掛けください」と指示されたからですが、一番右というのは先述の「SAPIO」と関係が…ないですね(このネタがわからなかったらゴメンナサイ)。ただ、いざ実際に座ってみて気付いたのですが、端というのは全体を見渡すことができる位置にあります。

―序―
 さて、13時30分になってセミナーの開始です。雇用能力開発センターの松本さんが序章として簡単な説明をしてくださいました。
 曰く、「わが国ではキャリアというとあまり関心がない。官僚のキャリアとノンキャリアぐらいのものと思っている。ところで、バブル崩壊からわが国の経済は一直線に下降している。今は一部の大企業が好調だが、全体的には下り坂である。フト気付くと、ここ10年で若年失業者が増えた。400万人が失業もしくはフリーターである。そこで国が省庁や外郭団体の垣根を超えて手を打ち始めた。その一環として、このセミナー開催があるのである。
 ここに来ている方々は立派である(←と言って、我々の自尊心をくすぐる)。問題なのはここに来ない人たちである(ヒキコモリのことか)。
 来年からデュアルシステム(※1)が導入される。それによって人材の力をつけ、会社の力をつけ、ひいては国力の増強を図ろうというものである。云々」と。

―キャリアについて―
 次に、同じく雇用能力開発センターの中嶋正彦さんの登壇です。中嶋さんは見たところ、初老の細身の小男です。
 最初に飯田橋の雇用・能力開発機構東京センターの簡単な紹介。このセンターのキャリア形成支援コーナーに、最近では中高年が多く訪れていて、「私は10年間営業をやってきたけど、(会社を放り出されてしまった今となっては)何もできない」などと言ってくるそうです。そこで、「10年間営業をやってきたんだから、その中から何かできることを掘り起こしましょう」とアドバイスするとか。
 さて、キャリアについて説明することにします。配布されたプリントを引用してみることにします。




キャリア(career)とは、一般に「経歴」・「経験」・「発展」さらには、「関連した職歴の連鎖」などと表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念とされる。


キャリア形成支援とは、関連した職務経験の積み重ね(連鎖)を通して職業能力を形成していくこと。

 この文章だけではわかりにくいかもしれませんが、ともかくも働いている間はキャリアが派生するものだと考えてください。
 昨今までは企業の終身雇用制の下、企業が個人個人の一生のキャリアを作ってくれていました。だから、個人はキャリアの問題を企業に丸投げしておいて、キャリアについて云々する必要はなかったのです。しかし、終身雇用制が崩れた今、企業はその人を定年まで面倒を見てくれるわけではなく(いつ倒産があるかわからない)、従って企業がその個人の一生のキャリアを作ってやれることはほぼ不可能になってしまったのです。そこで、これからは個人(つまり私たちですが)でキャリアを考え、個人で形成していかなければならなくなったのです。要は自分で何とかしろということですな。
 さて、そこで自分のキャリアについて考えてゆくわけですが(※2)、一度限りの職業人生ですから、仕事を選ぶのは簡単なようでなかなか難しいものです。又、「自分が何をやりたいか」ということも難しいのです。
 それではどうすればいいのかと申しますと、中嶋さんの話によれば、自分の人生を振り返ってみて、その中に進学や就職などの幾つかの決断があるはずです。それらの決断を下すには、自分なりの基準というものがあります。その基準があなたの価値観なのです、とのこと。
 ちなみに私(泉獺)の場合、大学では文学部日本文学科を選んだわけですが、その理由は「国語の成績が良かったから、これなら入れるだろう」というものです。現状の分析こそすれ、就職のことなんざまるで考えていませんでした。将来を見据えない、半ば行き当たりばったり…それが私の価値観でしょうか。
 尚、キャリアについて考える際は、あまり思い詰めないで下さい。「これしかない!」と思うのは選択の範囲を狭めますので、そうではなく、柔軟性を持って考えてください。又、向いている仕事イコールやりたい仕事とは限らない。何が向いているかは実際にやってみないとわからない。若年期は方向転換が容易(世間のしがらみが少ない)だから色んなことをやっても大丈夫。若年期は基本的なキャリアを積む大事な期間であり、若年期を過ぎた時のキャリアについても考えておいて欲しい、云々と。
 最後に、セミナーの途中で書かされたワークシートを紹介します。
<自己理解のために>
(1)あなたの仕事に対する価値観はどんなことですか?
(※なぜあなたは働こうというのか? 「社会に貢献するため」などと大上段に構えなくとも良い。「周囲がうるさいから」でも良い。)
1.両親からの就労圧力の解消
 「就職しろ」という圧力を感じております。心苦しいです。
2.将来必要な収入の確保
 今はパラサイトシングルで食べておりますが、「いつまでもあると思うな親と金」であります。
3.労働をしたという事実による満足感
 スペイン民謡「ガリシア踊り(A moda gallega)」には、「仕事が終われば乙女らは楽しい 日毎の物憂き務めが済めば 夜毎は嬉しい踊りと歌に」(徳永政太郎訳詞)とありますが、そんな感じです。
4.他の問題から逃避する手段
 仕事を理由に育児をお母さんに任せきりにしているお父さん、のようなものです。まあ、私にはまだ子供はいませんし、育児を任せきりにするつもりも毛頭ありませんが、色々と問題を抱えております。それは…秘密です。
5.世間からの肯定的な評価
 そりゃあもう、プー太郎より労働者の方が社会的地位が高いのはいうまでもありません。

―VPI職業興味検査―
 次に、VPI(※3)というテストを受けました。これは適正を考える上での一つの要素である「興味」を内面から測るもので、アメリカで作られました。ちなみに、アメリカでそのテストがなされてから10年後に追跡調査をしたところ、80〜90%の人が、テストで示された職業群で働いていたということです。
 さて、テストの中身は、直感でサクサクと答えて行ける簡単なものでした。即ち、160の職業に対して興味があるかないかをイエス・ノー形式で答えてゆくものです(※4)。この時注意すべきなのは、自分の現在の能力を考慮に入れないで、ただ純粋に興味があるかないかで判断すればいいのです。例えば、「サッカー選手は面白そうだけど、オレ運動音痴だからなあ…」と思ったとしても、イエスにチェックするのです。
 で、その後で集計&変換作業がありますがそれは省略。
 私の採点結果は以下の通りです。

興味領域尺度R:65I:96A:98S:68E:55C:90
傾向尺度Co:64Mf:68St:38Inf:98Ac:93

 これだけですと何が何やらサッパリわかりませんので、かいつまんで説明します(※5)。興味領域尺度とは「興味を持っている職業の分野」(パンフレット)で、私が高い数値を示したIは研究や調査に関する分野、Aは芸術・創造に関する分野、Cは定まった習慣や規則に従って行動する分野の仕事に興味があるということです。AとIは隣接し合った分野であり、関連性は高いのですが、AとCは対極に位置するため、相反する興味を持っているということであり、これには職業例がないということになります。そんなわけで、上位3位のA・I・Cの組み合わせに合致する職業というのはありませんでした。
 次に傾向尺度とは、「職業の好みに反映された興味以外の心理的諸傾向」(同上)のことで、要は先述の興味領域尺度では計測しきれないその他もろもろです。
 中の上の数値を示したCoは「よく考えて行動するか」、Mfは「男性的な職業に興味があるか」を意味していて、私の場合、平均以上によく考えた上で行動している(※6)ということであり、又、比較的男性的な好みがある(※7)ということでしょう。
 又、低い数値を示したStは、地位や権力に対する関心、即ち野心を測るものですが、私の場合、少々の色気はあるにしても、野心はさほどないということです(※8)。これは良く言えば、金の亡者に憑かれることなく、権力の魔物に魅入られることもない清風の士ですが、悪く言えば向上心がない、上昇志向がない、ということでありましょうか。まあ、私は大富豪になるつもりも、権勢家になるつもりもありませんからな。
 逆に高い数値を示したInfは、職業に対する見方のユニークさを示すもので、私の場合、職業に対して独特のモノの見方をしていると言えます。それも極端に(※9)。尤も、悪く言えばとんでもなく非常識なんですがね。普通、一番に「両親からの就労圧力の解消」なんてことは書きませんからね。
 又、同じく高い数値を示したAcは、どのくらい多くの職業に関心を示したかを表わすもので、これが高い私の場合、多くの職業に関心があることを示しています。これは良く言えば狭い領域にとらわれていない、広い関心の持ち主であり、逆に悪く言えば絞り切れていないということです。(※10)
 さて、VPIテストはこれで終わりです。その際、こんなことを言われました。
「家に帰ったらこのテストの用紙をゴミ箱に入れる人がいますが、そんなことはしないで下さい。テストの分析結果を自宅でよく分析してください。」
 ハイ、分析しました。それは上記の通りです。

 その後、委託訓練やキャリアカレッジの説明をサクサクッと受けました。
 最後にアンケート用紙にアンケートの答えを記入し、ネームプレートと一緒に受付に提出して帰りました。

※1.デュアルシステムとは、働きながら勉強してスキルアップしてそれを仕事に活かして行こうという制度である。わかりやすい例を挙げれば、サラリーマンが夜間の英会話学校に通うようなものである。
※2.自分のキャリアについて考えるのは、人生の節目にいる時である、とも仰っていました。つまり、私にとっては今が人生の節目なのです。…随分長い節目だな。
※3.Vocational Preference Inventory.直訳すると「職業に関する好み目録」となる。原著者:J.L.Holland 発売者:社団法人雇用問題研究会
※4.私の場合、160の内、わからなかったのは「臨床検査技師」のみであったが、説明をしてくださった方の話によると、極端な例で一つしか職業がわからなかったという猛者がいたとか。160もあるのに1つしか知らない!? …信じられません。
※5.詳しく知りたい場合は、自分で調べてください。社団法人雇用問題研究会(電話:03-5695-0780)に問い合わせしてみるといいかもしれません。
※6.例えばこの文章を書くにしても、頭の中で文章を練りながらルーズリーフに下書き・推敲をし、更にパソコン入力する際にも推敲を重ねています。
※7.私は体格がいいから、やや力があり、そのために家では重い物を運搬する役割を担っています。過日は母に言われて食器の入った段ボール箱や電子レンジを動かしました。
※8.自分のホームページのトップに(吾れ唯だ足るを知る)と掲げていることからも、むべなるかなと思います。意味・由来を知りたい方はこちら
※9.その証拠は、先述したワークシート(1)の回答じゃないでしょうか。「就労圧力」なんて私の造語だし、スペイン民謡の歌詞を引用して説明するなんて「著作権切れmidi」を扱っている私ならではのことだと思います。
※10.以上の分析で「良く言えば」と「悪く言えば」と述べたのは、一つの物事には良い面と悪い面とがカードの裏表のように併存しているとの考えに立脚しているからです。これは心理学の分析では初歩的な常識ですぞ。
※11.尚、私はアンケートに真面目に答えていたせいか、全参加者中、一番最後の退室となってしまった。いやはや…。


         /■\
        (´∀`∩)
        (つ  丿
         ( ヽノ
         し(_)
            
      Now Onigiring...

しばらくおにぎりでおくつろぎください。


2月26日 、今回は13時に一番乗りを果たし、最前列の中央左側に座りました。ここだとホワイトボードなどがよく見えます。ちなみに前日と違うのは、席が増えていることと、映写機とスクリーン(※1)がないことです。そのかわりホワイトボードが正面中央に陣取っています。
 そして結局、昨日(18名)より約2倍の35名が参加しました。

講師
 今回の講師は小堀潤一さんです。小堀さんは、株式会社JMAMチェンジコンサルティングで採用&社員教育の担当者で、このたびは採用する側の人間として面接のあれこれを語ってくれることになっております。
 尚、外見は梨元勝(芸能リポーター)と河野洋平(衆議院議長)を足して2で割ったような感じです。従って、以下の数式が成立します。(※2)

(梨元勝+河野洋平)÷2→小堀潤一

―自己紹介―
 最初に小堀さんの自己紹介がありました。
 小堀氏曰く、私の趣味は磯釣りで、式根島の10畳くらいの磯で31時間釣りをしたのだが、熱くてフライパンの上の目玉焼きのようだった、云々と。(※3)
 実はこの自己紹介、面接で有効なテクニックを駆使したものだったのです。そのテクニックとは、具体語で話すということです。
 具体語とは、「素晴らしい」「協調性がある」「ハッピー」「うざい」などの抽象的な言葉ではなく、「初冠雪の富士山」「B4上質紙」「9・11テロ」「200万人餓死」など、数字や固有名詞、あるいは言われてすぐに視覚的にイメージできるような言葉です。
 それではもう一度、氏の発言を御覧あれ。尚、発言内の具体語は太字で表記しました。

 小堀氏曰く、私の趣味は磯釣りで、式根島10畳くらいの磯31時間釣りをしたのだが、熱くてフライパンの上の目玉焼きのようだった、云々と。

 ではなぜ、こんな話し方をするのかといいますと、耳ざわりのいい抽象語で話すよりも、具体語で話した方が相手(面接官)の記憶に残るからです。ですから、面接では具体語で話すように心がけましょう。その時、相手に嫌われたって構いません。別にゴマスリに来たわけではないのですから。忘れられるよりも、嫌われてでもいいから憶えてもらった方が得なのです。(※4)

 そもそも、自己紹介というものは100%聞かれます。面接で色々と質問されますが、自己紹介に関しては殆ど同じパターンです。ストレートに「それでは自己紹介をしてください」と言われることもあります。ですから、なるべく具体的な話(エピソード・今までに経験したこと)を準備しておきましょう。
 又、たとえ趣味について話す場合でも、強引でもいいからどこかに仕事と結び付けておくように。
 例えば私の場合、趣味の一つとして「著作権切れ楽曲のmidi化」があります。これの成果についてはコチラを参照していただくとして、これに要する技能・経験等が多く挙げられます。各地の図書館を巡って楽譜を収集、データ入力に要するパソコン操作技術と辛抱強くやり遂げる根性、クラシック・民謡・その他・ゲーム用に分類する判断力、ポータルサイト登録などの宣伝、著作権法に関する知識、要望に応対する交渉力、などなど。これだけあれば、どんな仕事でもどれか一つは結びつくはずです。

―噂の真相―
 就職にまつわる噂話で、「男は黙ってサッポロビール」(※5)などがあり、まことしやかに語られていますが、実際のところは、
      ,一-、
     / ̄ l |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ■■-っ < んなーこたーない
    ´∀`/    \__________
   __/|Y/\.
 Ё|__ | /  |
     | У..  |
 ということです。
 これらの噂話は、実際に起こった出来事かもしれませんが、採用にいたったのはそれ以外の功績によるものであって、採用担当者に言わせれば、そんなことだけで採用はしないとのこと。当然と言えば当然の話ですが、そもそもなぜこういった話がまことしやかに語られるかというと、
(1)面接で採用の可否となる基準が公開されておらず不明確。
(2)就職活動中は不安に陥りやすく、藁にもすがりたい思いが強い。
(3)話自体が面白くて興味を引く。
 などの要素があるからだと思われます。
 ですから、このテの噂話を聞いたら、2ちゃんねるでいうところのネタ(作り話)程度に受け止めておいて、「よっしゃ、俺もやってみるぞ!」などと思わないように。良い子のみんなは真似しないでね。

志望動機
 次に、自己紹介と同様に必ず訊かれるのが志望動機です。志望動機では、「何がやりたいか」が問われます。
 それでは実際に小堀さんが体験したケースを二つ紹介します。

小堀「なぜウチを選んだのですか?」
Aさん通勤するのにちょうど良い距離にあるのでここを選びました。以前これと同じ職業でしたのでその経験を活かしたいと思います。又、39(歳)にもなりましたのでそろそろ定職に就こうかと…
Bさん私は○○が好きなので、○○をやりたいと思います。今までにも同業他社を色々と受けましたが、採用には至っていません。

 この場合、採用されるのはBさんです。Aさんが言っている通勤距離や年齢は、Aさん自身の都合であって、志望動機ではないからです。…それにしてもBさんの志望動機イイ! 使える! 尚、これに具体的なエピソードを付加するのも忘れずに。

面接で言うべきこと
 ちなみに小堀さんはこう断言します。自己紹介と志望動機の二つを言えれば面接は合格します。会社が訊きたいのはこの二つだけだからです。ただ、普通はなかなか言えない(※6)もので、だからこそこの二つが言えれば合格するのだ、と。

会社の覚悟
 我々応募する側にとって、就職する時は、「とりあえずエントリーしちゃえー」といった感覚で何社にも申し込むのが当たり前ですが、会社(採用側)はそんな軽い気持ちではないのです。
 例えばJMAMチェンジコンサルティングの場合、募集広告だけでこれだけの費用(年間)を払うそうです。

パート・アルバイト無料の配布誌20万円
折り込み広告15万円
社員インターネット60〜100万円
雑誌広告20万円
合同企業説明会60〜150万円
新聞広告50万円

 パート・アルバイトにもそこそこお金をかけておりますが、社員募集の場合はもっとお金をかけています。ちなみにこの会社、毎年3人の社員を募集しているとのことで(※7)、ぶっちゃけ、3人のためだけに300万円くらいの広告費用をかけているのです(※8)。
 又、小堀さんの計算によると、サラリーマンの生涯賃金は約2億円だそうで、会社が一人の社員を採用する時はそれだけの高い買い物をするということなのです。普通、個人でも車や家などの高い買い物をする際は長い時間をかけて慎重の上にも慎重を重ねて選択判断しますが、これは会社とて同じ、いやそれ以上なのです。
 ですから、採用する側にしてみれば、とりあえずという軽い気持ちで来られては困るのです。応募の際には相応の準備をしてから来て欲しいとのことです。

面接では第一印象では決まらない
 就職本にはよくこんなことが書かれています。「面接は第一印象で決まる」と。
 又、こんな噂も飛び交っています。「面接会場の入り口から、着席の仕方、服装・髪型などから受ける第一印象でほぼ決まってしまう」と。
 小堀さんに言わせると、「そんなことはありません」とのこと。採用担当者にしてみれば、待っている姿だけでその人のパーソナリティがわかるわけがないのです(※9)。もしわかったとしたら、長々と面接に時間を割くわけがないのです。
 では第一印象はそれほど重要ではないかというと、そうでもないのです。
 小堀さんによると、第一印象(初頭効果)は確かに重要なファクター(要素)であるが、服装や髪型などから第一印象を受けるわけではないのです(※10)。では、面接官はどこを見るのでしょうか。
 実は、面接官は表情・態度・話し方・顔つきを見ているのです。そしてそこからその人の性格を自分の頭の中でイメージします。
(この人とは仲良くなれそうだ)
(この人はリーダーシップがありそうだ)
(この人は常識がなさそうだ)
(この人はキツイ性格をしていそうだ)
などなど。
 それから、そのイメージを確かめるべく、質問を重ねます。例えば、「リーダーシップがありそう」と思ったとしたら、この人は本当にリーダーシップがあるのかどうかを確かめるのです。質問して、もしイメージどおりの答えが返ってきたらそのイメージを補強し、もし自分のイメージと違った答えが出てきたら、どういうことか納得するまで更に突っ込んで尋ねてイメージを修正してゆきます。そうやって面接官はその人のパーソナリティを探ってゆくのです。
 それではなぜ、面接官は表情・態度・話し方・顔つきに注目するのでしょうか。
 そもそも、着席の仕方や服装・髪型などは、事前に準備練習すればどうにかなるものなのです。それにひきかえ、表情・態度・話し方・顔つきというものは、普段の自分が現われるものなので、急に変えようとしても変えられないのです。
 顔つきは長年の行動によって徐々に作られてきたものなので、その人の生活状況・性格・精神状態が現れやすいのです。鬱の人は鬱の顔をしているといいます。私の場合は老け顔なのですが、これはラジオ「おはよう中年探偵団」を聴いていることと符合しています。
 話し方や態度は日常の癖に近いということです。例えば敬語を普段から使い慣れていないと、いざ面接の時はぎこちない敬語を発することになります。私の場合は敬語の使い方が少なくとも同世代の平均より上なのですが、これは普段、家族にも敬語を使うことが多いのと軌を一にしています。(※11)

心の悪循環
 小堀さんが中高年の再就職を支援していて強く感じることがあります。

1.面接に通らない・失業期間が長引く
2.働く意欲を失う
 投げ槍になって、「もうどうでもいい」といった諦めの境地に入る。
3.仕事への無関心状態
 なんとなくテレビの前にいる、パチンコ屋に開店前から並ぶなど。
4.漠然とした不安
 本当に就職できるのかといった不安に支配され、具体的な思考や行動ができなくなり、次の行動に結びつかなくなる。
5.漫然と過ごす日々
 毎日が日曜日である。寝たい時に寝て、起きたい時に起きる。そんなこんなで夜型の生活に陥る。
6.問題先送り
 「何とかなる」という根拠不明の希望的観測にしがみついて数ヶ月…。又、失業手当が出ているうちはゆっくりしたいという甘えも。
7.「心の空白」状態
 これが態度・表情・顔付きに出てくる。面接官はこれを見抜いてこの人を落とす。
(1へ戻る)

 この悪循環に陥らないように用心しなければなりませんし、もしこれに足を踏み入れてしまったら、どこかでこれを断ち切らなければいけません。
 ではどうすればいいのかと言われると具体策がちょっと思い当たらないのですが、ともかくも解決の第一歩はこの悪循環のメカニズムを知っておくことでしょう。

新卒採用と中途採用
 両者の違いを一覧表に簡単にまとめて見ました。

新卒中途
面接(※12)
幼稚園の入園面接司法試験の口述試験
就○配属先も決まっていないので、会社で選ぶ「就社入社したらすぐに活躍できる即戦力が求められるから、仕事で選ぶ「就職
自己紹介今まで何をしてきたか(人柄を見る)何ができるか(技能を見る)

―エゴグラム―
 最後に、エゴグラムという心理テストを受けました。先日の段で紹介したVPIテストと同様、自分の性格を発見するものです。結論から言うと、わたしの結果は以下の通りです。(※13)
解説
Cp 社会的規範やルールを守る。
Np 思いやり・包容力。
A  心のコントロールタワー。
Fc 自由な子供。
Ac 協調性・依存心。
 このテストの結果から、いくつかの特徴を述べてみることにします。
 Cp値が低いために規範を守らなくなったり生活がルーズになったりする危険性があるのですが、Aがコントロールしてくれているので、ちゃんとした生活を曲がりなりにも送ることができます。例えば、私はプー太郎なので毎日が日曜日であり、下手すると夜型の生活に陥りかねませんが、私の場合、朝六時に起きてラジオ「おはよう中年探偵団」(※14)を聴いて、生活のリズムを維持しています。
 Npが低いということは、思いやりに欠けるということでしょうか。そういえば私は卒業式で泣いたことがありませんが、それと関係があるのかもしれません。又、メールや掲示板で返事を書くとき、恐ろしく事務的で冷たい感じの文章になってしまいます。「がんばってください」「応援しています」などという暖かいメッセージを添えていない(何と不人情な!)ことは自分でも重々承知しております。これは悪く言えば「感情がない」「冷たい」ということになりますし、良く言えば「冷静」「理知的」ということになります。
 Fcが極端に低いのは、良く言えば「大人びている」、悪く言えば「のびのびとしておらず萎縮している」ということです。確かに私は同年代の平均より老けていますし(※15)、元気がないです(※16)。
 Acが極端に高いと、「つまらないことに遠慮する」そうです。そういえば、寿司屋で注文する時にも臆していたことは否めません。これがうまく働けば、上手に相手を思いやる(=Np値も上昇する)ようになるのでしょうか。

 さて、長々と自己分析をしてきましたが、これをどう役立てるのでしょうか。
1.自分のパーソナリティ特性を良く知る。(※17)
2.面接時の長所・短所に活かす。(※18)
3.自分の良い特性を面接でアピールする。(※19)
 これは前日の項目で述べたVPIについても言えます。

―結び―
 さて、今回の記事はこれで終わりです。皆さんは読んでみていかがだったでしょうか? 私の自己分析にうんざりしなかったでしょうか?
 ちなみに私はワークシート記入を含めて自己分析がかなりできました(※20)。中嶋正彦さん、佐々木勝男さん、小堀潤一さん、他多数の皆様ありがとうございました。
(次回へ続く)

※1.書き忘れましたが、これらは前日のVPI検査の説明の際に使われました。ソフトはパワーポイント。
※2.これは単なるジョークなので本気にしないように。
※3.記憶とメモをもとに再現しているので、枝葉末節に誤りがあるかもしれませんが、その場合はご容赦ください。ともかくも、言わんとするところがわかればいいのです(←開き直り)。
※4.「嫌われたら採用されねーじゃんか」と思うかもしれませんが、小堀氏によると、面接官が思い直して嫌いから好きになることがあるとか。忘れられてしまったら、そんなこともありませんからね。
※5.サッポロの面接で、ある男が一切しゃべらなかった。男は帰り際、「男は黙ってサッポロビール」と言って去った。これは当時のサッポロビールのキャッチコピーで、面接官に大受けして、採用に至ったという。尚、この話はキリンビールバージョンなどの亜種もある。
※6.自己紹介は「自分が何者なのか」がわからないと言えませんし、志望動機は「自分は何をしたいのか」がわからなければ言えません。なかなかわからないものなんです。
※7.ちなみにエントリーは3000人。実際に採用試験にいたるのは300人とか。すごい倍率だ。
※8.これに会社説明会や面接にかかる諸経費を加算すれば、更に膨れ上がる。又、人事担当者の人件費も馬鹿にはならない。おまけに役員面接と来た日にはもう…。
※9.もしわかったら、その人は神の眼を持つ超人である。もしわかると言う人がいたら、それは狂人か驕慢な人か、本物の超人である。いずれにしろマトモな人ではありません。はっきり言って、こんな人と一緒に仕事をしたくはありません。
※10.まあ、金髪やリーゼント、小汚い格好で来たら、その第一印象でアウトになるんでしょう。尤も、これを読んでいる諸氏の中にそんな愚行を敢行する馬鹿野郎はおりますまい。
※11.ではどうすれいいのかと言いますと、普段の生活習慣を改善することから始めましょう。それから面接の際は視線を合わせる(熱意をアピール)&笑顔で話す(好印象)ことを心がけましょう。
※12.大げさに言うとこのぐらい難易度が違うそうな。
※13.実は筆者は中学時代にエゴグラムのテストを受けており、その結果はW字になった。つまり、Cp値が低下したのである。これは当時と較べて社会的規範を守らなくなった事を意味する。尚、エゴグラムは高い数値を出したからといって、必ずしも良いわけではない。逆もまた然り。過ぎたるはなお及ばざるが如し。
※14.これは月〜金放送。土曜日はポンキッキを観ることにしている。尚、中年探偵団は3月で終わり。私は森永卓郎が担当する後継番組を楽しみにしている。
※15.23歳にして「おはよう中年探偵団」を聴いていることからもそれがわかろうかと。
※16.集中力はあるんですが…。この文章だって、一気呵成に書き上げるほどの気力もない。
※17.『孫子』に曰く、「彼を知り己を知れば百戦して殆(あやう)からず」(謀攻篇)と。え? 意味がわからないって? …漢文の先生に訊きなさい。まあ、こんなところにもNp値の低さが表われていますな。
※18.面接の際、「あなたの長所(短所)は何ですか?」と訊かれることがある。だから、このテの質問に対しては想定問答を具体的に用意しておくこと。
 ちなみに私の長所は、「泉獺の神々の辞典」を執筆する(あるいはカードワースシナリオを30本以上世に送り出す)ほど文章力に長けていることです。
 一方、私の短所は冷淡で温かみにかけることです。例えば、私は雑誌「ビッグ・イシュー」を愛読しておりますが、ホームレスを支援する気持ちはなく(結果的には支援していることになっているのですが)、ただ単に面白いと感じているから購読しているのです。
※19.長所をアピールするのは勿論ですが、短所を言わねばならない時には、「短所を転じて長所となす」の術を使うこと。例えば私の場合、人情味に欠けていますが、これは逆に言えば冷静に物事を分析できる(プー太郎という風当たりの強い身にもかかわらず、この文章を堂々と執筆している!)ということなのです。
※20.それでもまだまだですが。尚、ワークシートの大部分は未発表とさせていただきます。

著・泉獺(H16.3/9)
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