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筆者の双眼鏡遍歴
双眼鏡転落人生の顛末

 こんなホームページを作りはじめて もうすぐ1年になろうとしています。
 私が双眼鏡をはじめて手にしたのは 5年前のことですから、キャリアはまだまだ駆け出しといった所でしょうか。
 私自身は 鳥見人でも天文愛好家でもなく ただの双眼鏡愛好家で、「面白そうだから」という理由だけで双眼鏡を買い、今ではつられて星や鳥を探し回るようになってしまいました。

 双眼鏡にハマって、こんなホームページを作ってしまうようになるまでを、簡単に振り返らせてください。

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    潜伏期   何でこんな物を買ったのか

 私が初めて双眼鏡を手にしたのは5年前、茨城の地方都市に住んでいた頃のことです。
 何気なく立ち寄ったホームセンターで、ショーケースに並んだ双眼鏡を目にしたのがきっかけです。
 ニコン・ペンタックス・キャノンといったブランドの製品が所狭しと並べられていました。
 それまで双眼鏡というとディスカウントストアで売られる小型の物しか知りませんでしたから、カメラメーカーが双眼鏡を売っているということ自体が初耳でした。

 まだ勤め始めたばかりの時期でしたから、一眼レフの世界に踏み込むだけの余裕はありませんでしたが、双眼鏡なら一流ブランド品が手に入りそうです。
 子供時代に鉄道写真に熱中していた影響でしょうか、光学機器が好きな上に この手のブランドに憧れていたのです。

 そんな状態で双眼鏡を選ぼうというのですから、基礎知識は全くなし。
 この時、候補に上がったのはニコン「クリモ8X40」とオリンパス「DSP8X40」の2台でした。
 ニコンが約2万円でオリンパスが7千円位だったとおもいます。

 多少カメラをかじった悪い癖で 「レンズの口径が大きいほど高性能」と思っていましたから、迷わず倍率が低く対物レンズが大きい物を選びました。
 このお店では「7X50」が無かったのですが、ディスカウント店の双眼鏡しか知らない身では8X40や7X35でもすごいと思えたのです。
 今思えば地方の店でありながら、中型のポロ双眼鏡がケースで一つ揃っていたのは驚異的なことだったんでしょうが。

 結局、双眼鏡の品質に無理解だった私は ニコンの双眼鏡のほうが視野も狭いのに値段が高いのが理解できずにオリンパスの双眼鏡を選んだのでした。
 試しに外を見てみるなど思いつきもしなかったのは言うまでもありません。


    発病期  なんて楽しい双眼鏡

 そんな訳で手に入れた双眼鏡ですが、今思えば、あまり高性能とはいえない品だったようです。
 BK7プリズム・短いアイレリーフ・甘いコーティングと足を引っ張る要素が盛りだくさん、その上見かけ視野が65度という無茶な設計ですから、今なら間違いなく落第双眼鏡かと思います。

 が それでも 当時はあまりに良く見えるので ちょっと感動すらしていました。
 峠道から眼下の町並みを見下ろしたときの素晴らしさ、低倍率ながら港の船までがくっきり見えたのを思い出します。
 このときに「双眼鏡病」が発症してしまったんですね。

 その後はキャンプ・旅行・スポーツ観戦は勿論、その辺のお散歩にもこのオリンパスを持ち歩くようになります。
 カメラと違って写真は残りませんが、双眼鏡はその場を重層的に楽しめるのが魅力的でした。
 ある写真家が「カメラは自分にとってのレーダーだ」と言っていましたが、私にとっては双眼鏡が好奇心の「レーダー」になったのでしょう。
 さすがに人目は気になりますから、街中で双眼鏡を振り回すことはしませんでしたが。

 結局、このオリンパスの双眼鏡は4年間我が家唯一の双眼鏡として重労働に耐えてきました。
 思う存分使うことが出来のは、手ごろな大きさで安価だったからでしょう。
 それでも、手放すときにも光軸ズレなどは無く、性能は置いても耐久性は高かったと思います。

 今はありませんが、性能面はともかく 私に双眼鏡の楽しさを教えてくれた忘れられない1台です。
 無理のない倍率が良かったのでしょう。


    進行初期  大きいことは良いことだ

 とはいっても、オリンパスの双眼鏡は使い込んでいるうちに あちこちに不満が出てきました。
 昼間では十分な性能があると思っていたのですが、夜は暗く 星を楽しむには不十分です。
 本当は小口径が原因ではなく、コーティングの悪さが足を引っ張っていたんでしょうが、だんだんと大口径の双眼鏡が欲しくなってきました。

 また、防水機でないため雨のキャンプや登山ではそれなりに気を使いましたから、「出来れば防水双眼鏡が良いな」と贅沢になってきます。
 が、「7X50の防水双眼鏡」なんて、各社の最高級機ですから簡単には手が出せません。

 そんな矢先にある光学関係のサイトでアウトレット品を見つけてしまいます。
 7X50の窒素ガス封入防水双眼鏡でIF方式。
 シングルコートでしたが、このときはあまり気にしませんでしたし、何より価格が魅力的でした。
 もう、すぐに注文メールを書いてしまいました。

 来たのは本当に無骨な双眼鏡。
 「いかにも軍用」なデザインです。

 見えは8X40に慣れた目には、驚異的な明るさでした。
 解像力もオリンパスより高く、遠くの看板の文字の識別などは大きな差があります。

 夜空を見上げると肉眼の数倍は星が見えます。
 ここまで口径の大きさで見えに差が出るとは思っていませんでしたから、「こいつを相棒にしていこう」と思ったものです。
 前のオリンパスが約4年使っていましたから、これも同じくらいは使うものと思っていました。


    進行中期  Small is Beautiful!

 が、蜜月はそう長く続きませんでした。
 購入から たったの1週間後 日光への家族旅行で、腰の高さからアスファルトの上にそいつを落としてしまったんです。

 双眼鏡の光軸がいかに脆いかは聞いていましたが、油断していたら このザマです。
 一発で光軸が上下にずれてしまいました。 本当にビルのアンテナが2本に見えるのです。

 結局、その双眼鏡は工場へ逆戻り。
 無事 修理されて戻ってくるのですが、手元に双眼鏡がなくなるのがちょっと心配。
 で、早速注文しました、おんなじ双眼鏡をもう一つ。

 この頃からこのホームページを作り始めていましたし、見る物も旅先の風景から、散歩先の鳥・庭からの星に広がり、今では鳥見旅行をするまでになってしまいました。
 順番は逆ですが、正当な双眼鏡使いになりつつあるのでしょうか。 熟年の方が「カメラ趣味が昂じて山歩きや撮影旅行をはじめる」なんて聞きますが 同じ状態になってきたようです。

 双眼鏡の方もお買い得の製品を求めてドンドン増えつづけてきました。
 軽い双眼鏡を求めて7X50ZCFを、小型双眼鏡を求めてタンクローとニコンのポケットダハを、オマケに実験用のジャンク品までストックし始めるありさまです。

 この時期は安価な双眼鏡を中心に手を出していたのですが、家族の評判もだんだんと悪くなってきて・・・


    進行末期  もっと光を!

 双眼鏡はかなりの数を手にしてきたはずなのですが、まだまだ欲しい物ばかりが増えてきます。
 ホームページも軌道に乗り、マニアックな話題に花が咲くようになってきました。

 双眼鏡も目が肥えてくると ドンドンろくでもない方向にいってしまいます。
 ニコン18X70IF、キャノン10X30ISなんて国産高級機にまで手を出すようになってしまいました。
 それは今までの双眼鏡とは倍以上の価格差があります。
 が、確かに性能は かなり向上していますし、双眼鏡の味ってやつが ちょっと分かってきたような気になります。

 悪いことに、まだこれだけで終わりません。
 OFF会なんて物を開くようになると、昔は手が出せない物だと思っていた舶来ブランド品まで欲しくなってしまいます。
 OFF会常連の方からスワロフスキーを譲っていただいてからは、物欲は大きくなるばかり。

 遂には、ここまでの双眼鏡をそろえることになってしまいました。
 一体、何のために これだけあるというのでしょう。
 収集癖は、ある一線を超えると手段が目的になってしまうといいますが・・・・


 

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