remove
powerd by nog twitter

我が家の双眼鏡 2001

 このサイトを作り始めて早くも半年になろうとしています。

 あれやこれやと買っていくうちに、いつの間にやら、大型機から小型機まで隙無くそろってしまいました。
 この台数になると、なんに使うのか不思議がられますが、使い道によって快適な双眼鏡が違うのでこの台数になってしまいます。
 いろいろ使っていると向き不向きがあって面白いものです。

ホームへ戻る
「我が家の双眼鏡」入り口へ


     ニコン 18X70 IF・WP・WF

公表スペック

実視野:4度 アイレリーフ:15.4mm 重さ:2050g
ポロプリズム・IF型 窒素ガス封入防水

 星を見る機会が増えてきて、50mmでは物足りなくなった時に購入した双眼鏡です。
 ニコンの最高級機ですから気軽に買える価格ではないのですが、「一生モノ」と言い聞かせて勝手に注文しました。その後、家族に波紋を巻き起こし、今でも何かあると妻にチクチク嫌味を言われる代物です。
 確かに、いきなり¥6桁の着払い宅配便が届けば誰でも驚く?

 見え味は文句無しの双眼鏡で、高い倍率に物をいわせて7X50では区別のつかなかったM天体を見せてくれました。月面・惑星も楽しい双眼鏡で、木星の縞1本や土星の輪まで分離可能で、「望遠鏡と双眼鏡の掛け橋」との言葉がぴったりの存在です。

 視野はほとんどフラットでコントラストも抜群。月の周りへの着色も皆無です。「双眼鏡クラブ」で指摘されているフレアやゴーストも、私の見た限りは、どこにあるのか分かりません。
 もっとも見かけ視野が72度もありますから、視野の最周辺部(辺縁1/8程度?)では星像の歪みが出てきてしまっています。
 個人的には、歪みを見ようと思って意図的に眺めない限り気が付くことの無いかと思うのですが、この双眼鏡が「SP」の名を冠されないのはこれが原因なのでしょう。海外のサイトではフジノン16X70FMT−SXとの比較記事が公開されていますが、周辺像を気にされる方も多いのでしょうか、私は見掛視界の広さのほうが優先されるのですが。

 使い勝手は2Kgの双眼鏡なりで、手持での使用は極短時間のみ。しっかりした三脚と雲台が必要です。
 天頂付近はそれなりに厳しいのですが、長い一脚を使うと使い勝手は格段に改善します。
 昼間、ドライブのお供に使うにも楽しい双眼鏡です。

 これだけの双眼鏡に文句があるとすれば、標準では角型の見口しか付属しないことでしょうか。
 眼鏡を掛けたまま覗くには別売のゴム見口が必要になります。3百円位の物なのですから、SPシリーズと同じく標準付属にして欲しいものです。

 この双眼鏡一台で入門用反射赤道儀が買えるお値段ですが、ニコンの最高級ポロ双眼鏡がこのお値段で手に入るのは日本だけです。買って半年になろうとしていますが、性能には全く不満は無く、しばらく夜のお供を勤めてくれることでしょう。


     スワロフスキー HABICHT 8X56 SL

 

推定スペック

見かけ視野:約50度 アイレリーフ:長い 重さ:重い
ポロプリズム?・CF型 窒素ガス封入防水

 掲示板常連の「けろよん」さんより譲っていただいた双眼鏡です。
 我が家初の舶来双眼鏡に、こんな高級機が来てしまうとは思っても見ませんでした。
 旧型機なので詳細な資料が無いのですが、見掛視界は50数度・アリレリーフ18mm位・重さは約1.5kgといった所でしょうか。

 見えは一目見ただけで分かる切れ味で、掲示板で話題が出るように、ヌケのよさは際立っています。
 月齢3の月の新月部分がくっきりと見えてきます。 このメーカーが独自の愛好者を集めていることに納得してしまいました。
 星空で注意深く眺めると、飛び抜けてコントラストが高くフラットなのは視野の中央3分の2で、そこから外方へは緩やかに点像が甘くなり、最辺縁部は歪みが大きくなります。
 歪曲・湾曲ともそれなりに出ていて、スワロフスキーの双眼鏡は辺縁に癖があると言われるのが分かるのですが、中心部の像が全てを忘れさせてくれます。
 ニコンの双眼鏡とは対極の存在と言えるのでしょうか。星見にも楽しい双眼鏡ですが、主眼の用途は狩猟用や監視用だったのでは。

 使ってみると、さらに国産双眼鏡とは異なる点に気が付かせられます。
 まず、大きめの鏡筒で下陣笠にフォーカスリングが付いていますが、普通に持つとリングが国産機より遥かに遠く感じられます。
 筆者の手は標準的な大きさですが、中指で操作してもギリギリの印象です。ま、彼の国ではこれでも不便ではないのでしょうけど。

 そして、次に頭をもたげるのが重さの点です。
 海外のガイドブックを見ると、このクラスの双眼鏡が狩猟用やレジャー用にと挙げられています。
 家の周りを散歩するだけならあまり感じませんが、こいつを抱えて野山を歩き回るのはちょっとつらいでしょう。
 「体格差」なんて死語かと思っていたんですが、こういう道具は嘘をつかないようです。

 これだけ大柄な双眼鏡でありながら、三脚固定を無視しているのも「らしい」配慮でしょうか。
 スワロフスキーの国内価格は海外との差が大きく(Z社やL社も同様だが)、いろいろ悩むところですが並行物や個人輸入が魅力的に見えてきます。
 一度覗いてみると国産とは全く違う味が感じられると思いますよ。


     鎌倉光機 7X50 WEB-302C

 

公表スペック

実視野:7度 アイレリーフ:18mm 重さ:1180g
ポロプリズム・IF方式 コンパス&レティクル内蔵 窒素ガス封入5m防水

 2000年のJTBショーで即売されていたものを「タスコのオフショアと中身が同じ」なんて言われて衝動買いした物です。典型的な海事用のスペックで、「一般的な品」とは言いがたい双眼鏡でしょう。

 私は苦にしないのですがIF方式の双眼鏡は他人に貸すのは面倒ですし、重さからしてお気軽な双眼鏡でもありません。
 見掛視界50度はちょっと手狭ですし、左鏡筒に埋め込まれたコンパスは持ち運びの邪魔になってしまいます。
 このサイトを作り始めたときは主力双眼鏡だったのに、高級機が増えてきた今では標準的な品になってしまいました。

 粗はいくつかあるのですが、それでも、気に入っている双眼鏡の一つです。
 視野の外周1/3からは像面の湾曲が出てきますが、中心部はきっちり味付けされています。
 15000円で売られる品ですから、値段を考えると、立派な出来と思っています。

 もちろん値段が値段だけに、ゴムのカバーを外してみれば、プラスチック部品が使われていたりするんですけど。
 耐久性や造作の点で、ニコン・トロピカル(価格差3倍)やドクター・7X40(価格差8倍
と比べるのは酷でしょうが、せめて、接眼レンズの視度調節環はもっと頑丈に作って欲しいと思うのです。 見口ゴムがカバーしているから問題は少ないのでしょうか。

 私のようなマニアの為でなく、生活のために必要とする人たちに向けて作られる道具としての双眼鏡という存在は、興味深い物です。
 何を考え、どのように使われるのか、これを覗いていると考えさせられるものがあります。
 この手の道具は、入手しやすく 常に手元にあり 安定した性能を保ちつづけることが重要なのでしょうから。

 昔ほど使用頻度は高くありませんが、私のような人間のハイキングやキャンプでも安心感があり、手軽なお値段と相まって双眼鏡を意識せずに済んで気が楽です。
 あいにく、最近は逆に、この双眼鏡のポテンシャルを必要とするような状況に踏み込む機会はないんですけど。

 星見や鳥見に限って双眼鏡を使われるのでなければ、この手の大口径へヴィーデューティー双眼鏡も面白い存在ですよ。
 重さやIF方式のピント合わせなど確かに不便な点はありますが、ファミリーキャンプや野外散策にいかがですか。
 このお値段なら、普通の7X50よりも安いでしょうから。

 この双眼鏡に埋め込まれているレティクルとコンパスについてはこちらをご参照ください


    ビクセン アルティマ 10X44ED

 

公表スペック
実視野:5.7度 アイレリーフ:18mm 重さ:700g
ポロプリズム・CF方式 EDレンズ使用

 ネットオークションにて落札した双眼鏡です。
 ビクセンの最高級双眼鏡だけあって、外観も落ち着いていますし見え味も納得の品です。
 EDレンズという名前に惹かれたのですが、まだ効果はよく分からないでいます。

 なにより、長時間の観察がつらくならない軽さが魅力で、10倍の倍率もあまり苦になりません。
 こいつで星空を眺めていることが多いのですが、中央部の星は文句無しですし、周辺部への劣化も緩やかです。
 フレアやゴーストはほぼ完璧に押さえ込まれ、気軽な観望が楽しめます。
 そこそこの口径にちょっと高めの倍率というのが良いのでしょうか。
 もし新品で買えるのなら、やはり、お勧めは8倍なのですが、持っている双眼鏡の中で倍率を変化させるのは面白いものです。

 様々な超高級品と比べてみれば、多少鋭さで劣るのは否定できませんが、4倍以上の価格差がある商品との比較がどれだけ意味があるのでしょう。
 マニア以外は、この双眼鏡で高性能な視野を実感することができるでしょうし、個人的にも全く不満を感じていません。
 十分に優秀な双眼鏡と考えています。

 使い勝手の点では、細かいことですが視度調整環が動きやすいのは不満の種です。
 夜、使っているうちに視度環がずれてしまうと面倒なので、もう少し節度感があれば大分印象が上がるだけに残念です。
 それ以外の点ではよく出来たコストパフォーマンスの高い双眼鏡で、これから双眼鏡をはじめる方にも薦められる製品です。

 こいつが我が家では2番目に出番の多い双眼鏡ですから、本当に、軽さは重要な性能なんですね。


     ZEISS 7X42 ClassiC

公表スペック

視野:150m/1000m ハイアイポイント 重さ:800g
 ダハプリズム・CF方式

 重すぎず 持ち運びに気を使わないサイズで 性能のバランスを考えると、40mm前後の製品に落ち着くようです。
 我が家では大型の双眼鏡が好きで集めてきたのですが、気軽に使える双眼鏡は多くありませんでした。
 スワロフスキー8X56は抜群の性能なのですが超重量級、鎌倉7x50は頑丈ですがIF方式で使い勝手がイマイチ、アルティマ10X44は軽くて性能も良いのに倍率が高い。

 そこでと 買ってしまったのが、このツァイスです。
 定評があり熱烈なファンのいる製品ですから、確かに国産の双眼鏡とは全く異なる味付けにされています。
 一目覗いただけで気が付くのは、視野中央のどぎついまでの明るさでしょう。
 コントラストの高さも比類なく エッジの切れは痛いほどで、建物の縁が浮き上がり、遠くの木々の小枝・スズメの毛羽立ちまで見えるほどです。
 ここまでは もう異次元の双眼鏡で、ツァイス愛好家を魅了して止まないところでしょう。

 が、この双眼鏡も、当たり前ですが、完璧な製品ではありません。
 中央部の素晴らしさと引き換えに視野の平坦さは潔く捨てられ、癖の強さは以前から使っていたスワロフスキー以上でしょう。
 視野の中央から2/3ほどで点像は崩れ、最外周では豪快な三日月状に至ります。
 湾曲・歪曲も残っていますし、国産メーカーの双眼鏡なら フラットナーを入れたり構成枚数を増やしたりするところでしょう。

 とにかく、作り手が最善と信じる要素だけが凝集された双眼鏡です。
 マニアならずとも「ツァイス」の名は世界の逸品の証明ですが、それだけでこの双眼鏡を手にするのは早計です。
 ツァイスよりもニコンやボシュロムを高く評価する主張も 使い手の好みによっては 全くをもって正当でしょう。
 「見つめる双眼鏡」「見回す双眼鏡」とは、よく言ったものです。

 値段の高さやデザインを無視しても、万人に好まれる道具とは思えないのですが、何台かもの双眼鏡を渡り歩いた末に行き着くとすれば、このような製品なのでしょうか。
 ただし、ここまで来てしまったら、別な住処には戻れないでしょうが。


     DOCTER 7X40 BGA

 

推定スペック

実視野:7.5度 アイレリーフ:20mm 重さ:1000g
 ダハプリズム・IF方式 レティクル内蔵 窒素ガス封入防水

 多くの人にはなじみのないメーカーでしょうが、今は亡きカールツァイス・イエナを引き継いだブランドです。
 双眼鏡自体もカールツァイス・イエナで製造されていた物と同型で、東ドイツ陸軍・国境警備隊で制式採用されていた他、スイス陸軍でも使用されていたようです。(軍用マニアに言わせれば細部は異なるのですが、光学系は共通)
 以前、ある雑誌で紹介された影響で、双眼鏡に興味がなかった頃からあこがれていた双眼鏡です。
 当時はまともに手に入れられるお値段ではなかったのですが(なにせツァイス・イエナですから)、中古品を御好意で譲り受けることが出来ました。

 見えは・・・、ツァイス・イエナの直系に当たる双眼鏡ですから、抜けは良くノイズも抑えられています。
 が、はじめて見て驚いたのは、視野が強烈に黄色に着色されて、色バランスが滅茶苦茶です。

 写真は白い壁に向けて写したのですが、まっ黄色です。
 「ヘイズカットコート」という言葉は知っていましたが、笠井のHC−BINOの比ではない着色で、フィルターが入っているのではないかと思ってしまいました。
 普通の双眼鏡の基準では間違いなく落第なのですが、どんな悪天候下でも監視を行うための道具と思えばこれでよいのでしょう。鳥見や星見に使う方が間違っているといわれそうです。

 そういう目で見れば、この双眼鏡は面白い仕組みがいろいろあります。
 まず、被覆ラバーがクリップ止めで簡単に取り外しができるようになっています。汚れたときに洗えるようにとの配慮なのでしょう。
 内蔵のレティクルだけでなく、目当てや剥き出しになった各種の調整機構にも機能性へのこだわりが見えてきます。外装ラバー以外は細かいところまで金属部品にされているのも、前に述べた鎌倉7X50BIFと値段の差が出てしまっているところでしょう。
 数字はさほど変わらない割に数段軽く感じるのは大きさとバランスの良さのためでしょう。
 鎌倉7X50は海事用が主眼のせいか高さ方向の目盛が中心なのですが、こちらは陸上用途なので横方向の目盛が主体になっています。

 その特殊なコーティングのせいで出番は多くありませんが、その辺のお散歩やドライブにと、気分転換に使う双眼鏡です。高級機を気軽に使えるのも、信頼感があればこそでしょう。
 まともなコーティングであれば我が家で最も出番の多い双眼鏡になるのですが。


     キャノン 10X30 IS

公表スペック
実視界:6度 アイレリーフ:14.5mm 重さ:600g 防振補償:±1度
ポロプリズム・CF方式  単3電池2本使用

 キャノン防振双眼鏡では18倍や15倍の兄弟機が華々しく雑誌を飾る中、地味な印象の入門機です。
 倍率の低さと口径の小ささから一般にアピールする力が弱かったのか、在庫過多の不人気双眼鏡といわれていました。真相はわかりませんが、専門店以外でも安売りされているのが目に付きますし、4万円程度で入手が可能になっています。

 安さに乗じて、手軽なバードウォッチング用にと購入したのですが、今ではダントツの一番で出番の多い双眼鏡になってしまいました。天体用には口径不足ですが、それ以外なら全てこの一台でも間に合うほどです。

 この双眼鏡は防振機構ばかりに目が行くのですが、それを覗いた見え味も「素晴らしい」の一言につきます。
 防振機構がなくても、視野はほぼ完全にフラットで、コントラストも文句無しに一級品。これにスタビライザーがつくのですから、鬼に金棒です。

 何よりこの双眼鏡がいいのは、防振機構がなくても何とかなる倍率で、普通の双眼鏡より僅かに重い重量にとどまっている点でしょう。 持ち歩いていても全く負担になりませんし、長時間の観察も楽チンです。
 これは防振双眼鏡とではなく、通常双眼鏡と直接比べられる商品になっていることに、技術の恐ろしさを感じずにはいられません。

 純粋な光学性能だけを考えれば、スワロフスキー8X30SLCやライカ8X32BNにはかないませんが、防振機構を含めた性能は、10倍という高めの倍率でも疲れ知らずで、癖になってしまう魅力があります。

 もし、この中で1台だけ双眼鏡を選ぶとすれば、即座に10X30ISを手にするでしょう。


     ペンタックス タンクローV 8X24

公表スペック

実視界:6.2度 アイレリーフ:15mm 重さ:270g
ポロプリズム・CF方式 非球面レンズ使用

 偶然入ったホームセンターでワゴンセールされていた双眼鏡です。
 ホームページのネタにしたら里子に出すつもりだったのですが、気に入ってしまい今でも我が家の住民です。

 星を見ながら光学的なことを言い出すと、コントラストはよくない上に、内部反射の処理は不十分でフレアとゴーストが出てしまいます。
 視野も標準視界で周辺部は歪みが出ています。
 ここまで述べてきた中型双眼鏡の基準では幾らでも悪口が書けてしまうのですが、これを小型双眼鏡として考えると全く別の立場もあるでしょう。

 昼間使うなら十分に安定した性能で、徹底して考えられた使い勝手、このクラスでハイアイポイント・回転式見口を採用した機種があったでしょうか。
 そして、誰にでも買える値段。
 いきなり双眼鏡に¥5桁を出せる人間はどれだけいるのでしょう。普通は数千円の買い物と思われている中で、安定した品質の製品を提供してくる姿には好感を持ちます。
 これより優れた小型双眼鏡は確実に存在しますが、数倍の出費が必要です。

 これから双眼鏡を使っていこうという方に安心して薦められる商品ですし、とことん使い倒せる性格も魅力的です。どんなに壊しても6000円出せば新しいものが買えるのですから。
 この双眼鏡に不満を覚えるようになってから、高級機へと手を出しても遅くはないでしょう。

 我が家では10X30ISに押されて出番は少なくなりましたが、小型双眼鏡の基準として今でも現役です。
 出張の鞄に忍ばせるには、これしかないのですから。


     ロシア製 ワイドビノ 2.3X40

推定スペック

実視界:28度 アイレリーフ:とても短い 重さ:250g程度
ガリレオ双眼鏡・IF方式

 特殊な双眼鏡として天文ファンの間では名前を知られた存在です。
 視野の狭いガリレオ式なのに、対物レンズを大きくして実視界28度を叩き出しています。
 低倍率で「肉眼の延長上」と言われる存在で、気軽に多くの星が見られるといわれています。

 が・・・、個人的にはあまり好きになれない双眼鏡だったりして。
 「肉眼の延長」の割にはIF方式の合焦は煩雑で、お気軽さを削いでいます。視度環にジオプター目盛が入るだけで使いやすさは格段に増すはずなんですけど、細かい配慮をこのお値段で望むのは無理でしょうか。
 また、アイポイントは極端に短く、裸眼での使用に限局されます。眼鏡を掛けたままだと普通の双眼鏡以下の視界しか味わえません。
 実視界が広くて観劇用や講演会にも良さそうに見えますが、辺縁視野は歪曲が目立ち星空以外の使用は考え物です。

 まあ、そんな欠点は百も承知で、光害に埋もれた星団を探し出す道具なのでしょう。
 私が夜空で遊ぶなら、眼鏡を掛けたまま使える見かけ視野の広い中型双眼鏡を選ぶと思いますが・・・。
 これほど好き嫌いの出そうな双眼鏡を作れるのはロシアの強みなのでしょう。
 どれも同じような双眼鏡ばかりではつまらないのですし、強烈に気に入るユーザーのための商品というのも面白い存在です。
 嫌いな人間がいても、気に入る人が手にすればいいのです。もともと趣味のための双眼鏡なんて、そういう品なのでしょうから。

 私は好きな双眼鏡ではありませんが、ひょっとしたら、眼鏡を使っていない人だと、もっと違う印象になるのかもしれません。 とりあえず実験用に置いている双眼鏡です。


 と、双眼鏡の数は増える一方です。
 乾燥ボックスも一つでは双眼鏡が溢れ出す始末で、家族には目の敵にされていますが、それでもまだ双眼鏡が欲しいのです。
 もう「お病気」の世界なのですが・・・

 次に欲しいのは、現状では30mmの通常双眼鏡でしょうか。
 現在の10X30ISが抜群の性能なのに、何が不満なんでしょうねえ????


 

TOPへ   「我が家の双眼鏡」へ   HOMEへ