マンション管理士・管理業務主任者を目指す方のために、試験にでる建築基準法を条文ごとにイラストなどを入れて解説しました。
試験問題は、過去の問題から出されるのではありません。条文から出題されます。
条文を勉強することが、合格への道です。
現在、日々更新中!
第3章 都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途 |
第4節 建築物の敷地及び構造 |
条 | 説明 |
第52条 | 容積率 | ||
第53条 | 建ぺい率 | ||
第53条の2 | 建築物の敷地面積 | ||
第54条 | 第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内における外壁の後退距離 |
建築基準法の最終改正:平成19年3月31日
過去出題 | マンション管理士 | 都市計画法とも絡めて出題される。H18年、H17年、 |
管理業務主任者 | H19年、 |
★これからは、建築物の敷地や構造に関する規定で、まず52条は、「容積率」を規定します。
容積率は建築物で、次の53条で規定される「建ぺい率」と並んで、重要な規定ですが、初めてこの条文を読んでわかる人はいないので安心してください。
*特に、別表 なんかが出てくると、うんざりしますが、仕方がありません。これを勉強しないと、試験に受からない現実があるのですから。
★容積率を定める目的...市街地における敷地面積と延べ面積の割合を定めて、その環境を保全すること。建物が過密にならないようにします。
★容積率とは...「建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合」とされています。(52条1項)
これを理解するためには、各々の用語の定義を知っておかなければなりません。
建築基準法では、 4/10、とか 6/10、20/10、40/10などの分数で表示されますが、一般には、容積率 200% とか、400% と パーセント(%) で表示されます。 これは、建ぺい率でも同じです。
容積率=建築物の延べ面積/敷地面積 x 100 (%) (これが規定の限度を超えてはいけない)
2階建の上の例ですと、(1階の床面積 + 2階の床面積)=A これを、「延べ面積」 といいます。
そして、延べ面積=A を 敷地の面積で 割(÷)り、 その結果に 100 をかけて パーセント (%) となります。
★延べ面積とは...1階、2階など、各階の床面積を合計したものです。
各階の床面積とは外壁または柱の中心線で囲まれた面積のことです。(建築基準法施行令2条4号)
ただし、一定の条件を満たす住宅用の地階では1/3(3項参照)が、共同住宅の共用の廊下や階段の場合は全部(6項参照)、特定の条件を満たした自動車車庫などでは、1/5を限度(建築基準法施行令2条1項4号、同2条3項参照))として、床面積は、延べ面積に算入されませんので注意してください。
<52条3項> 抜粋
(前文省略)・・・・の算定の基礎となる延べ面積には、建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ一メートル以下にあるものの住宅の用途に供する部分(共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分を除く。以下この項において同じ。)の床面積(当該床面積が当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一を超える場合においては、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一)は、算入しないものとする。
<52条6項> 抜粋
(前文省略)・・・・に規定する建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。
建築基準法施行令2条1項4号
四 延べ面積 建築物の各階の床面積の合計による。
ただし、法第五十二条第一項 に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分の床面積を算入しない。
しかし、「専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分の床面積」が全部算入されないと思うと、だめです。
同じ、建築基準法施行令2条3項に、1/5 を限度とするの規定が隠されています。
建築基準法施行令2条3項
3 第一項第四号ただし書の規定は、同項に規定する専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分の床面積については、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それらの建築物の各階の床面積の合計の和)の五分の一を限度として適用するものとする。
*延べ面積の計算式
延べ面積=地階の床面積 + 1階の床面積 + 2階の床面積 + 3階の床面積 + ...
階には算入しない塔屋(ペントハウス)や高さに算入しないペントハウスでも、ここでの床面積には入ります。
★延べ面積は2種類ある
1.一般の延べ面積...防火規定などで使用する。自動車車庫、駐輪場は算入する。
2.容積率には不算入...自動車車庫、駐輪場は、延べ面積の1/5を限度として、算入しない。また、地階などの特例があります。
★建築できる最大延べ面積が、容積率算定上の延べ面積より大きくなることなることもあります。
容積率には不算入の特例があるためです
★容積率に算入しない特例 (平成19年度の管理業務主任者試験にでたぞ!)
1.自動車車庫、自転車駐車施設部分の一部不算入...自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分の床面積については、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それらの建築物の各階の床面積の合計の和)の五分の一を限度として延べ面積に算入しない。(施行令2条3項)
これは、自動車車庫などを設けさせる措置です。
2.住宅の地階部分の一部不算入...算定の基礎となる延べ面積には、建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ一メートル以下にあるものの住宅の用途に供する部分(共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分を除く。以下この項において同じ。)の床面積(当該床面積が当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一を超える場合においては、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一)は、算入しません。(建築基準法52条3項)
これは、住宅地の地価が高いこと、高さの制限が厳しいことをうけ、住宅の地下利用を促進させる措置です。住宅用だけですよ。事務所使用では入りません。
なお、マンションなど共同住宅の地下部分でも適用できます。
専用住宅で車庫を設けない場合の地階の住宅の緩和限度の例
(1F 80u + 2F 80u + 地階 80u)×1/3=80u以内
3.共同住宅の共用廊下・階段部分の全部不算入...共同住宅(マンションなど)の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、全部算入されません。 (建築基準法52条6項)
これは、公共の道路と同じとみて、限度がなく全てが算入されません。ただし、エレベーター室は除外されていないため、算入されます。
★地盤面とは...建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が三メートルを超える場合においては、その高低差三メートル以内ごとの平均の高さにおける水平面をいいます。(4項)
ただし、地方公共団体は、条例で、区域を限って、条例により、地盤面を定めることができます。(5項)
★それでは、建築物の敷地とは...一般的には、建物を建てたり、道路・堤防などの施設を設けるための土地のことです。
建物が1棟だけの場合は、その建物のある土地をさし、母屋と離れ、工場と寄宿舎など用途上分離できない2棟以上の建物がある場合は、その建物のある土地全体をさします。(建築基準法施行令1条1号)
1つの敷地には1つの建物ということは、住宅を例に取ると、母屋と離れの関係なら許されても、1つの敷地に2棟の住宅を建てる事は出来ないと言う事になります。
建築基準法施行令1条1号
一 敷地 一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。
*逆に、用途上区分できれば、建築物ごとに別の敷地となります。建物単体で住宅として機能する建物を同一敷地に別々に建築するには、この2つの建物をくっつけて1つの建物とするか、敷地を2つに分け別々の敷地とする必要があります。ただし、この分けることは、土地の権利関係(不動産登記法)と、連動する必要はありません。敷地の分筆とは関係なく、建築基準法だけの、規制があるだけです。
★そして、敷地面積とは...敷地の水平投影面積のことです。(建築基準法施行令2条1項1号)
建築基準法施行令2条1項1号
一 敷地面積 敷地の水平投影面積による。ただし、建築基準法 (以下「法」という。)第四十二条第二項 、第三項又は第五項の規定によつて道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。
傾斜地や崖地等の勾配がある土地でも、真上から水平面に投影して測定した面積をさします。この考え方は、「床面積」と同じです。
傾斜地の場合は、斜面の面積ではありません。
また、段差があっても、段差の部分は含まれません。
また、都市計画区域で建築物を建てる際に、敷地は幅員が4m(または6m)以上ある道路に2m以上接していなければなりません。
道路の幅員が4mに満たない場合には、道路の中心線から2mまでの部分(後退部分=セットバック)は、自分の敷地あっても建築基準法では「敷地面積」として扱われません。この部分は、除外されますので、注意してください。(建築基準法施行令2条1項1号-->42条に規定される道路の境界線とみなされる線と道との間の部分))
★これにより、
容積率 = 延べ面積(同一敷地内にある建築物の各床面積の合計)/敷地面積 x 100 (%) となります。
たとえば、容積率限度 200%の地域で敷地面積 100uの場合、上の式を逆算して、
100u(敷地面積) × 200%(容積率限度)÷ 100= 200 u
となり、延べ床面積 200u までの建物が建てられます。
ただし、前面道路が12m以下の場合は、用途地域によって一定の規制を受けます。(2項)
★容積率の限度が用途地域の種別によって定められている。(1項)
この「容積率」が高ければ高いほど、大きくて広い建物が建築可能です。住居系の用途地域は容積率が低く、商業系の用途地域は容積率が高くなっています。大きいビルや高いビルなどは、ほとんどの場合商業地域に建っています。
その内容は以下のようになっています。
用途地域 |
都市計画で定められる容積率 |
前面道路の幅員が |
第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 |
50,60,80,100,150,200 の数値のうち都市計画で定める割合 (1項1号) |
前面道路の幅員(m)に4/10を乗じた数値、または都市計画で定められる容積率の最高限度のうちいずれか小さい数値 (2項1号) |
第一種中高層住居専用地域 第二種中高層住居専用地域 |
100,150,200,300,400,500 の数値のうち都市計画で定める割合 (1項2号) |
前面道路の幅員(m)に4/10を乗じた数値、(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定した区域内では前面道路の幅員に6/10を乗じた数値)、または都市計画で定められる容積率の最高限度のうちいずれか小さい数値 (2項2号) |
第一種住居地域 第二種住居地域 準住居地域 |
||
近隣商業地域 準工業地域 |
前面道路の幅員(m)に6/10を乗じた数値、(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定した区域内では前面道路の幅員に4/10又は8/10のうち指定されたを乗じた数値)、または都市計画で定められる容積率の最高限度のうちいずれか小さい数値 (2項3号) |
|
商業地域 | 200,300,400,500,600,700,800 900,1000,1100,1200,1300 の数値のうち都市計画で定める割合 (1項3号) |
|
工業地域 工業専用地域 |
100,150,200,300,400 の数値のうち都市計画で定める割合 (1項4号) |
|
用途地域の指定の無い区域 | 50,80,100,200,300,400の数値のうち特定行政庁が土地利用の状況等を考慮して都道府県都市計画審議会の議を経て定める割合 (1項6号) |
(注1) | 高層住居誘導地区内の住宅部分の床面積が全体の3分の2以上の建築物については、その住宅割合に応じて、用途地域から定められる数値の1.5倍以下の範囲で定められます。(1項5号) |
(注2) | 高層住居誘導地区内では、前面道路の幅員に乗じる数値は6/10です。 |
前面道路の幅員(道路幅です)が12m未満の場合の容積率は、上表のとおり、用途地域の種別ごとに都市計画で定められる容積率の制限と、前面道路の幅員によって定まる容積率の制限があり、当該敷地に適用される建基法上の容積率の最高限度は、いずれか低い方の数値となります。
なお、幅員の異なる2以上の道路に接している場合は、広い方の道路幅員が基準になります。
★最大容積率の計算例
例1 | 容積率200%の第一種住居地域で、幅員4mの道路に接する場合 4m X 4/10 = 1.6 1,6 × 100% = 160% これは、容積率の200%より小さいため 制限は、160%となります。 |
例2 |
容積率500%の商業地域で、 幅員8mの道路に接する場合 8m X 6/10 = 4.8 4.8 × 100%= 480% これは、容積率の500%より小さいため 制限は、480%となります。 |
★敷地が容積率の異なる複数の地域・地区・区域にわたる場合(7項) ...比例配分する
例えば、1つの敷地が、近隣商業地域と第2種住居地域などにわたっている場合には、それぞれの地域の容積率に、その地域に属する敷地部分の敷地全体に対する面積の割合を乗じた数値を合計 (加重平均)したものが、敷地全体に適用される容積率の最高限度になります。
(1)各部分の容積率制限 1.近隣商業地域部分(S1) 指定容積率400%>前面道路による容積率制限 6mX6/10=36/10→S1の容積率制限36/10 2.第二種住居地域部分(S2) 指定容積率200%<前面道路による容積率制限 6m×4/10=24/10→S2の容積率制限20/10 (2)許容限度延べ面積 =S1(600u)×36/10+S2(400u)x20/10=2,960u (3)当該敷地の容積率制限値 =2,960u/1,000u×lOO%=296% |
★敷地と空地の規模により容積率制限を緩和する制度(8項)
平成14年の建基法の改正により、容積率制限を迅速に緩和する制度が導入されています。
第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域もしくは準工業地域または商業地域内にある住宅で、その敷地内に政令で定める規模以上の空地(道路に接して有効な部分が政令で定める規模以上のものに限る。)を有し、かつ、その敷地が政令で定める規模以上のものについては、用途地域に関する都市計画で定める容積率の1.5倍を限度として、その容積率を緩和することができます(8項)。
★.特定道路までの距離による前面道路幅員の加算(9項)
建築物の敷地が、当該敷地の前面道路幅員が6m以上12m未満で、当該前面道路が延長70m以内で幅員15m以上の道路(この項で特定道路という)に接続している場合、実際の前面道路幅員に政令で定める(特定道路から前面道路までの延長距離に応じた)数値を加えたものが前面道路幅員となります(9項)。
※政令で定める数値(Wa)は次の式によって計算します。 |
★特定行政庁の許可を受けた建築物の前面道路幅員のみなし措置(10項、11項)
1.敷地に接してまたは敷地内に計画道路がある場合
敷地に接してまたは敷地内に都市計画道路(建基法第42条第1項第4号に該当するものを除く)がある場合で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上および衛生上支障がないと認めて、建築審査会の同意を得て許可した建築物については、その計画道路の幅員を前面道路幅員とみなして、容積率を算定します。この場合においては、当該敷地のうち計画道路の係る部分の面積は、敷地面積に算入することはできません(10項)
計画道路を前面道路とみなした場合、容積率制限の算定には、計画道路幅員Wを前面道路幅員にでき、前面道路による容積率制限が有利になります。
2. 敷地の前面道路をはさんで壁面線の指定がある場合(11項)
前面道路の境界線またはその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合、一定の基準に適合すると特定行政庁が認めて、建築審査会の同意を得て許可した建築物については、前面道路の境界線またはその反対側の境界線は、それぞれ当該壁面線にあるとみなして、容積率を算定します。この場合においては、当該敷地のうち前面道路と壁面線等との間の部分の面積は、敷地面積に算入することができません(11項)。
★住居系用途地域において壁面線の指定がある場合等(12項、13項)
第一種低層住居専用地域から準住居地域までの住居系用途地域内または特定行政庁が指定する区域内で、前面道路の境界線から後退して壁面線の指定がある場合または条例で壁面の位置の制限がある場合は、壁面線等を越えない建築物については、前面道路の境界線が当該壁面線等にあるものとみなして、容積率を算定することができます。ただし、前面道路の幅員(m)に6/10を乗じた数値以下でなければなりません(12項)。なお、当該建築物の敷地のうち前面道路と壁面線等との間の部分の面積は、敷地面積に算入することはできません(13項)。
★特定行政庁による許可等による容積率(14項)
機械室の占める割合が大きい建築物や、敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上および衛生上支障がないと認めて、建築審査会の同意を得て許可したものは、その許可の範囲内で容積率の制限が緩和されます(14項)。
★容積率については、原則の%、前面道路との関係、延べ面積に算入しない例外、敷地が2つ以上の地域、地区または区域にまたがる場合など出題の傾向が高いので、注意が必要です。
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★53条は、前の52条の容積率と共に、建築物を規制する「建ぺい率」の規定です。
★この「建ぺい率」も当初は、読んでも分からないので、心配しないでください。
★でも、この規定も出題傾向は、高いので注意が必要です。
★建ぺい率を定める目的...建築物の敷地内に一定割合の空地を確保し、市街地の環境(通風・採光の確保や防火上)、を保全することです。
★建ぺい率とは...建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合です。(1項)
これも、容積率と同じように、建築基準法では、 4/10、とか 8/10 などの分数で表していますが、一般には、 建ぺい率 40% とか 100% など パーセント(%)が良く使われます。
建ぺい率=建築面積/敷地面積 x 100 (%) (これが、指定の限度を超えないこと)
★では、建築面積とは...建築物の外壁・柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。ただし、軒、ひさし、バルコニー等でこの中心線より1m以上突き出た所があるときは、先端より1m後退した部分までは建築面積に算入されます(建築基準法施行令2条1項2号)。
建築基準法施行令2条2項2号
二 建築面積 建築物(地階で地盤面上一メートル以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。
★敷地面積とは...敷地の水平投影面積です。ただし、通称セットバック(後退)といって道路の部分とみなされる部分は、敷地面積には算入できません(建築基準法施行令2条1項1号)。
建築基準法施行令2条1項1号
一 敷地面積 敷地の水平投影面積による。ただし、建築基準法 (以下「法」という。)第四十二条第二項 、第三項又は第五項の規定によつて道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。
★建ぺい率一覧表 (建ぺい率の最高限度) (単位%)
用途地域 |
原則 |
(A)防火地域内で |
(B)特定行政庁が |
(A)と(B) |
第一種低層住居専用地域 |
次の数値のうち都市 |
|
|
|
第一種住居地域 |
50 |
60 |
60 |
70 |
近隣商業地域 |
60 |
70 |
70 |
80 |
商業地域 |
80 |
制限なし |
90 |
制限なし |
工業地域 |
50 |
60 |
60 |
70 |
用途地域の指定の無い区域 |
30 |
40 |
40 |
50 |
(注1) |
制限なしのもの(10/10ということ) |
(注2) |
用途地域の指定のない区域内における建ぺい率の限度は、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し、都道府県都市計画審議会の議を経て定められます。 |
(注3) |
建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合で、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物であるときは、その敷地は、すべて防火地域内にあるものとみなされ、上表の数値が適用されます(建基法53条6項)。 |
★敷地が建ぺい率の異なる複数の地域にわたる場合(2項)...比例配分となる(容積率と同じ)
それぞれの地域の建ぺい率に、その地域に属する敷地部分の敷地全体に対する面積の割合を乗じた数値を合計(加重平均)したものが、敷地全体に適用される建ぺい率の最高限度になります。
この例では敷地の3/5 (60u/100u)が建ぺい率 80%の地域にあり、敷地の2/5 (40u/100u)が建ぺい率 60%の地域に属しています。
この場合の合計した建ぺい率は
(60ux80% + 40ux60%) ÷ (60u+40u)=(480+240) ÷ 100=72%
となります。
★建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合(6項)
その敷地内の建築物の全部が耐火建築物であるときは、その敷地は、すべて防火地域内にあるものとみなして、第三項第一号(+10%)又は前項第一号の規定(制限なし)を適用します。
★建ぺい率制限の合理化(4項)
隣地境界線から後退して壁面線の指定がある場合または条例で定める壁面の位置の制限がある場合において、当該壁面線または壁面の位置の制限として定められた限度の線を越えない建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの建ぺい率は、その許可の範囲内において、法定の建ぺい率規制を緩和できます。
★商業地域は、80%と1つだけになっている。他には選べない。都市計画でも決めていない。
★プラス 10% されるのは、防火地域内にある耐火建築物だけで、準防火地域は入っていない。
★建築することのできる最大建築面積は
容積率x建ぺい率の限度 になります。
★建ぺい率と容積率の出し方
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★53条の2は、敷地のミニ開発を防ぐ目的です。
建築物の敷地面積は、用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければならないと規定しています。(1項)
★そして、その最低限度を決めるときは、敷地の最低は200u以下の範囲で指定します。(2項)
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★54条は、第一種低層住居専用地域(高級住宅地)又は第二種低層住居専用地域内(コンビニ程度は可能な住宅地)においては、外壁の後退距離が定められると(1mまたは1.5m)、それに従って建てることになります。
良好な住環境を保つためです。
★外壁の後退距離の測り方
敷地境界線(または道路境界線)から、建築物の外壁または柱の面までの距離です。(芯からではありません)
★都市計画で必要なときにだけ、指定されます。
ページ終わり |
最終更新日:
2009年9月25日:一部加筆
2008年10月27日