作:◆qEUaErayeY
「・・くっ!」
パイフウは悪態をつく。最初の一撃で確実に一人を仕留め、混乱する一行へ続けて銃弾を浴びせる予定だったが、
突然の破壊音に驚き、手元が僅かながらくるったのと、古泉が振り返ったことにより精密に心臓を狙ったつもりが
虚しくも弾丸が捕らえたのは肩に掛けたデイパックのみだった。中にしまってあった水入りペットボトルを貫通したらしく、
じわじわと水が溢れデイパックに染みをつくっていく。もう少し軌道がズレていたら、その染みを作る液体成分は
古泉の紅い流血であったことであろう。
「な、なんだぁ!!」
状況についていけないらしく、ボルカンは驚愕している。キーリも二度の轟音に動けずにいた。
古泉は自分が狙われた事には気づいたものの、どう動くべきか瞬時に判断がつかなかった。
そんな中、状況を理解し、一番先に行動を起こしたのはハックルボーン神父であった。
近くにあった長テーブルを弾が飛んできたであろう方向へ投げ捨てると同時にこちらへもの凄い勢いで駆けて来る。
「失礼」
「きゃっ!」
「ぬおっ!」
キーリとボルカンをいとも容易く抱え上げ、古泉に目で合図を送る。古泉は意図を理解し軌道の死角を選びながら
近くの通路へ逃げ込む。ハックルボーン神父ら3人も古泉と対になる通路へ移動を終了していた。
「・・・ぅぅ!」
パイフウは二度目の悪態をつく。長テーブルは彼女が身を潜めていた壁際に直撃したため、彼女自身に外傷は無かったが
そのテーブルが木製であったため衝撃に耐えられず粉砕し、破片が四方八方に散って彼女の視界を一時遮る。
それは古泉たちに避難するのに十分な時間を与え、パイフウの再襲撃のチャンスを奪った。
僥倖に恵まれた結果と言えよう。テーブルを投げたのは、たまたまハックルボーン神父の手の届く範囲にあったからだ。
パイフウは逡巡する。この位置からではあの人達を同時には狙えない。
どちらか片方なら身を少し乗り出せば撃てない事はないが、二手に別れてしまった今、身を晒すのは危険すぎる。
筋肉質な男がテーブルを投げてきた事から彼が銃器類を持ってない事は明らかだが他の3人は分からない。
片方を狙っている間に逃げられる可能性もあるし、ガラスを割った人物のこともけして軽視出来ない。
侵入者であれば今の銃声と破壊音に気づき様子を見に来るだろう。もしかしたら複数かもしれない。
元を辿ればそいつのせいだ。あのガラス音さえなければ最低でも一つは死体が出来たのに!
一旦引く?いや、駄目だ。私はまだクルツ一人しか殺せてない。このままでは、ディートリッヒがほのちゃんに
迫るかも。ほのちゃんが悪魔に汚されてしまうのだけは避けなければいけない。
エンポリウムタウンの人たちだって、あと一週間しか期限が無い。・・・今の私に、ゆとりは無い!!
「・・・出来る限り一人でも多く、殺さなきゃ!」
覚悟を決め、飛び出した矢先━
「ミラ、ここに居るの?待っててね、すぐに助けるから。あいつら、主催者全員殺すから・・・」
続いてホールに現れたのは狙撃銃"鉄鋼小丸"を携えたアーヴィング・ナイトウォーカーだった。
【G-4/城の中/1日目・06:30】
【神父と仲間達】
【ハックルボーン神父】
[状態]:健康
[装備]:宝具『神鉄如意』@灼眼のシャナ
[道具]:デイパック(支給品一式)
[思考]:襲撃に対処。
【キーリ】
[状態]:健康
[装備]:超電磁スタンガン・ドゥリンダルテ(撲殺天使ドクロちゃん)
[道具]:デイパック(支給品一式)
[思考]:混乱気味。
【ボルカン】
[状態]:健康
[装備]:かなめのハリセン(フルメタル・パニック!)
[道具]:デイパック(支給品一式)
[思考]:キーリを護る。打倒、オーフェン。混乱気味。
【古泉一樹】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック(支給品一式) 穴が開きペットボトルの水が溢れてます
[思考]:厨房で武器調達後、長門有希を探す。襲撃に対処。
【パイフウ】
[状態]健康
[装備]ウェポン・システム(スコープは付いていない)
[道具]デイバック一式。
[思考]主催側の犬になり、殺戮開始/この五人を皆殺し/火乃香を捜したい。
【アーヴィング・ナイトウォーカー】
[状態]:情緒不安定/修羅モード
[装備]:狙撃銃"鉄鋼小丸"(出典@終わりのクロニクル)
[道具]:デイバッグ(支給品一式)
[思考]:主催者を殺し、ミラを助ける(思い込み)
【残り94人】
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