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第212話:池袋最強と世界の中心

作:◆GeFsM/0AQ.

途中、人識に見つかりそうになりながらも何とかのりきりクレアは城に続く道にたどりついた。
別に人識が強そうだったから闘わなかったわけではない。
闘っても余裕で勝てるという自信はあったのだが、何の理由もなしに人を殺すのはクレアの方針にそぐわない。
それに、闘っていたら無駄に時間と体力を消費することになると考えたのだ。
「この道を行けば城だな・・・シャーネ。今からこのクレア王子が助けに行くぞ!!」
言い終えるのと同時に走り出す。
颯爽と走るクレアの両手には大型ハンティングナイフが握られている。
王子の武器としては合わないが、クレアはまったく気にしていない。
むしろ気に入っているくらいだ。
何しろ自分の結婚相手、シャーネの愛用の武器だから・・・
「そうだ、姫を助け出したらこのナイフは返してやらなきゃな」
大型ナイフを両手に持つ姫。
奇妙な組み合わせだが、これもまたクレアは気にしない。
───普段もキレイだが、ナイフを持っている時のシャーネはさらにキレイに見えるんだよなぁ
などと考えていると、周りを注意していなかったため、誰かと肩がぶつかった。

平和島静雄は歩く。
城から出る時は誰かが入るときに破ったと思われる窓があったので簡単だった。
しかし、出たまではよかったのだが、何処にセルティが居るのか検討もつかない。
とりあえず静雄は城から続く道を歩いて行く事にした。
「糞。イライラする。何で俺がこんな所にこなきゃいけないんだ?」
毒づきながら歩く。
「そうか、臨也か。あいつがまた俺をはめやがったに違いねぇ。あいつが全ての元凶か」
顔に血管が浮いてくる。そうとう怒っているようだ。
「絶対殺す。殺しても殺したりない。殺した後殺すか?それがいい。とにかく死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
抑えきれなくなり、溢れ出てきた怒りを言葉にして表す。
と、最悪のタイミングで静雄に誰かがぶつかった。
相手は走っていたらしく。静雄の肩にぶつかってもとくに気にしないまま走りさろうとした。
だが静雄がそれを黙って見過ごす分けが無い。
「おい待てこらてめぇ!人にぶつかっといて謝りもしないとはいい度胸じゃねぇか!!一回死ね。俺が殺してやるから死ね!!」
尋常じゃない殺気を向けられたので流石に男・・・クレアは立ち止まった。
そして振り返り、
「あぁ、悪い。だが今忙しいからお前にかまってる暇は無い。俺は王子。今から姫を助けに行くんだ。かっこいいだろ?俺」
言い終えるとすぐさま身をひるがえしまた走り出す。
「おいおいおいおいそれだけかよ。全然謝られた気がしねぇ。何だあの顔は、糞。やっぱりあいつから殺す。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!」
相手は両手に大型ハンティングナイフを持っていたが、そんなことは気にしない。
静雄はクレアを追い、ただ怒りに身をまかせ城に向かって走りだした・・・・・・


【F-4/城に続く道/一日目7:15】

【クレア・スタンフィールド】
[状態]:絶好調
[装備]:大型ハンティングナイフx2
[道具]:デイパック(支給品一式)
[思考]:城に行く 姫(シャーネ)を助け出す


【平和島静雄(037)】
[状態]:怒り爆発
[装備]:山百合会のロザリオ
[道具]:デイパック一式
[思考]:あいつは殺す!

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