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第142話:新しい朝に希望はあるか?

作:◆RGuYUjSvZQ

アメリアは目を覚ました。
あれからどのくらい意識を失っていたのだろう。
あたりはまだ暗いままなので、それほど長い時間ではないようだ。
立ち上がろうと腕に力を入れるものの全然力が入らない。
無理やり立ち上がろうとすると背中に鋭い痛みがはしった。
意識が遠くなりかける。立ち上がるのはとても無理だ。
アメリアは顔に手を当てた。顔は血だらけだった。
顔の傷からの出血はまだ続いている。
地面には血だまりができていた。かなりの量だ
(こんな所では絶対に死なない・・・・リナさん、ゼルガディスさんと合流しないと・・・
絶対に死なない・・・絶対に・・・)


(む?)
なれない場所でなかなか眠れず、まどろんでいた子爵はなにやら違和感を感じ目を覚ました。
なにやら近くで人の気配がする。
弱々しく今にも消え去りそうな気配が・・・
どうやら崖下らしい。
子爵はふわふわと空中に浮くと石段を使わず、直接崖下に降りていった。
そこには瀕死のアメリアが倒れていた。
地面には血の跡が連なっている。ここまで這ってきて力尽きたようだ。

(ふむ、まだ息はあるようだな。できれば助けてやりたいのだが)
子爵には他人の傷を癒す能力はない。
支給された荷物も調べてみたが傷の手当ての出来そうなものは入っていなかった。
ちなみに、割り当てアイテムは「教育シリーズ 日本の歴史DVD 全12巻セット」だった。
DVDに少々興味をそそられた子爵であったが、今はそれどころではない。

手当ての出来る場所まで運ぶしかないのだが、
力を消耗している現状では、人間一人を運ぶのもままならない。
(さて、どうしたものか・・・)
子爵が思案に暮れていた、

その時

――放送が始まり、それと同時に東から太陽があらわれた。夜が明けたのである。
――――そして、子爵は力を取り戻した。

【D-4/石碑近くの崖下/1日目・06:00】
【ゲルハルト・フォン・バルシュタイン子爵】
 [状態]:体力が回復し健康状態に
 [装備]:なし
 [道具]:デイパック一式、 「教育シリーズ 日本の歴史DVD 全12巻セット」
 [思考]:アメリアを傷の手当ての出来そうなところへ運ぶ。
【アメリア・ウィル・テスラ・セイルーン】
 [状態]: 瀕死、重傷
 [装備]: なし
 [道具]: なし
 [思考]: 生きる/リナ、ゼルガディスと合流する

※アメリアの所持品(支給品一式+獅子のマント留め@エンジェル・ハウリング)
 はC−4の高架近くの森に落ちてます

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