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第099話:ゲルハルト・フォン・バルシュタイン子爵

作:◆PZxJVPJZ3g

(人間とはなんとも面白い生き物だ)
血の様な液体の固まりであるゲルハルト・フォン・バルシュタインは、このゲーム中に見てきた人間達に
対してそんな感想を抱いた。
かりそめの同盟を結ぶ者。目的を持って行動する者。人を殺す者。人の死に心を痛める者。狂気に走るもの。
様々な人間がいた。

与えられたデイバッグを己が内に止め、子爵は石段を登ってゆく。

子爵が見てきた者の中には、あの若き市長の姿があった。
あの負けず嫌いのヴォッドですら、ああも容易く死んでしまうとは思わなかった。

石段の頂上に辿り着く。そこは開けた広場の様になっていて、中央には巨大な石碑があった。
そのまま子爵はずるずると石碑の影へと回り込む。

どうもここに来てから力の消耗が激しいと、子爵は感じていた。いつもなら身体の形を変えるのに苦労
する事など無かったのに、ここでは動くのにも一苦労だ。ましてや文字に化けるなんて問題外だ。
なぜこうも力を消耗するのか、その理由は彼にも分からない。
とりあえず、子爵は身体を休める事を第一に考えて眠りに就いた。


【D-4/石碑の影/1日目・05:10】

 【ゲルハルト・フォン・バルシュタイン子爵】
 [状態]:体力を消耗、睡眠中
 [装備]:なし
 [道具]:デイパック(支給武器は不明)
 [思考]:とりあえず人間観察でも。

【G-6、F-5、E-4、D-3を経由して移動、それまで全く発見されず】
【残り98人】

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