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第093話:続・接近

作:◆pRIOI2rXUM

張り詰めた空気が漂う
…一分
…二分
いや、もっと長かっただろうか?動きの無いまま対峙し続ける火乃香と
長い刀身の抜き身を刀を持った派手な赤いドレスを着た人影、どうやら女性のようだ。
火乃香は考える。
(誰?襲ってこない所を見るとこのゲームに乗ったわけじゃ無さそうだけど…。
 どっちにしろこのままじゃ拉致があかないか…。一か八か)
決断してからの、動きは早かった。火乃香はその場にいきなり剣を捨てたのだ
「!?」
女が戸惑ったように動きを止めた一瞬の隙に言う
「こっちに敵意はないよ。よかったらそっちも武器を捨てて話し合わない?」
(もし相手が襲ってきてもまだ左用の剣がある)と考えながら告げた。
こちらの言ってる事が本当なのか判断するようかのようにしばらくの間があった。
「カシャン」
意外に軽い音を立てながらその場に落ちる剣。
「…」
しかしそれだけだ。是か否の返答ぐらいはあってもよさそうなものだが女は答えない。
仕方なく火乃香は続ける
「あたしは火乃香。あんたは?」
「…」
なおも黙り続ける
苛立った火乃香が怒鳴ろうと口を開くと
「あんたねえ…!」
と、いきなり無造作に人影は背を向けて洞窟の中からは見えない場所に歩いていく
「?」
いきなりの行動に火乃香がとまどっていると
再び女が戻ってきた。その手にはディパックがあった。どうやら近くに隠していたらしい。
そして、どうするのかと思うと女はディパックの中に手を突っ込み何かをとりだした。
「つっ!」(油断した?まだ武器でもあるの?)
と、自分の判断ミスを呪った。女のいきなりの行動にとっさの対処ができない、仕方なく致命傷だけは避けるべく腕で頭を庇う。

しかし、予想したような衝撃等は無かった
「…?」
訝しげに火乃香が顔を上げると目の前には何か書かれた紙を突き出した女が居た。
「何?読めってこと?」
「コクン」
うなずく女。その様は外見と違いに意外に子供っぽかった。
女から渡された紙に書いてあったのは女が喋れないと言う事と女の名前が【シャーネ】という事だった。


【H-5/洞窟 /1日目・1:20】
【火乃香】
[状態]:健康
[装備]:騎士剣・陰陽
[道具]:デイパック(支給品一式) 
[思考]:崖の上にでる道を探す
【シャーネ・ラフォレット】
[状態]:健康
[装備]:魔杖剣「内なるナリシア」(出典:されど罪人は竜と踊る)
[道具]:デイパック(支給品一式) 
[思考]:襲ってくる奴は殺す、クレアを探す
【残り98人】

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