「よう、橋野……」 俺は意を決して話しかけた。 「! 隆幸! おまえも遅刻? ははははは!」 橋野はわだかまりを微塵も感じさせず笑った。 そうだ、橋野はこういう奴だ。 俺は自分を恥じた。 「すまんな、おとついは……」 「何言ってんだよ、ありゃ俺も悪かった。 すまなかったな、またうまい棒おごるよ」 「いや、いいよ…… ってそれより、どうするよ? バス行っちゃったな」 「うーん…… タクシー拾って行くか。 それともヒッチハイクとかな。 それとももうあきらめてあそこの本屋にでも行くか?」 さすが橋野。次々に案が出てくる。 →タクシーにしよう →いいね、ヒッチハイク →本屋に行くか |