「よし、ヒッチハイクしよう」 俺は橋野に言った。 ヒッチハイクなんて、初めての経験である。 どきどきするが、何事も経験だ。 ひと昔前の電波少年ばりに車を停めてやる。 と思ったら、いきなり停まった。 はりあいがないなあ、 と思ってる場合じゃない。ありがたいことだ。 ……だが、よく見ると、 運転席のおっさん、めちゃくちゃ顔が恐い。 どう見てもヤ○ザだ。 でも、ヒッチハイクに停まってくれるくらいだから、 ああ見えて優しい人かも…… いや! あの顔は恐すぎる! あの顔が優しいわけがない! これは何かの罠だ! って罠って何だよ! ああ、どうしようか。 こんなこと言ってる場合ではないのだ。 →お願いしてみる →知らんぷりして見送る |