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- ハイブリッドフロント -
歴史年表

20世紀 
1998 原油価格競争における対立、
「オールド・オイル・ウォー」勃発
北半球の温暖化・砂漠化
  
1999 戦争終結、国連解体声明
「環境修正議会」発案
  
2000 「環境修正議会」発足
「水素エンジン」実用化へ
  
21世紀 
2001 「環境修正会議」による、
新エネルギー推進運動が活発化
  
2010 軌道開発プラン、頓挫す
各国が宇宙開発規模を大幅縮小
  
2036 「環境修正議会」と産油国の対立が
激化
  
2037 「ニュー・オイル・ウォー
(N・O・W)」勃発
N・O・Wにて限定核使用される
北海油田で細菌兵器使用
報復テロ、情報テロ増加
  
2038 参戦各国の国民支持率低下、
これによりN・O・W終戦へ
地球上の鋼鉱石資源枯渇
  
2052 「環境修正議会」支援の下、
水素エネルギー機関の試作成功
各理事国の予算低下に伴い、
「環境修正議会」機能低下
  
2077 各国で「企業援助法」成立
太陽観測船の事故
  
2083
「地球補完連合」が組織される
(後のPETOの母体、通称「地連」)
  
22世紀 
2104 軌道モデルステーション建設
  
2112 「企業自衛法」仮承認、認可へ
企業群による軌道開発、本格化
重水素エネルギー機関の公開
地球上の鉄鉱石資源の枯渇
  
2126 軌道農業コロニー完成
  
2132 水素エネルギーへ完全移行、
「オイルパワーの終焉」
  
2141 月面に軽金属採取施設建設
各国の軌道企業への依存深まる
満潮時海面平均12cmの上昇
  
2148 ニューロンのデジタル情報化、
部分的に成功
  
2163 アマゾンで大規模な森林火災、
日本企業への疑惑高まる
地球平均気温5度上昇
  
23世紀 
2203 労働者と企業警備隊が衝突、
死傷者112名
  
2242 地連、軌道企業輸出物資に対し、
大型関税を施行
  
2243 軌道企業群「軌道企業自治法案」
を提示
軌道企業群が物資輸出制限告知
地連と軌道企業群が対立、
「軌道冷戦時代」
  
2264 軌道企業群、自社警備兵に対し、
マン・マシン・インターフェイス
の義務化を通知
身体改造が人道問題へ発展
軌道企業群、クローン技術の
存在を否定
  
24世紀 
2302 地連軍、地上における軌道企業
のプラントを武力制圧
第一次軌道戦争勃発、
「オービタル・ウォー」
地連軍、軌道上で大敗
  
2303 パリで第一回講和会議
地連、「軌道企業自治法」を部分的に承認
  
2306 軌道企業の月面ラボにおいて、
水素エネルギー機関の改良
  
2307 「軌道企業共同体」(CoCoON:
コクーン)発足、国家として稼動
(独立記念日 地球日7月14日)
  
2309 コクーンによる「16条の提案」、
地連はこれを却下
第二次軌道戦争勃発、
「ハンマー・ウォー」
コクーン軍、大型光学兵器・
いん石兵器(メタル・ハンマー)
を地表に対して多数使用
  
2310 地連、徹底交戦を表明
コクーン軍、地球への降下作戦
開始、「制地戦争」
コクーンの重役、重傷から奇跡の
回復
  
2315 ワシントンで第二回講和会議、
地連が大幅譲歩(事実上の敗北)
  
2318 第一回軌道サミット
地球側戦略兵器の大幅削減
東南アジアの不況
  
2336 コクーンに対し、
大規模な武装抵抗運動始まる
  
2368 コクーン、地球駐留部隊を強化
  
2386 各地の「解放軍」、鎮圧される
  
2391 「汎地球条約機構」(PETO)発足
  
2399 地連、PETOに吸収される
第14回軌道サミット開催、
コクーンによりPETO承認
  
25世紀 
2402 コクーン・PETO、共同平和宣言
  
2405 「軌道・地球上安全保障条約」締結
  
2408 「安全保障条約」修正、
地上復興計画を開始
  
2421 地球復興の補助組織、
「辺境経済支援機構」(LEcSuS:
レクサス)発足
各地で物資不足に伴う市民補助
  
2429 コクーン、火星開発構想を発表
  
2434 レクサスの業務下請け組織、
いわゆる「運び屋」の推進
  
2488 コクーンの火星試験コロニーで
事故
コクーン内企業間での権力抗争
が表面化
  
26世紀 
2509 月面プラントを巡り、
コクーン一部企業間で武力衝突
  
2512 一部「運び屋」と結託した市民の
抵抗組織が決起
「カルカッタ動乱」
保障条約によりコクーン軍が
介在、動乱鎮圧される
  
2514 「運び屋」武装の前面禁止
「運び屋」に対する武装襲撃が
多発、各地で物資不足
  
2517 「運び屋」武装の一部認可
  
2518 コクーンにより、
火星のテラフォーミング開始
地球上の流通体制、
「運び屋」組織拡大で大幅に改善
レクサスによる地域復興の強化
「地球・企業平和共存時代」
  
2519 火星で「環境プラント」建設開始
火星で異性文明の遺跡が発見、
コクーン内企業間で争奪戦が
勃発、「ビッグ・ウォー」
  
2523 限定されたPETO軍再編成、
コクーンにより承認
  
  
現代へ・・・
 

登場人物

シャーリラ (26歳)
 PETO南アジア地区方面を担当する運び屋チーム「ノワール」のリーダー。
 耐熱戦闘ジャケットをまとっての単独ゲリラ戦を好む。
 現在のPETOにみられがちである、役人・官僚気質を毛嫌いしており、そう言った類の人間に対しては皮肉を惜しまない。
 その口の悪さには定評(?)があるが、実際には車両の整備をこよなく愛する、もの静かな女性である。

口癖:「うちの男ドモときたらまったく…」
 
ポール・シムノ (27歳)
 現在は海面下の旧カリフォルニア地方の運び屋だったが、些細(本人談)なトラブルから米国内で合計「49年」の営業停止処分に。その後、アジアに渡る。
 ホバーやビーグルでの戦闘が得意。
 意気上がるほどに冷静になるタイプだが、「ヌケ」てる所も。打算的な自分の性格を嫌ってもいる。
 意識的に偏屈者を気取っているものの、根っからのお人好し。

口癖:「まァたトラブルが来やがった………」
 
ピーター・ケイン (28歳)
 神経を鋼化した反コクーン戦闘機部隊「ナイトシェード」の生き残り。
 カルカッタ騒乱で玄之丞と知り合う。
 戦闘機以外の兵器も万能にこなす。
 本来は頭に血がのぼると結果を考えない、「口よりさきに手が出る」タイプだが、玄之丞を反面教師として(!)常に冷静であろうと努めている。
 彼の過去についてはコクーンのブラックリストにも一切記録がなく、意図的な破壊の形跡が見られるという。

口癖:「やれやれ……」
 
冴月玄之丞 (56歳)
 カルカッタ騒乱の首謀者だった息子夫婦の死をきっかけに、運び屋に身を転じた元企業兵。
 個人戦闘の他、戦闘車両の扱いに長けた豪快な人物。
 忠誠心から息子と和解せぬままに死別、後悔の日々を送る。
 カルカッタ騒乱以降、元企業兵の肩書きを下に多くの活動家をかくまう。
 ピーターと組んでは各地のPETOがらみの紛争解決に現れ、逆にトラブルを大きくしてしまう熱血老人である。

口癖:「まァ、よしとするか」
 
サイモン・クウ (42歳)
 企業と対立する小数国家を渡り歩いてきた元傭兵教官。
 情報機器に依存する兵器の扱いは苦手だが、戦闘車両・重火器の扱いでその実力を見せる熟練兵士。
 この時代に多い情報戦争の進化について行けなかった古いタイプの兵士。
 家庭とは縁のない生活を送ったためか、ジンを実の子供のように鍛え上げる。

口癖:「……………………」
 
朴 正仙 (25歳)
 PETOの政策方針の変更により解雇されるまで、レクサス通商団の通訳を勤めていた女性。
 外部増設モジュールを脳に接続できる。
 モジュールの交換により、オール・マイティな能力を発揮。
 また、脳内にメタ・チョムスキィ型言語中枢インプラントを持ち、多くの言語・応用語を操る才女。
 その能力はもっぱら「上品」な皮肉と、詐欺師顔負けの対人交渉に使われる。

口癖:「個人的には、おっしゃるとおりだと思います……」
 
ジン・ヌー (21歳)
 生活費欲しさに、サイモンのトレーラーを盗んで捕まり、なぜか運び屋の見習いとして彼に鍛え上げられた青年。
 単独での個人戦闘を好むお調子者。
 スラム街でスサんだ子供時代を送ったため、世の中をハスに構えて見る傾向があるが、根は人間好き。
 車両窃盗の常習犯だったため特殊車両の操作にも詳しい。

口癖:「やってらんネーな」
 
マダム・ルイーズ (45歳)
 亡き夫の事業を継いでPETO南アジア地区一体を駆け巡る航空武装キャラバンの女将。
 大型艦船の軽快な操作で知られる。
 昔はダンサーとして有名であったらしい…
 武装キャラバンのリーダーとダンサーだった彼女との電撃結婚は当時かなりの話題となった。
 自艦の壁に飾られた赤いハイヒールが当時を忍ばせる。

口癖:「ドンと任せな!」
 
キム・ラウシー (76歳)
 「運び屋」を組織化した大立者であり、レクサスとの交渉役をも勤める。
 体力の衰えから現役を引退。多くの運び屋の相談役となっていた。
 昨今の運び屋に対する武装襲撃の増加に一念発起。
 更に身体を強化して現役に復帰した豪胆な老人。
 現在では周囲の反対をよそに嬉々として愛機を駆る、自称「人類史上最高齢」の戦闘パイロットである。

口癖:「よきかな、よきかな」
 
ヤン・メイラン (29歳)
 ルイーズの下で運び屋の手伝いをする、高名な舞踏家にして元モデル。
 軌道国家議員とのスキャンダルのためにモデルを廃業した恋多き美女。
 企業重役や軌道議員にも多くのパトロンを持っていた女性である。
 戦闘機でのドッグファイトを最も得意とする。
 世界各地の古典芸能をマスターしていたと言われる、伝説の「ゲイシャ」となるべく修行中でもある。

口癖:「あらまァ……」
 
スチール・ハリス (16歳)
 政府や企業が個人情報を所有し利用する事に憤りを覚える、ハッカー哲学信奉者。
 企業の潜在能力発掘テストで優秀な成績をあげ、軌道に拾われた孤児であった。
 14歳で大学を卒業し情報工学の博士号をも持つ。
 しかしそれが逆にコンプレックスともなっている。
 企業からの勧誘を断って地球に潜伏、情報の破壊工作を専門とする。
 戦闘技術の呑み込みも早い。

口癖:「子供にやらせんなよ」
 
ヴィットーリオ (23歳)
 地球に住む人々に夢と希望と誇りを与えるべく、自ら「道化」を演じる決心をした夢想家
 投げナイフと楽器の名手でもある。他の能力は未知数。
 貧しい地方自治区に生れ、重税・搾取に疲れた多くの人々とともに育った。
 陽気な笑顔の下に、PETOやコクーンに対する激しい怒りを隠す。
 博愛主義者にして自称、「吟遊詩人」。

口癖:「わたくしめにお任せ下さい」
 
”ヘル”・ベイツ (36歳)
 コクーン諜報戦略室の特務工作部隊に所属する傭兵。
 ボルドとともに反コクーン活動家達から恐れられた破壊工作員である。
 自分が敵だと判断した者に対しては非常に冷酷な一面を見せる。
 その反面、尊敬すべき人物に対しては礼をつくし、決して軽んじることはない。
 虚弱体質で身体器官の多くを人工パーツと交換し強化している。

口癖:「よろしいでしょう」
 
カオ・ウェン(32歳)
 雲南省PETO自治区の古くから厳格な家柄に育ち、礼儀・忠節を重んじる好漢。
 PETO軍地上部隊の中でも人命優先の戦術をとることで有名な指揮官。
 末端を切り捨てる企業的な戦略を嫌い、上層部と対立したため昇進することができなかった。
 しかし本人はこう言った自分の不器用さを気に入っている。

 口癖:「…すみません…」
 
バーナード館長(54歳)
 かつては航宙パイロットを目指していたが、家業の問題から断念し現在に至る。
 宇宙事業の縮小を嘆き、家財一切を投げ売って、博物館を建設。自ら館長となった。
 軌道戦争の影響で地球の宇宙開発が停止したため、企業・地球双方に対して不満を隠せない。
 古き良き時代の宇宙開発競争時代に思いを馳せる好事家。

口癖:「面白そうですなァ」
 
ハンス・フォルツ (26歳)
 本来は技術職の人間であるが、人事の手違いから士官となってしまった。割と現在の地位を気に入っており、それなりの兵士となってしまった人物。
 見た目から受ける堅実さとは違って、面白いことであれば善悪の区別なくのめり込む享楽家である。
 その反面、のめり込んだら命がけと言う信念をも合わせ持つ。

口癖:「人生山あり谷あり!」
 
グレッグストーン (47歳)
 講義よりフィールドを愛する典型的な学者である。
 研究予算獲得のためコクーンの火星調査隊に身を投じるが、成果を公表できないジレンマに悩む。
 同僚のカーロフ博士が発表した仮説、「火星先住民族仮説」に興味を抱き、共同研究を行っていた。
 コクーンへの協力は火星に行く手段でしかなかったらしい。

口癖:「ふんッ、くだらん!」
 
ニナ・ハーベイ (25歳)
 軌道企業重役の娘として生まれ、士官学校を主席で卒業したエリート企業兵。
 最新鋭兵器に関するエキスパートで航宙兵器の操作にも優れる。
 家柄と周囲の期待に耐えきれず、社交界デビューを前に家を飛び出し企業軍に入隊してしまった。
 理論より実戦を旨とするミンガを尊敬している。

口癖:「当然のことです…」
 
ウェッジ・サムス (19歳)
 月面機動艦隊所属の企業軍海兵隊員。
 最前線に送り込まれ、入隊した事を激しく後悔している新兵。
 学習意欲が盛んで、幾多の戦闘を経て優秀な兵士へと育つ。
 軌道の中流家庭に生まれる。ノットボールの選手を目指していたが、試合中に腰を傷めてプロへの夢を断念。
 安定した給与に惹かれて軍に入隊した。

口癖:「何とかなるでしょう」
 
ミンガ (32歳)
 「ビッグ・ウォー」において、部下を守るために小火器のみで、装甲ドローンと戦い、その際に左腕を失う。
 部下からの信任厚い、単独戦闘・操艦能力に長けた女傑。
 女性であることに劣等感を感じており、常に強化義手を装着、自らの力を誇示する。
 徹底して力に執着、「力なくして正義なし」を信条とするが権力には無関心。
コクーン正規軍では有名な、「姉御肌」の士官である。

口癖:「なめンじゃないよッ」
 
DR カーロフ (48歳)
 火星の地質・地理に詳しい学究肌の考古学者。
 異端学説を唱えて大学を追放。その後、自説の証明のために自費で火星に渡航し調査を行っていた。
 自説に確信を抱き、単身火星に潜入した「火星先住民族仮説」の提唱者である。
 現在は研究成果をコクーンに没収され、軟禁されている。
 見かけ以上にタフで非常に頑固な老人である。

口癖:「最近の若いモンは…」

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