我が家の歴代双眼鏡
反省のない双眼鏡遍歴からあえて教訓を引き出す
はまって5年、大きい物から小さい物までいろいろ揃えてきましたが、今は手放してしまった双眼鏡も数多くあります。
今思うと、買ったことが恥ずかしくなるような双眼鏡もあれば、手放してしまったことが悔やまれるものもあります。
いずれにしても、ずいぶん回り道をしてきた物です。
オリンパス 8X40 DPS
推定スペック |
実視野:8.2度 アイレリーフ:短い 重さ:500g程度 |
自分で自分に就職祝いのような気持ちで買った双眼鏡です。
双眼鏡のイロハもわからず、ブランド名と口径の大きさだけで選んでしまいました。
当時、ニコン「クリモ8X40」が2万円程度したのに、こちらは7千円程度でした。
何で同じ倍率・口径なのに値段が倍以上違うのかが分からず、「ニコンは高い」と思ったものです。
今思えばいくらでも悪口が出てきてしまいますが、当初は「一流の双眼鏡は良く見える」と喜んでいました。
4年使っていたのですが、昼間に使っているだけなら さほど粗が気にならなかったように思います、夜に使えば確実に落第でしょうけど。
レンズ面だけの単層コート、BK7プリズム、周辺視野は使えない広視界接眼、本当に短いアイポイントと、必然的に性能の出ない要素が集まっているのですから、今なら3倍の値段を出してもニコンを買うでしょう。
「オリンパス」のブランドイメージは非常に高いのですが、こと双眼鏡に関しては技術力の欠片も感じ取れません。
言いたい放題の雑言を並べてきたのですが、本当の意味で悪い双眼鏡では決してないのです。
適度な倍率で無理が無く、4年間使ってきても不具合が出ない頑丈さは、実用品としてのレベルを確保しえる証拠ででしょう。
この双眼鏡の影響で「双眼鏡」の面白さに気がついたのですから、入門用双眼鏡としては悪くない結果です。
初めての双眼鏡に2万円を払うなんて当時の筆者には出来なかったのですし、どんな性能が必要なのか考えるきっかけにもなりました。
逆を言えば、この双眼鏡が無ければ 今のようなザマにはならなかったのですから、疫病神といえないこともありません。
この双眼鏡の教訓
ブランドよりもモノの中身
広視界もほどほどに
低い倍率は七難隠す
一二三光学 7X50 BIF
推定スペック |
実視野:7.1度 アイレリーフ:ほどほどに長い 重さ:1Kg程度 |
オリンパスに変わる星見双眼鏡として買った物です。
まだ完全に双眼鏡にのめりこんでいなかったので高価な品物は手が出せず、ネット上でアウトレット品を購入しました。
届いた荷物を開けてみて、防水7X50双眼鏡がこんなに重いとはじめて知りました。
オリンパスを使っていた頃から、この手の本格双眼鏡?にあこがれていたんですけど、実物を持ったのは なにぶん初めてだったので、戸惑ってしまいました。
見えはちゃんと仕上げられている分 オリンパスより数段上で、双眼鏡でも夜の景色が明るく見えるという意味を実感できました。
オリンパスよりコントラストがしっかりしていましたし、口径の大きさも手伝って星空散策も楽しくなってしまいます。
重さもやがては慣れてきて、IF方式もすばやく飛び回る鳥以外はどうにか使いこなせるようになりました。
「安くてもこんなに見える双眼鏡がある」と思い込み、双眼鏡の資料を集めるようになったのもこの頃からです。
結局、同型機を2台続けて手に入れましたが、一台は父親へ、もう一台はオークションで処分してしまいました。
一台の双眼鏡で全てを間に合わせようと思うと、この双眼鏡では重すぎたのです。
今なら複数の双眼鏡を所有できますから手元に置いておきたいと思うのですが、昔はそんな余裕がありませんでした。
7x50の話が出るにつけ、手放したことが後悔される双眼鏡です。高級品ではないんですけど。
この双眼鏡の教訓
7X50防水双眼鏡はとにかく重い
IF方式も慣れればOK
重い双眼鏡は出番が少ない
一二三光学 7X50 ZCF
推定スペック |
実視野:7.2度 アイレリーフ:20mm 重さ:700g程度 |
上の防水双眼鏡に懲りて、軽い双眼鏡も買ってしまいました。
当時、双眼鏡にはまり始めていましたが、何万円も出すのはバカらしいと考えていましたから、またしてもアウトレット品に手を出しました。
こちらはアイポイントも長く、50mmとしては軽いので、鳥見からキャンプまで重宝した双眼鏡です。
悪くない双眼鏡だと思っていたのですが、この双眼鏡を手に入れるのと前後して鎌倉光機の7X50を買ってしまったため、使用頻度は少ないままになってしまいました。
見えは、もちろん真面目に作られていてオリンパスより格段によいのですが、全面マルチコートの7X50と比べてしまうと切れが悪く、ハロやフレアがうるさい印象です。
昼間使う分には問題が無いので しばらく妻用の双眼鏡としていたのですが、双眼鏡を欲しがっていた友人に一回の飲み代と引き換えに譲ってしまいました。
といいつつ、時々借り受けては実験のネタにしているんですが・・・
この双眼鏡の教訓
軽い双眼鏡は何にも勝る
コーティングはとっても大事
暗所での性能は瞳径だけでは決まらない
ニコン 10X25 スポーツスターII
公表スペック |
実視野:5.0度 アイレリーフ:10.1mm 重さ:310g |
小型双眼鏡が欲しくなってはじめて購入した品です。
店頭で、オリンパスとキャノンの同級品とじっくり比べて購入しただけあって、当初は「これがニコンか!」と素直に感動しておりました。
今もっているタンクローと比べてもキレ・ヌケとも段違いに優秀でした。
大きさ・重さとも文句無しの双眼鏡だったのですが、結局は手放してしまいました。
というのも、この双眼鏡はアイレリーフが短く、眼鏡をかけたままでは視野がかなり損なわれてしまうのです。
お散歩用の双眼鏡ですから、いちいち眼鏡を掛けたり外したりするのは面倒で、出番はタンクローに取って代わられてしまいました。
今は実家の家族が使っているのですが、帰ったときに見てみると、今でも性能面は悪くないのにと思わせる品です。
何をもう一つ挙げるとすれば、月のような明るい対象ではくっきりとゴーストが出てしまうことでしょうか。
昼間使う分では気にならないのですが。
この双眼鏡の教訓
光学性能よりも使い勝手
眼鏡人間にはハイアイ双眼鏡が必要不可欠
中国製でも、自社製でなくても、さすがはニコン
ケンコー SG 8X22 DH
公表スペック |
実視野:7.2度 アイレリーフ:非公開(かなり短い) 重さ:220g |
ホームセンターで安売りされている双眼鏡は どれほど見えるのか、という不純な動機から購入した双眼鏡です。
期待を裏切らず、最初の品は左右の視度調整が不良で新品交換、2台目もニコンはもちろんタンクローとも比べ物にならない駄作でした。
何が駄目かって、フレアやゴーストは雨あられな上に、目幅調整やピントリングはガチガチに動きが渋い。
そのくせ、視度調整は軽く触っただけでも動くくらいにユルユル。
2980円でしっかりした物が売られいたら、カメラブランドは商売上がったりですからこれでいいのでしょう。
見えを云々する品ではなく、とりあえず大きく見えればいいと割り切られている?
もっとも、タンクローの処分品なんかは5千円を切っていたりしますから、存在価値が疑われます。
外面の見栄えだけはタンクローよりいいんですけど。
実験が終わったあとは 速攻で処分してしまいました。
この双眼鏡の教訓
安物買いの銭失い
ペンタックス タンクローミニ 10X21
公表スペック |
実視野:5.0度 アイレリーフ:9.2mm 重さ:195g |
上に挙げたニコンの小型ダハ双眼鏡と比較する目的で購入した双眼鏡です。
大きさでは全く遜色ないのですが、立体的な容積で不利な印象です。
使ってみると、プリズム形式の差というよりはメーカーごとの味付けの違いが大きく、ここまで差があるとは驚かされた記憶があります。
もとから小型双眼鏡を使う機会が多くない上に、アイレリーフも短く使い勝手もいまいちなので、もう一回り大きな普通のタンクローに取って代わられてしまいました。
小さな双眼鏡って魅力的に思えるのですが、高性能な中型双眼鏡に慣れてしまうと、見え味にばかりうるさくなってしまって、小型双眼鏡を欲しいと思わなくなってしまいました。
結局、買ってから本格的には使う機会がなく ホームページのネタにしただけで手放してしまいました。
今思えばもったいない買い物だったのですが、双眼鏡の味が少し分かるきっかけになったように思います。
この双眼鏡の教訓
小ささよりも使い勝手
形式の違いよりもメーカーの違い
小型双眼鏡選びは中型双眼鏡よりも難しい
バンガード 8X21 WA−8210
公表スペック |
実視野:7.2度 アイレリーフ:非公開(かなり短い) 重さ:(200g程度) |
「IRコート」なる物を試す目的だけで買ってしまった双眼鏡です。
使えないことは前々から分かっていましたから、我が家歴代最安値の双眼鏡でもあります。
視野の着色を除けばケンコーよりも良く見えるのですが、所詮は個体差の領域でしょう。
例のコーティングは、もちろん最悪で、普通に使う気にはならない代物です。
こんな物を人に渡すのは犯罪的なので、未だに我が家のガラクタ箱に眠っています。
この双眼鏡が いかにヒドいかはこちらを。
この双眼鏡の教訓
赤目双眼鏡は買ってはいけない