今、我が家で働いている双眼鏡です。
今の私の使い方だと中型双眼鏡と小型双眼鏡の2台で間に合うんですが、悪い癖で色々な双眼鏡を集めてしまいます。
双眼鏡ごとに対象の表現が様々で、同じ風景を覗くのでも7X50とタンクローでは雰囲気が違います。
防水双眼鏡を持ち歩いていると、軽ハイキングでも気分はレンジャーになっていたりします。
逆に、いつもの休憩時間でも「タンクロー」一つで、鳥や草木を観察する気になるのも魅力です。
筑波のように人工的とはいえ緑の多い土地では、双眼鏡一つで深く自然と触れ合えます。
そして双眼鏡を代えることで街の違った表情を捕らえられるのも魅力でしょう。
普通の家にはあまり無い物を色々持っていると不思議がられるんですが やめられませんね。
鎌倉光機 7X50「完全防水双眼鏡」(説明書のまま)
公表スペック |
実視野:7度 アイレリーフ:18mm 重さ:1100g マゼンダコーティング(←?) |
2000年のJTBショーで即売されていたものです。
本当は30〜40mmの双眼鏡を探していたのですが、レティクル・コンパス付きの双眼鏡が珍しかったので惹かれた機体です。
迷っていたところに 担当者が「タ●●のオ●●ョ●と中身は同じ」(筆者配慮により伏字)なんて言っていたので 真に受けて買ってしまいました。
ところが、タ●●のオ●●ョ●はコンパスが右鏡筒に埋め込まれているのに、これは左鏡筒への埋め込み。
さらに、この双眼鏡はマルチコートされているのに、本家オ●●ョ●ではマルチコート+コンパスの製品が無い。
説明書も結構怪しい代物で、入ってきた製品は接眼・対物の両レンズとも最外面はマルチコートなのに 説明書には「マゼンダコーティング」となっていたりします。
「目に付かない所はシングルコートだよ」という親切な表記なのでしょうか。
怪しいところだらけの双眼鏡なのですが、確かに視野やアイレリーフなどの性能諸元はオ●●ョ●と同じです。
OEM元の社員が大嘘をついていないと考えたいのですが。
実際にフィールドで使ってみると、見栄味も本家ルビーコートのオ●●ョ●よりコントラスト・明るさとも数段上手。
どこまでマルチコートされているのかは疑わしいのですが、それまで使ってきた全面シングルコート7X50よりは明るいようです。
これまでの品では読めない夜間の標識も、この双眼鏡では判読が可能だったりします。
天の川の見え方も差があります。
定評のある標準的海事用7X50(ニコン7X50トロピカル・フジノンMTRC−SX)と比べるとコントラスト・周辺視野で明らかに劣るのですが、値段が値段なだけに むしろ立派な内容といえるでしょう。
実視野が7度と7X50としては標準的ですが、レリーフが18mmと十分に長く眼鏡の私には使いやすい点も気に入っています。
そして何より レティクルは一度使ってしまうと、あまりに便利で手放せなくなります。
詳しくはこちらを御参照ください。
こういう目盛りが視野に入っていると、実用はともかく気分だけは本格派アウトドアマンになれそうです。
相対性能はともかく、安価で非常に満足度の高い製品なのですが、欠点もあります。
最も気になっているのは、コンパスが内蔵されている関係で下方の視野が切られる点。
普段はあまり気にならないのですが、飛んでいる鳥を追いかけている時などに視野に入ってくると邪魔になってしまいます。
また、コンパスが本体上部に突出していることも、若干ですが携帯性を損なっています。
今では小型で高性能な双眼鏡が増えてきたので出番は減ってますが、ここ一発では頼りになる双眼鏡です。
流石にその辺のお散歩では持ち出しませんが、キャンプや雨天時といった悪天候下はもちろん、旅行やドライブのお供にも楽しめる一台です。
視界・倍率では劣るものの、夜間の解像力や明るさは「さすが50mm」と思わせるものです。
重さやIF方式のピント合わせなど確かに不便な点はありますが、大口径のへヴィーデューティー双眼鏡は一度使うと便利なもので手放せなくなります。
出所不明の怪しい品で 人に自慢できる種類の双眼鏡ではありませんが、実用上不便はありません。
キャンプ・山歩き用の双眼鏡として、この先も私の防湿庫に収まっていることでしょう。
ビクセン(?) 7X50 Z type
公表スペック |
実視界:7.3度 アイレリーフ:20mm 重さ:680g 全面マゼンダコート BAK4プリズム |
これは鎌倉光機7X50の前の主力双眼鏡です。
「ビクセン(?)」としたのは、ある双眼鏡工場からアウトレットとして購入した品だからです。
うちに来たときには「VIXEN」ロゴの上に別な名前のシールが張られていました。
長期在庫品として放出されたからには当然なのですが、クラシカルな外観で今のラバーコート双眼鏡とは一線を隔しています。
どのくらいの「長期在庫」だったのかと思って調べてみたら、売られていたのはハレー彗星の頃というのですから15年ほど眠っていたのでしょう。
きっと、彗星ブームで双眼鏡がいっぱい作られた時期なんでしょうね。
ビクセン「アスコット」シリーズの3代前の祖先にあたるというので、歴史を感じさせます。
で 肝心の性能はというと、そう悪くありません。
古くなったとはいえ真面目に設計され、考えられた作りになっています。
明るいうちならコントラスト・解像力とも問題を感じない内容です。
在庫品でも整備されて出荷され、全く新品と代わりがありません。
購入価格(約6000円)を考えれば、コストパフォーマンスに優れた良い双眼鏡といえるでしょう。
巷で売られている6000円の中型双眼鏡なんて見られたものではないんですから。
スペックは全面マゼンダコート・BAK4プリズム使用と一昔前の標準機の内容です。
視野は実視野で7.3度と一般的ですが、アイレリーフは20mmと使いやすくなっています。
新しい7X50を買ったのに手放せないでいるのは、何よりその軽さのためです。
防水7X50と違って気軽に持ち歩いても負担にならないのが魅力的で、重さが気になる時に使っていました。
流石に、暗いときはマルチコートの鎌倉光機7X50と差が大きいので星見での出番はもうほとんどありませんが、バードウォッチングでは最近まで活躍していました。
最近はもっと軽量な中型双眼鏡がやってきたため、妻用の双眼鏡として余生を送っています。
ビクセン アルティマ 10X44 ED
公表スペック |
実視野:5.7度 アイレリーフ:18mm 重さ:700g PFMコート EDレンズ使用 |
キャノンISとほぼ同時にオークションで入手した双眼鏡です。
普段は不要双眼鏡をYAHOO!オークションで売ることが多いのですが、今回は買い手に回りました。
40mmの双眼鏡は、5年ぶりなのとEDレンズというのに惹かれてしまいました。
天体望遠鏡に比べて小口径・低倍率な双眼鏡の世界で 本当にEDレンズが効果があるのか非常に疑問に思っていました。
まだ到着して間もない双眼鏡なので多くを記すことは出来ませんが、また後日「双眼鏡研究室」で取り上げたい双眼鏡です。
ビクセン「アルティマ」シリーズ全体に言えるのですが、口径の割にプリズム等が小さめに設計されており持ち歩くのには良さそうです。
実際に使ってみると見え味は確かにシャープで、念入りなコートのせいか明るさでも鎌倉光機7X50と遜色ありません。
むしろ、月の縁での滲みや街灯のフレアなどはほぼ抑えられていて、コントラストも満足の行くものです。
昼間はキャノン10X30ISが圧倒的な性能で他を寄せ付けませんから、出番はどうしても夜になってしまいます。
確かに、星見では上の7X50よりも星々がすっきり見え しかも軽いので便利です。
それでも7X50に取って代われないのは ここ一発の解像力・識別能力で劣り、高めの倍率ゆえ手ブレで像が乱される点が使いにくく思われます。
細かくは、視度調節リングが軽すぎ簡単に動いてしまい、暗い中では元の位置に戻せなくなってしまうのも気になります。
性能的には文句なしなのですが、10倍の倍率が好みに合わず出番は少なめです。
三脚が使えるシチュエーションだといいのでしょうが、それなら重い7X50でも良い訳でどっちつかずになってしまっています。
贅沢な悩みなのですが、この双眼鏡を使いこなす機会をうかがっているところです。
キャノン 10X30IS
本体は別な所で稼動中
とりあえず空き箱だけ
公表スペック |
実視界:6度 アイレリーフ:14.5mm 重さ:600g 防振補償:±1度 単3電池2本使用 全面スペクトラコート |
手軽なバードウォッチング用にと購入した双眼鏡です。
キャノンISシリーズとしては最軽量機でもっとも安価な双眼鏡です。
安いお店では4万円台半ばで売られていることもあり、次の12X26の半額以下という安さです。
口径が小さいことと倍率が低いことから同シリーズでは不人気機種の位置に甘んじていますし、不人気だからこそこの値段でこのような双眼鏡が手に入るのでしょう。
しかし、これでも内容を見ると超一流の双眼鏡であることは自信を持って断言できます。
30mmクラスの中型双眼鏡で名品といわれる品、たとえばニコン・エスパシオやフジノンFMTR−SXと比べると利点は明らかです。
防振でありながら重さは同等、防振なしの視野品質でもエスパシオに劣りませんし、視野諸元も優秀です。
実際に使ってみるとこの双眼鏡の素晴らしさはたちまち実感できます。
10倍という比較的低い倍率で防振機能が必要かはよく問題にされるのですが、一度でも使ってみると小型の10倍双眼鏡でも手ぶれの影響が無視できないことが理解できると思います。
スイッチを入れると短いプリズムの震えのあとに、空気のチリの流れや川から立ち上る水蒸気まで見えてきます。
ここまでくると、この防振双眼鏡としては最安価機でも、異次元の物見機械としか思えません。
そんな訳で、いまでは古顔双眼鏡を押しのけて 昼間の主力双眼鏡となっています。
気軽に使えて、疲れにくいのが気に入っています。
理想をいえば、目当てにスライド式を採用して欲しいのと、あと0.5度くらい補償範囲を広げえ欲しいことくらいでしょうか。
現況では視野の揺り返しなどはないのですが、大きめな手ブレは全部拾ってしまいます。
まだ買って間もない双眼鏡なので星見には使っていませんが、小口径のデメリットがどれほどなのかが気になるところです。
今は単3リチウム電池で作動させていますが、いわれてるほど消費電力は多くなさそうです。
筆者訂正
始めのうちは、電池を食わないと思っていたのですが、とんでもない勘違いでした。
リチウム電池は4日と持たず天に召されてしまいました。
本気で使うとあっという間に単三電池2本が涅槃になってしまいます。
アルカリ電池では1日持たないこともあります。
ぶらぶらと鳥見をしていると、午後になってプリズムの動きがおかしくなってきます。
細かい手ブレを拾うようになり、双眼鏡を動かしたときの視野の揺り返しが目立ってきます。
更に使いつづけると防振プリズムが勝手に震え、視野が小刻みにゆれだします。
この時点でも作動ランプは点き続けていますが、本来の性能を失ってくるようです。
カタログ上は常温で4時間となっていますが、実感としては通算2時間くらいから動きの悪さが出てくるように思います。
この見え味を知ってしまうと電池の減りは許せてしまうのですが、アウトドアでは廃電池の処理が問題になりそうです。
ペンタックス タンクローV 8X24
公表スペック |
実視界:6.2度 アイレリーフ:15mm 重さ:270g マルチコート・非球面レンズ使用 |
ニコンのポケットダハ双眼鏡と比較する目的で、旧型処分品をワゴンセールで購入した品です。
ホームページのネタにしたらオークションで売り払うつもりだったのですが、結構な出来のよさで手放せなくなりました。
実視野6.2度(見かけ視野50度)というスペックですから視野の狭さを感じますが、眼鏡を離せない筆者としてはハイアイポイントなのが非常に助かります
眼鏡をかけていない妻と共用しても スライド式の目当ては煩わしさを全く感じません。
ダハ双眼鏡と比べると本体の大きさは気にならないではないのですが、厚さのあるバッグになら入れられるので出張や遠出では必ず持ち運ぶようになりました。
10X30ISを持ち歩くには大げさすぎるときは、こいつを鞄に入れておくのです。
ちょっとした時間に鳥や木々を眺めていると、身近な異世界を実感できるので手放せません。
ニコン「スポーツスターU」と比べると、明るさ・コントラストで若干劣るものの色の再現性や辺縁視野では勝る印象があります。
山々の緑など自然の風景は「タンクロー」のほうが実物感に優れ気に入っています。
種々の双眼鏡ガイドでは「入門用双眼鏡」や「初めての双眼鏡」というと 必ずタンクローシリーズの名前が挙がりますが、筆者も自信を持ってお勧めしたい双眼鏡の1台です。
このような品がこの値段で売られているのは嬉しい限りです。
もちろん世の中にはタンクローより優れたポケット双眼鏡が存在しますが、初心者が約10倍の金額を払う価値があるのかは疑問なところです。
ニコン スポーツスターU 10X25
公表スペック |
実視界:5.0度 アイレリーフ:11.0mm 重さ:310g マルチコート・非球面レンズ使用 |
私が自前ではじめて買った小型双眼鏡です。
それまでは巨砲主義で40mm級双眼鏡しか興味が無かったのですが、いつでも持ち歩ける双眼鏡が欲しくなってしまいました。
店頭でC社・O社の競合製品と比べて、ニコンの高いコントラストに魅了されて購入しました。
しばらくお散歩や出張などに持ち歩いていたのですが、アイレリーフが11mmと短いのが災いして使いにくく感じるようになってしまいました。
眼鏡をしたままでは 見口のゴムを折り返しても外周1/3が見渡せないのです。
加えて、内部反射の処理が悪いのか 月や明るい夜景を見るとくっきりとゴーストが出てしまいます。
ダハ型のコンパクトさは捨てがたいのですが、これらの欠点が気になり タンクローを購入したのを境に出番がなくなってしまいました。
タンクローと比べるとコントラストの高さは際立っていて、ビルの辺縁や空に浮かんだ電線など今でも見栄味は悪くないと思っています。
看板の赤や遠くの白い車など、人工的な景色に合っているような印象がありました。
現在、防湿庫で里親待ちの状態です。