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SAMURAI SPIRITS
1993 SNK |
「ストII」や「餓狼伝説」が登場し、格闘ゲームのブームが訪れようとしていた90年代中期、「素手で殴り合う」(妙な必殺技はあるものの)のが基本だった格闘ゲームに「刀で斬り合う」という新風を巻き起こしたのが本作です。江戸時代初期の日本(とその周辺)を舞台に、粋な侍たちが真剣勝負を繰り広げます。
武器が刀だけに一撃の威力は凄まじく、特に「怒り」状態(ダメージを受ける事で上昇するゲージMAX状態)での大斬りは一気に試合の流れを変えてしまう程です。
一瞬の隙が死を招く、気持ちいい緊張感いっぱいの「サムスピ」は、センスある演出で上手に構築された世界観も話題になりました。
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発売当時、ものすごい衝撃を与えた |
・超イカス演出!世界観!
忍者や侍、歌舞伎役者、女騎士、中国の武将など、それまでの格闘ゲームではおおよそ考えられない個性的なキャラクターが活躍する作品という事で、その演出もとても面白いものになっています。特に面白いと思ったのは…
「黒子が勝負を仕切っている」
試合の仕切りは黒子が勤めます。血生臭い真剣勝負をどこか滑稽にしているのがこの黒子です。「いざ尋常に!」「1本目!勝負!」「勝負あり!」「お見事!」などのセリフは「サムスピ」ならではと言えます。攻撃が決まった時に赤旗・白旗を振るのも面白いです。他にも黒子(たち)は、死体を運んだり、愚痴をこぼしたりします。
「飛脚が物を運んで(投げて)くる」
試合中に時折飛脚が画面を横切ります。その際体力回復の「肉」や爆発でダメージを受ける「爆弾」、得点になる「小判」などを投げてきます。目的は不明。
「鍔迫り合いがある」
両者の振った刀がぶつかりあうと「鍔迫り合い」が起こります。まぁ、つまりは連射勝負なのですが(負けたら武器を落としてしまう)、今までにない斬新な演出に気分が盛り上がる事間違いなしです。
「死に様がすごい」
真剣の勝負だけに、敗者には(ほぼ)確実に死が訪れます。血しぶきをあげたり、体が真っ二つになったりと、すさまじい死に様がみられました。倫理云々抜きにして、ゲームとしては気持ちのいい演出でした。
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凄まじい威力の「大斬り」 |
・BGM
刀のぶつかる「カキィ〜ン!」という音がリアルで、某時代劇から効果音を取ったという噂まで流れました(真偽は不明)。また舞台が舞台なだけに、BGMも非常に斬新でした。三味線や和太鼓などの和楽器を本格的に取り入れ、静と動を絶妙に表現していました。特に印象的だったのは、橘右京ステージでの「いよぉぉ〜〜〜っ!よぉっ!」という、なんていうんでしょ、掛け声みたいなやつ。とか、幻庵ステージのお経みたいなやつとか。かなり感動しました。当時SNKはBGMの使い方が非常にうまかったですね。曲としてだけじゃなくて、演出としてうまく使っていました。自然音などの効果音すらBGMになっていたのは圧巻!
・生と死と
服部半蔵や柳生十兵衛などの実名キャラもいい味出してました。独特の世界観と個性的なキャラクターは、末代まで語り継がれると思います。
シリーズの人気キャラクターであるアイヌの巫女「ナコルル」はゲームの世界を飛び出して、東京都三鷹市の「'94水道週間」や「'94国民年金」、また「京都遷都1200年記念緑化フェア」などのPRとしてポスター等に登場し話題になりました。
格闘ゲームのバランスとしては大味な部分も目立ちますが、生と死の緊張感、静と動の空気感を格闘ゲームに取り込んだ本作は、日本人なら誰もがグッときてしまう世界観をうまく表現した傑作です。
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