小泉総理を信用できない人に対応するためのFAQ
はじめに
小泉総理は完璧な総理ではありません。
問題が全くないというわけではないと思います。
しかし、根拠のない、あるいは間違った事実に基づいて小泉総理を叩き、貶めるような言動には全く賛同できません。
最近マスコミを始めとしてそういった傾向が強まっていると感じているため、このFAQを作りました。
このFAQをできるだけ完全なものに近づけるためにも突っ込み、指摘は大歓迎です。
Q:小泉(政府)は正常化のために拉致問題を幕引きにしたがっている
A:違います。
正常化には拉致問題とは別に核問題の解決が必要で、これをないがしろにして正常化すると、立場上テロリストの手に渡る可能性がある北朝鮮の核の存在を許すわけにはいかないアメリカを敵に回すことになりかねず、またそれを覚悟して正常化するにはあまりにも得るものが少ないため、核問題がある限りは、たとえ小泉総理や政府が拉致問題をどう思っていようとも、正常化に本気で動き出すことはまずないと見ていいと思います。
万が一北朝鮮が核放棄を呑んでアメリカから支援を得ようとしても日本と韓国の拉致問題も解決しなければ、人道支援以外の支援をすることができない「北朝鮮人権法案」が下院を通過しています。
また日韓首脳会談の記者会見での「1年以内に正常化」といったようなマスコミ報道は明らかなミスリードです。
小泉発言(原文)
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2004/07/21press.html
拉致問題、核問題、ミサイル問題を総合的、包括的に解決された際に、正常化がなされるということである。
私の任期はあと2年ほどであるが、その間に、日朝平壌宣言が誠実に履行されれば、正常化がなされる。
これが誠実に履行されれば2年にこだわらない。1年もあり得る。私は期間にはこだわらない。
誠実な履行がなければ1年経っても2年経っても、3年経ってもない。
望ましいことは、できるだけ早く日朝平壌宣言を誠実に履行することである。時期にはこだわらない。
Q:小泉は日中国交正常化のように日朝国交正常化をして歴史に残る人物になろうとしている
A:違います。
私(文章作成者)はその当時まだ生まれていませんので日中国交正常化の世論(時代の空気)がどうだったのかはわからないのですが、
参議院会議録情報 第067回国会 本会議 第4号
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/067/0010/06710210010004c.html
今日ほど内外に中国の国際社会への復帰を求める機運が高まったことも、かつてないようであります。
<中略>
しかるに、わが国における日中国交回復についての世論は、残念ながらいまやまさに四分五裂の状態であります。
第068回国会 本会議 第12号
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/068/0010/06804280010012c.html
今日、中華人民共和国の存在を無視してアジアの平和はあり得ないのは周知の事実であり、
かつ、日中の国交回復はわが国の世論とさえなっているのであります。
以上のように、次第に日中国交正常化を世論は歓迎していったようです。
また、当時の中国は核兵器所有を明確にしておらず、日中国交正常化当時の日中間には「核問題」も「拉致問題」もありませんでした。
今の日朝国交正常化とは状況が違います。
世論のほとんどが望んでいない核問題あるいは拉致問題を無視しての国交正常化を強行すれば、むしろ悪い意味で歴史に残ることは間違いないでしょう。
そうした「任期2年を残しての名誉欲」があったとしても、日朝国交正常化強行は賞賛されないわけで、「歴史に名を残そうとする=名誉欲を満たす」という推測は当てはまりません。
A:経済制裁というのは1国だけでは成り立ちません。
日本と北朝鮮に国交がある周辺の第3国を経由すればなんとでもなるからです。
また日本の経済制裁によって陸続きで難民の問題を抱えてしまうことになる北朝鮮の突然の崩壊を恐れる中国・韓国が支援に回ってしまえば意味がなくなってしまいます。
下手をすれば金正日が交渉のテーブルからおりて拉致問題の進展が全く望めなくなり、しかし北朝鮮には何の効果もない、という最悪の結果になりかねない経済制裁を軽々しく行うわけにはいきません。
また本来の目的は違うのですが、事実上の北朝鮮への経済制裁法案が成立し、来年3月の施行を待っている状態です。
一般船舶油濁賠償保障法
http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=view&bbsid=3842&mid=6307
福山哲郎議員(民主党新緑風会)の一般船舶油濁賠償保障法に対する質問(映像、参議院予算委員会)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/159/0014/15903090014006a.html
Q:小泉はなぜ北朝鮮と仲良くしようと言うのか?
金正日を誉めたり、総連の会合にコメントを送ったのはなんで?
A:リップサービス以外の何物でもありません。
日長首脳会談で「敵対関係から友好関係へ」と言ったように、現状では敵なのだ。
しかし、交渉によって利を得ようとしている以上悪し様に罵ることができるわけがない。
特に、金氏にとって自分の国内での権威は非常に重要だと思われる。
それがなくなれば国内の反発を抑えられなくなるからだ。列車事故とか。
つまり、金氏を立てること自体が「カード」なのだという見方もできる。
先の90分首脳会談も、そういう場だったのだと考えれば意味は通る。
リップサービスで何か失うものがあるのか? 全くない。
リップサービスは、コストを一切かけずに敵を揺さぶる効果的な手段。
北が恫喝的な声明を発表するのと、目的は180度逆でも性質的にはよく似ている。
Q:「敵対関係から友好関係へ」がそもそもの間違い。
犯罪国家と友達になる小泉は論理的に売国奴となる。このリップサービスは売国奴の証拠。犯罪国家には、【攻撃・制裁・嫌がらせ】をして北朝鮮を滅ぼすべき。
A:日本は憲法上及び装備の制約があり、軍事オプションは取れません。
A:問題は拉致問題だけではないからです。
286 名前:無党派さん[sage] 投稿日:04/08/05(木) 19:15 ID:uMyrGPy5
拉致被害者と救う会は良くも悪くも拉致問題だけしか見てないからね。
家族も高齢になってきてるし、一日でも早くっていうのは誰でも思う。
自分も9.17以降微量なれど救う会や家族会に協力したりしてきたから感情的にはものすごく解るんだけど。
でも一国の首相として、単に拉致問題だけで動けないんだよね。
北とは日朝2国間だけでなく、米中露韓という周辺国の思惑も考えに入れなきゃならない。
拉致問題だけでなく核問題もあるし、北朝鮮という国そのものをこれからどうするのかという国家間の綱引きもある。
そういう情勢があって、単に日本が北に圧力をかけて追い詰めればなんとかなるっていう考え方では物事が進まない。というより、正直北を潰すのは簡単だが、そのあとの始末を誰がどう取るのか。そういうことがまったく決まってない状況だし。
北を潰しました。拉致被害者奪還しました。マンセー。で終わればいいが、中国や韓国ロシアに難民が大流動して「なんてことしてくれるんだ!責任取れ!」とか言われた場合どうするのか。
また、北の崩壊で、混乱の中で核やミサイル技術者がテログループに身売りしてテログループに核や大量破壊兵器技術が流出する可能性もある。
アメリカにとってはそういうリスクより現状のように包囲して閉じ込めておく方がまだマシだというのもあると思う。
そういう状況の中で日本だけ勝手に動けないって言うのもあると思う。
そういうもろもろのしがらみの中で、総理は北に圧力をかけないから売国奴だ!というのは短絡的に過ぎないのかと。
このFAQはコピペ、印刷推奨です。
このFAQについての問い合わせは、http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/news/1733/1091181947/
まで。