平成18年 管理業務主任者 試験問題 及び 解説
ページ1(問1より問25まで)
※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。
*試験に臨んで、お節介なアドバイス
1.設問にあわせて、問題用紙に ○(まる)、X(ばつ)をつける。
殆どの設問が、「正しい」か「間違い」かを訊いてきますので、設問により、問題の頭に、○かXをつけます。
そして、各選択肢を読み、○かXをつけます。
問題の○なりXと、選択肢の○かXが一致したものを、マークシートに記入してください。
2.疑問な問題は、飛ばす。
回答の時間は限られています。
そこで、回答として、○かXかはっきりしないものがでたら、「?」マークをつけて、次の問題に移ります。
全部の回答が終わってから、再度戻って決定してください。
3.複雑な問は、図を描く。
甲、乙、A、B、Cなど対象が多い問題もでます。
この場合、問題用紙の空いているところに、図を描いてください。
重要な点が分かってきます。
【問 1】民法上の各種の契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。 1 売買及び請負が、有償・双務契約であるのに対し、贈与及び使用貸借は、無償・片務契約である。 *片務契約...当事者の双方が相互に対価の意味を持つ債務を負担しない契約。 *無償契約...有償契約ではない契約。 *要物契約...成立に当事者の合意のほかに物の引渡し等の給付が必要な契約。 これにより、売買・請負は有償・双務契約(また諾成契約)で、贈与・使用貸借は無償・片務契約(贈与はまた諾成契約、使用貸借は要物契約でもある)でいい。 答え:1 (読んだだけで契約の種類が浮かばないと、かなり難しい問題。最初から時間がかかる。契約の種類は、平成16年 管理業務主任者 試験 「問3」、平成13年 管理業務主任者 試験 「問1」 などもある。) |
問2 |
【問 2】マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号。以下「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)に関する次のアからエまでの事項について、A又はBの契約のいずれかに該当するものとして組み合わせた場合、民法及び建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。以下「区分所有法」という。)の規定によれば、最も適切な組合せは、以下の1から4までのうちのどれか。 ア 区分所有者が、全員で、マンションの管理を行うための団体の構成員となること。 A 請負 1 アとA そして、まず、請負とは、民法第632条「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」 です。当事者の一方(請負人)がある仕事を完成することを約し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対してこれに報酬を与えることを約することによってその効力が生ずる諾成・双務・不要式の契約です。この契約の特色は、他人の労務を利用する契約の一種であり、仕事の完成を目的とすることです。 委任とは、民法第643条「委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。」とあり、委任(委任契約)は、法律行為をなすことを他人に委託し、承諾することによって成立する諾成・不要式の契約である(第643条以下に規定がある)。なお委任は代理の内部関係の典型であり民法もそれを想定しているが、これ以外の場合にも代理権が授与されることはある(雇用契約など)。 →× アは請負ではない。 答え:4 |
問3 |
【問 3】Aが区分所有するマンションの専有部分(以下本問において「本件専有部分」という。)をBが占有している場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。 1 本件専有部分について何ら権原のないBが、本件専有部分を時効取得するためには、時効の完成後に、Bが時効を援用し、本件専有部分について、登記をしなければならない。 答え:4 |
問4 |
【問 4】Aが区分所有するマンションの専有部分(以下本問において「本件専有部分」という。)をBに貨貸している場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。 1 Bが賃借中に本件専有部分に必要な修繕をした場合、Bは、その必要費の償還を受けるまでは、Aに対し、留置権に基づいて本件専有部分の返還を拒むことができる。 答え:1 |
問5 |
【問 5】マンションを区分所有しているAが死亡し、その相続人が配偶者Bと子C、Dの3人である場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。 1 遺産分割がなされるまで、Aの区分所有権は相続人により共有され、そのうち、Cの持分は4分の1である。 答え:4 |
問6 |
【問 6】管理組合法人Aが、建設会社Bとの間でマンションの外壁補修工事を内容とする請負契約を締結した場合の補修工事代金に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。 1 Bが、Aに対し契約で定めた補修工事代金より高い金額を請求し、Aがそれに気付くことなく請求されたとおりの金額を支払った場合、Aは、Bに対し過払い金の返還を請求することはできない。 答え:1 (改正のある項目は、出題されやすいので注意のこと。) |
問7 |
【問 7】宅地建物取引業者(宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2条第3号に規定する者をいう。以下同じ。)が、マンションの管理組合の組合員から、当該組合員が所有する専有部分の売却の依頼を受け、その媒介等の業務のために、マンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。以下同じ。)に確認を求めてきた場合の当該管理組合に代わって行うマンション管理業者の対応に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書(平成15年4月9目国総動第1号〜第4号。国土交通省総合政策局長通達。以下同じ。)の定めによれば、最も不適切なものはどれか。 1 当該管理組合の名簿及び各組合員の連絡先を書面をもって開示した。 答え:1 |
問8 |
【問 8】マンション管理業者が行う管理事務に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、最も適切なものはどれか。 1 マンション管理業者は、管理事務を行うために必要不可欠な管理員室について、一切の費用を負担することなく、又は管理組合と協議することなく無償で使用することができる。 4 マンション管理業者は、定額委託業務費の内訳を、マンション管理適正化法第72条に基づく重要事項の説明等の際に、見積書等であらかじめ明示すれば、当事者間で合意がなくても、管理委託契約に定額委託業務費の内訳を記載しないことができる。 答え:3 |
問9 |
【問 9】マンション管理業者が行う事務管理業務のうち、基幹事務以外の事務管理業務に該当するものは、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、次のうちどれか。 1 管理組合の会計に係る帳簿等を整備、保管し、定期総会終了後、遅滞なく、管理組合に引き渡す業務 答え:4 (設問の仕方が悪い問題ではある。) |
【問 10】マンションの管理組合が、区分所有者に対して有する管理費に係る債権の消滅時効の中断に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。 1 滞納している区分所有者が、管理組合あてに滞納している事実を認める承認書を提出したときは、時効が中断する。 答え:2 |
【問 11】マンションの滞納管理費を請求するために、民事訴訟法(平成8年法律第109号)に定められている「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 少額訴訟を提起する場合は、必ず簡易裁判所の調停を経なければならない。 答え:3 (滞納問題と関係して、支払督促制度、少額訴訟、通常の訴訟も勉強しておくこと。) |
【問 12】管理費から充当される通常の管理に要する経費に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約及びマンション標準管理規約コメント(単棟型)(平成16年1月23目国総動第232号・国住マ第37号。国土交通省総合政策局長・同住宅局長通知。以下「マンション標準管理規約」という。)の定めによれば、最も不適切なものはどれか。 1 各居住者が各自の判断で自治会や町内会等に加入することは、地域コミュニティーの維持・育成のために必要であり、自治会費や町内会費は、通常の管理に要する経費に該当する。 答え:1 |
問13 |
【問 13】管理組合の会計等に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、最も不適切なものはどれか。 1 管理費等に不足が生じた場合には、管理組合は組合員に対して、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じた負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。 答え:2 |
問14 |
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【問 14】管理組合の活動における以下の取引に関し、平成18年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。 ★発生主義ということ 全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。 ◎発生主義の原則により、管理費・修繕積立金のうち、平成18年3月の処理であるから、過去の平成18年2月分については未収入金の入金として扱い、平成18年3月分は当月の各々管理費・修繕積立金収入とし、平成18年4月分は発生していないので前受け金の入金となる。
答え:3 |
問15 |
【問 15】管理組合の活動における以下の取引に関し、平成18年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1目から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。 ★発生主義ということ 全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。 ◎考え方.平成18年3月分の仕訳けとしては、工事が完成したのが3月25日で、3月に請求を受け、支払は4月ならば、、発生主義では、3月度には未払金として処理をする。 答え:1 発表の 正解は 1。 (いつもながら、会計処理の出題は曖昧だ。) |
【問 16】管理組合の税務に関する次の記述のうち、税法の規定によれば、誤っているものはどれか。 1 消費税法上、管理組合は公益法人と同様の取扱いがなされ、管理会社に対して支払う管理委託料は消費税の課税対象外である。 答え:1 |
【問 17】建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1項第6号に規定する「延焼のおそれのある部分」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除くものとする。 1 延焼のおそれのある部分とは、基準となる線からの距離が、1階にあっては3m以下、2階以上にあっては5m以下の距離にある建築物の部分をいう。 2 隣地に関する基準となる線は、隣地境界線である。 答え:4 |
【問 18】建築基準法第12条に基づく定期調査、定期検査に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 定期調査を行わなければならない建築物の用途、規模等は、国土交通大臣が指定する。 答え:2 (少し、難問か) |
【問 19】アスベスト(石綿)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1 アスベストのうちのクリソタイル(白石綿)は、クロシドライト(青石綿)やアモサイト(茶石綿)に比べ癌などの発症リスクが高い。 *アスベスト(石綿)と肺ガン、中皮腫* 答え:4 ひどい設問。正解の根拠が厚生省の見解とは。 |
問20 |
【問 20】非常用エレベーターに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1 非常用エレベーターの設置が必要とされるのは、建築物の高さが45mを超える場合である。
答え:3 (設問が5uとか45m/分は細かすぎる。出題方法の方が適切でない。) |
【問 21】マンションにおける次の消防用設備等のうち、消防法(昭和23年法律第186号)第17条の2の5の規定により、技術上の基準について遡及適用を受けるものはどれか。 1 スプリンクラー設備 似たような設問は、平成16年 管理業務主任者 試験 問21 にある。 答え:2 (これも、出題としては、細かすぎる。不適切である。) |
【問 22】マンションにおける給水設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
3 バキュームブレーカには、大気圧式と圧力式があり、大気圧式は常時圧力のかかる配管部分に設けるものである。
答え:1 |
【問 23】マンションにおけるガス設備の安全システムに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1 一般に使用されるガス栓としては、ヒューズ機能付きのガス栓が用いられる。 答え:3 (これもひどい設問だ。正解がガス警報器工業会とは!) |
問24 |
【問 24】エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1 共同住宅の新築を行う場合に、外壁、窓等を通しての熱の損失の防止及び設置する空気調和設備等に係るエネルギーの効率的利用に関する措置について所管行政庁に届出をしなければならない建築物は、当該床面積の合計が5,000u以上のものである。 答え:3 (こんな法律が昭和54年に出来ていたとは。実に細かい設問。) |
問25 |
【問 25】住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)に基づく日本住宅性能表示基準のうちの既存住宅(評価住宅に限る)の「維持管理への配慮に関すること」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1 維持管理対策等級は、等級1から等級3の3段階で示されているが、等級1が最も性能が高い。 答え:4 (本当に平成18年の管理業務主任者試験の設問は、細かい。ここまで知っておく必要性があるのか?) |
ここまで、問25 |
最終更新日:
2010年7月7日:問22訂正
2009年3月15日