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【Lucifer "The CUP T" プロトタイプ】

2002.8.20

 Lucifer=ルシファというのは、もともと私が造ったカスタムにシリーズ名としてつけようと考えていた名前。なのだが、最近ではガンスミシングをすることも少なくなって、結局自分のハンドルネームにしてしまった。ネット上でも同名の人を見かけるので、ゆくゆくは変更するかもしれない。

 それはともかく。The CUP は私が初めて造ったビアンキカップ完全対応型のカスタムガンである。ビアンキカップは4種競技。それぞれに異なったテクニックと集中力を要求され、使用されるカスタムガンも単なるスピード系やブルズアイ系とは違った発展を遂げている。その異様な姿をしたビアンキカップ専用銃を、憧れや尊敬を込めて「カップガン」と呼ぶ。

 ビアンキカップ・・・それは私の憧れ。スティールチャレンジも楽しいし、IPSCも興奮する。しかし、精度とスピードを絶妙のバランスで要求してくるビアンキカップこそ、最高の舞台だと考えている(あくまで私見)。4ステージを満点でクリーンするのが夢なのだ。が、地方在住の身では大きな試合に参加するチャンスはないものとあきらめていた。4つのステージを準備するのは大変で、特にムービングターゲットを備えた試合は非常に少ないのが現実なのだ。

 が、2002年になってチャンスが巡ってきた。愛媛県松山市のインドアシューティングレンジ「GUN BOY」で行われているシューティングマッチの年間シリーズに、本格的なビアンキカップがあるのだ!スティールチャレンジ→ビアンキカップ→IPSC→スティールチャレンジ・・・と、3タイプの試合がローテーションして毎月行われているわけだ。ということは、機会を逃すと次にビアンキにチャレンジできるのは3カ月後になってしまう。ということで参加してみた。相棒は愛用のチャンピオンシップスペシャル改。ダットサイトをワルサーの超軽量タイプに換装したスピード競技仕様だ。前月のスティールチャレンジでは初出場にして準優勝を獲ったという輝かしい実績がある銃だ(言わせてちょうだい)。

 たぶん、四国できちんと4ステージをそろえたビアンキカップを体験できるのは、ここしかないだろう。ということは、ビアンキの難しさを体験できるのもここだけということになる。・・・ということで、やられちゃいました。初ビアンキ、ボコボコ。今回も準優勝・・・だけど、気分的には完敗。順位は単なる偶然。マッチプレッシャーもすごかった。このあたりのことは、いずれレポートしようと思う。が、気分は完敗でも、かえってリベンジに燃えてくるのが趣味の世界のいいところ。ボンクラなりに、わかったこともいくつかあった。

   @ バリケード対策を何とかしなくちゃ。銃もシューターも。
   A 距離がめまぐるしく変わるので、着弾点を保つ工夫をしなくちゃね。
   B ムーバーはやっぱり楽に撃てた方がいいよね。
   C ウイークハンドが死ぬほどヘタだ。
   D やっぱ形から入る男としては、カップガンで挑戦したいやんか。

 そんなこんなで対策を施したカップガンを造ることにした。ベースはプロキラーの2000F。インナーバレルがしっかり固定される構造と、ショートスライドの組み合わせが魅力。フルオート機構は潔く取っ払って、内部のメカはチャンピオンシップのものにそっくり入れ替えた。スライドシールドはオプティカルマッチから引っぺがしてきた(合掌・・・WAにも在庫が無いんだって)。注目のシュラウドはこれまたオプティカルマッチのマウントを2個つなげただけというお手軽さ。素人工作で、前上がりに装着されるというオチまでついた。バリケ用のミミはアルミのアングル材。そして、サイトはプロポイント3のスーパータイジャー!

 よく当たる銃だが、バレルがあまりにも長すぎるのがいかにも素人っぽくて気になる。チームレッドショルダーのrx78さんにも「あんまり長いバレルだと、シューターの体のブレの影響が大きくなる」と指摘を受けた。実銃に比べれば極端に弾の初速が低いエアガンでは、当然弾がバレルを通過するのに要する時間も長くなる。エアライフルの射手が装薬ライフルの射手よりもトリガーを引いた後の姿勢維持を大切にするのと同じ理屈だと思う。そんなわけで激しく銃をスイングするスピード系の競技では問題が出る可能性がある。が、フォーリングプレイトをドロウから4秒で撃つストリングをやってみたところ、よくついてくることがわかった。ビアンキなら問題ないとみた。それよりも、ドロウの時に油断していると、バリケードに「突き」を入れてしまいそうなのが気になるぞ。も少し短くしたいのだが、ワンオフの部品を造る必要があって、面倒なのだよ。

 早速バリケの練習をしてみたら、左右ともにズボッと見事な集弾を見せた。まだまだ身につけなければならない新しいテクニックがあったり、銃の仕上がりにも迷いがあって滑り止めテープも貼られていない状態だが、次回のビアンキが楽しみであります。デビューの予定は2002年10月!!