□□ フォーリングプレイト □□今回のビアンキは、進行の都合上、各イベント240点の合計960点で行った。
5メートル 5秒 6発 フリースタイル プレイトはこれを各距離2回ずつ行うので、1ストリング60点×4=240点満点ということになる。ヒットすれば10点、外せば0点。プレイトは10p径のものを使用する。 プレイトは、シューターとしての基本的なテクニックを試される競技だ。6枚のプレイトが横1列に並んでいるので、初弾さえ間違えなければ、そのまま横になぎ払うようにしてクリーン出来る。とはいえ、ほんの数秒の中にもドラマはある。6枚のプレイトそれぞれに、失敗する要素をはらんでいるわけだ。たとえば、1枚目。ドロウ直後のショットが外れるのは、焦りすぎだとか何だとかで、よく狙っていないのにトリガーを引いてしまうのが原因であることが多い。後半に外すのは、集中力の低下や、脳の酸素不足によるもの。身体の回転がスムーズでなかったりしても簡単に外す。また、今撃っているターゲットだけでなく、次に撃つターゲットへも「いくらかは」集中しなければならない。 簡単だけど難しいのが、プレイトだ。そして、ぼくはこのプレイトに妙な苦手意識をもっている。練習では片足立ちでクリーンしたりするのに、本番になるとメタメタなのだ。 |
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□□ 苦戦 □□今回はオープンクラスのみの参戦。しかも撃つ順番が最後から2番目ということで、待ち時間がたっぷりあるから、まずは観戦。結構みんな最初のステージから苦戦している。寒いからって、厚着するからじゃないの?ぼくはスポーツするなら半袖と決めてるので、今日もTシャツ。だけど。うう、今日って何か寒くないかい。昨日と全然違うよ。 そんなことを思いながら見ているうちに、オープンクラスが始まった。rx78さんが撃つ。手にするのはKSCのSTIの限定品。あれ、欲しかったんだよなー。シリアルナンバーの入った限定品を実戦で酷使するとは恐るべし。おおお、良く当たっている。と、突然、STIが沈黙した。ジャム!?rx78さんの動きはまさに電光石火!すばやくスライドを操作して復旧しようとする・・・も間に合わずタイムアウト!痛恨の8枚残し。 本番では、練習で出なかったトラブルが出るものだ。GBCSも後半に入り、耐久性に不安が出てきたGUNがたくさんある。これからどんなトラブルが出るのか。シューターとしてはどう対策を考えていくのか。来期の課題だと思う。 思わぬトラブルでrx78さんが後退。これが、波乱の幕開けだった。 前回優勝し、今回も優勝候補のとて20さんが、思わぬ乱れ方で弾をバラまいた。予想外の4枚残し。やはり急造のGUNでは苦しいのか。2人には悪いけど、ぼくが優勝する線が濃くなってきたぞ。満点で終了だ。 とその前に、初挑戦のてっちゃんが撃つ。ぼくはその次だ。きっと、プレッシャーで心臓がバックンバックンいってるんだろうな・・・などと余裕で構えていたら、5メートルでいきなり11枚ブッ倒した。うわ、やべぇ。これはシャレにならん。7メートルでは少し乱れ、合計17枚倒し。 そして、いよいよぼくの出番。ボックスに入る。ロードするために、GUNを抜く。その瞬間。 ギョッとして、思わずGUNを落としそうになった。グリップを握った右手の感覚が、綿でも握っているように頼りない。ロードの前に、プレイトを狙ってみる。右手の筋がミシリと鳴った。 腕を冷やしすぎたのだ。思わず自嘲の笑いが浮かびそうになるのをグッと押さえた。 秋になって、メスを入れたところが調子が悪くなってきた。寒いと古傷が痛む、という現象だ。そういう自覚があったのに、急に冷え込んだ今日の天候を無視したのは完全に自分の責任だ。それを悔やんでも仕方がないので、今できることをすることにしよう。 ハンズアップ。ブザーとともに両腕を振り下ろす。GUNが重いから、少しでもドロウスピードをかせぐために、振り下ろしを意識して速くする。左手は、身体の中心線より右側−−−ホルスタ近くに持ってくる。そして、トリガーロックが解放されると同時に両手でグリップし、両腕の力を使ってGUNを押し出すのだ。これは、ヴァレリーさんが女子高生シューターの黒猫さんにアドバイスしていたのを参考にしたものだ。非力な人や手首に故障のある人の助けとなる方法で、今回は異様に重いGUNを使うために練習していた。思わぬ形で役に立って、少し複雑な気分。 1枚目のプレート上にダットが止ま・・・らない。小刻みに震えるダットが、中心より下にあった。マズルが下がるのは、握力が足りてない証拠。何とか持ち上げてトリガーを引く。暴れ回るダットに内心悲鳴を上げながら、何とかファーストストリングをクリーン。しかし、距離が離れるとごまかしがきかない。5メートルで1枚、7メートルで4枚を残し、190点。うーん、200点は欲しかった・・・というか、この先のステージはどうなっちゃうんだろう。 |
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