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〜スティールチャレンジ風競技参戦記〜

GBCS第7戦 Steel Challenge参戦ヨタ話(1)



ふつうのプロローグ

 「大体、スピード競技ってキライなんだよなー」などと、スティールのリポートなのにイキナリやる気のないセリフを書いてしまう、ぼく。何発撃ってもいいからどうしてもタマのバラ撒き合戦になるし、何ストリングか撃って、よくない回のタイムを捨てられるからギャンブル性が高くなるし。・・・とまあ、そんなイメージを勝手に持ってて、食わず嫌いだったのよ。そんなぼくだったのに、生まれて初めて出場したのが、6月にあったGBCS第4戦のスティールチャレンジだった。人生なんてわからんもんだ・・・というのは少々大げさか?

 第7戦もスティールなので、そのままリポートしたんじゃ新鮮味に欠ける。なので初出場のときの思い出なんぞから始めてみようかと思う。

□□とて20さんのこと□□

 ぼくがGUNBOYに出入りし始めたころ。初めて訪れたときは、正直かなりビビッていた。何しろサバイバルゲームチームのメンバーが運営している・・・ということは、もしかして傭兵の詰め所みたいな所なのか!?現実にはそんなこともなく、ゲームにしろシューティングにしろ、GUNの楽しみ方を色々と味わってみたいという人たちの、憩いの場になっていました。ちょっと安心。実は人見知りが激しくて初対面の人と話すのが苦手なぼくも、ちょくちょく1人で遊びに行くようになった。で、何回か遊びに行くうちに「マッチのシリーズ戦をやってるんだけど、出場してみませんか?」というお誘いを受けるようになっていた。ま、その度に「いやぁ、ちょっとね・・・」と曖昧な返事をしていたわけだ。

 当然、完調には遠い手のこともあった。が、本当の理由はちびっと違うところにあった。格好悪いけど、正直に書いちゃおうか・・・『自分が下手だってわかると辛いから』だよな、やっぱり。おまけに苦手意識のあるスピード競技なんだから、ボコボコにやられちゃうのは目に見えてるし。自分が好きな趣味の世界で自分自身が3流だと明らかになるのは、ある意味仕事がうまくいかないのより辛い場合がある。精神的にこたえるのだ。ここは1つ、「オレってほら、ビアンキシューターだから。スピードは畑が違うのよん」などと、のらりくらりと逃げておくのが得策というものだ。

 だが。GBCSはスティール、ビアンキ、IPSCの総合シリーズだから、シリーズチャンプは事実上オールラウンダーの最強シューターということになる。GUN好きとしては、素直に憧れるではないか・・・そういう自分に(苦笑)。それに、長年の思いとして、「自分がどれくらい上手いか(あるいは下手か)、はっきりさせたい」という気持ちもあった。

 幼い頃から銃器が好きで、射撃にも興味があって。だけど周囲の理解や同趣味の友人が無くて、悶々としたままだった、ぼくの趣味人生。もちろん、知識や技術を生かす場面なんて無かった。こうしてGBCSに出逢うことがなければ、そのまま腐っていたに違いない。チャンスは、生かさなければ本当のチャンスじゃない。可能性は、実現しようと行動しなければ単なる可能性以上のものには決してならない。

 とまあ、珍しく熱い気持ちで手元を見ると、当たり前のようにレースガンやレースホルスタが転がっている。そういえば、試合に出る予定もないのにヘッドショットやプレイトの練習をしてた時期もあったっけ。マッチに出場しようとする人の関門の1つが、必要な装備を揃えることだ。本格的なレースガンやダットサイト、実銃用のレースホルスタはとにかく高価なのだ。ぼくだって、長い時間をかけて少しずつ装備を充実させてきたのだ。ともかく、その問題をクリアしている以上「これで出場しないのは、ウソだよなぁ・・・」という気にもなってくる。

 そんなこんなで。自分のプライドが傷付くのは辛いけど、実力の伴わないプライドなんて持っていたって大して意味がない、と思えるようになってきた。好きで始めた事なんだし、下手なら下手で、そこからスタートすればいいや。もともとのお気楽な性格からか、何だか楽しくなってきたぞ。

 そうはいっても、初参戦。しかもたった1人での参加だ。ほとんど顔を合わせたこともない常連さん達の間に入って、粗相無く撃てるだろうか。それよりも寂しいのはヤだな。

 といってるうちに早くも本戦前日。ぼくは基本的にGBCSは「遠征」という形になるので、前日から松山入りして調整するのだ。期待と、それ以上の不安を持ってGUNBOY入りすると、初めて会う人がゴソゴソしていた。何やらすごいカスタムGUNや道具類を広げて、「ベテラン」の濃いオーラを周囲に発散している。

 うわ。なんか怖ぇ。この人は、きっとGUNを構えると殺し屋のような目になるんだ(普段から殺し屋の目をしている友人ならいるけど)。ヘマこいたら怒られるかも・・・。と、ビクビクしつつ挨拶。


とて20さんとカップガン。このGUNを撃たせてもらう経験がなけれ
ば、ぼくのカップガンは生まれなかった。かつては空腹親方の相棒
だったという逸品。そのうち詳しくリポートしようと思う。トリガーガー
ドにくっついているのは「あの」リムキャット。うーん、相変わらず凝り性♪

 私:「こ、こんにちは。明日は初出場なんで、ご迷惑をお掛けすると思うんですが・・・」
 彼:「ども♪明日の試合出るんだね?楽しいよん♪」

なんや、メチャ明るいやんか!これがとて20さんとの出会いだった。

 以来、ずっとお世話になっている。GUNの知識やチューニングのノウハウ、さらにシューティングのテクニックやコースの攻略法など、自分が持っているものを惜しげもなく教えてくれるのだ。おまけにマッチ本番では、進行やコース設定、参加者へのレクチャーまで、自身の競技と平行で行うのだから頭が下がる。県外の試合にもどんどん参加して、そこで得られた情報をぼくらにフィードバックしてくれるのも有り難い。

 どんな趣味の世界でも、知識やノウハウを独占しようとする動きが出てくるとつまらなくなるもの。自分がお山の大将である世界は、居心地は良くても山そのものが高くなることはない。ぼくは小さな人間だから(肉の量じゃなくて)、つい自分に都合のいい状況をつくりそうになるが、結局その行為は趣味の世界を小さいものにする。小さい世界じゃライバル=自分と同レベルの同好の士(言い換えれば、「同じ程度の病気の人」)とは出会えないから、結局自分自身が退屈するようになる。それだったら逆に手も足も出ないくらいすごい人たちと闘いたい。どこまで迫れるか、追う立場の方が面白い。

 そういう意味で、とて20さんと出会えたおかげで、ぼくのGUN趣味道は充実したものになった。本当にありがとうございます。遠征にも誘っていただいてるんだけど、なかなかいけなくて申し訳ないなー。生きるためには仕事もボチボチせんといかん。辛いところだけど、プロシューターも厳しいものがあるんだろね。きっと。

 そうはいっても、いつまでもとて20さんや、チームレッドショルダーの人たちにお世話になりっぱなしというワケにもいかんやろな・・・。

  とて20:「タイトルに名前がある割に、オレの紹介以外の部分がえらく多いんじゃない?」

   私  :「そこは、それ、ナニですがな。今回はヨタ話中心ということで」

  とて20:「それは、『白くて柔らかい部分より、耳の部分の方が多い食パン』みたいなモンか」

   私  :「『芯が異常に太くて、紙が少ないトイレットペーパー』でもいいですね」

  とて20:「どちらにせよ使えんな」

   私  :「色物リポーターですけんね、私・・・」 

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