文字通りの「動く的」を撃つ競技。略してムーヴァーと呼ぶことが多い。
4m 往復で6発ずつ(計12発)
6m 往復で3発ずつ×2回(計12発)
今回は240点満点でおこなった。制限時間は3秒。正確には、3秒間しかターゲットが見えていないのだ。ターゲットは長さ3mのレールの上を移動する。レールの両端はボードで隠されていて、ターゲットはボードの陰に待機している。開始のブザーはなく、ターゲットが走り出してシューターの目に入った瞬間が競技の始まりだ。3秒後には、反対端のボードの陰に走り込んで姿が見えなくなる。つまり、ターゲットの移動速度は秒速1mということだ。 ここまでくればあとは簡単。BB弾の初速とターゲットの移動速度、そしてターゲットまでの距離がわかれば、どこを狙えばよいかという「リード量」の計算は出来る。もちろん、おおざっぱな計算なので、単なる目安にしかならないが、人の手で撃つことの誤差を考えれば十分使えるデータなのだ。 GUN BOYにあるムーヴァーは、とて20さん考案の電動ドライバー利用型のアイデア品。みんなでよってたかって造ったものだ。撃って楽しく、クリーンするのは難しい。動かす人が必要なのが難点だが、みんなで代わりばんこに練習しましょう。 このイヴェントもゲーマー系の人が巧く、タクティカルクラスに新居浜から参戦のO.B.1さんや初号機さんは、当日が初めてだったのにいきなり上達して驚かされた。 さあ、これでビアンキも締めくくり。4mラインに立つ。プレイト、プラクティコォ、バリケの3イヴェントをクリーンして、ムーヴァーに挑戦する。それが、カップシューターなら誰もが夢見るカタチだ。実銃の世界でも、ほんの一握りの「超一流」だけが覗ける世界を、ぼくも味わってみたい。ムーヴァーはとにかく難しく、小手先のテクニックが通用しない。もはや1発も外せないという状況で、その最強の敵をねじ伏せてこそ、カップの醍醐味というものだろう。 ハンズアップ。緊張は、なかった。他のイヴェントで点を落としていたので、優勝はあり得ないと思っていたからだ。だからといって投げやりだったというのでもない。興奮は、あった。練習の通りに撃てればクリーンの可能性もあったし、次回のカップ用カスタムの構想が頭に浮かんで血が騒いでいた。次にここに立つときは、3イヴェントクリーンでいたいものよ。そう強く思った。 ギュン、というモーターの駆動音が聞こえた。ムーヴァーで怖いのは「音」だ。ターゲットが見えていないこの時点で反応してドロウすると、間違いなくフライングになる。音に一瞬遅れてターゲットが現れた。ちゃんと見てからGUNを抜くと、ターゲットはもうレールの中程まで来ている。計算通りだ。ここで撃ち始めるのはわかっていたから、両足のスタンスはこの時点でのターゲットの位置を基準にしている。問題はこの後の連射だ。ダットがXゾーンに絡んだ瞬間、滑らかにスイングしながら6回トリガーを引く。躊躇すれば6発撃てなかったり、目隠し用ボードを撃ってしまったりすることになる。4mでのリード量は計算してあったのだが、無視できる程度の量だったし、実際Xゾーンをデッドに狙ってもクリーン率が変わらなかったので、より簡単な方法を採用したというわけ。 4mをもう1ストリング撃って、6mラインに下がった。ここからは1ストリング3発撃てばよいから、時間的には楽になる。その代わり、リードに関してはシビアになってくる。慎重に、慎重に攻めていったが、何発か思い切りターゲットペーパーの端っこを撃ってしまった。まだまだ練習が足りないということらしい。
とて20さん 205点 |
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