遮蔽物(バリケード)を使った競技。この競技は、レディポジションが一風変わっている。両手を肩より高く上げたハンズアップの体勢ではなく、両手の平がバリケードについた状態でブザーを待つ。手をつく高さは、肩よりも高い位置だ。ブザーと共にGUNを抜き、バリケードの右や左から突き出して撃つのだが、その時に足下のシューティングボックスから足が出てはいけない。そのために、体をひねって撃つことになり、不安定な姿勢で戦わざるを得なくなる。この種目攻略のカギは、「ルールの範囲内で可能な限り安定したシュートを行う」ことにある。
4m 6発 4秒 バリケードの左から1回、右から1回(計12発)
6m 6発 6秒 バリケードの左から1回、右から1回(計12発)
この種目も240点満点でおこなった。
今回のビアンキ挑戦で、ぼくが一番不安に思っていたステージだ。スタンスも構え方も、ドロウの要領も、何一つ研究できないままに本番を迎えてしまっていた。実銃の世界では、オートもリボルバも、GUNをつかんでバリケードに押し当てて撃つのが主流だ。ギルモアスタンスというらしい。だが、実銃ほど発射のショックがないエアガンで、そのテクニックが必要だろうか・・・?GUNをつかんで撃つためには特殊な加工が必要になる。「勝つ」ことを目指すなら、すべて実銃の世界通りに真似る必要はない。今回のビアンキ参戦は、そのあたりを見極める意味もあった。もしかすると、専用のカップガンを用意する必要があるのかもしれない。必要なら、それはそれで楽しいことだと思った。金のことは考えないようにしながら・・・。 自分の出番が来るまで、他の選手のシューティングを応援する。ぼくが出場するオープンクラスは、タクティカルクラスの後だから、時間があるのだ。タクティカルクラスとは、オープンサイトのGUNとGUNを普通に携帯できるホルスタ(簡単に言えばレースホルスタじゃないってこと)を使用するクラスだ。ホルスタは体の真横よりも後ろに装着することになっている。これがまた、巧いのだ。オープンサイトを撃たせると非常にヘタな(遅い)ぼくから見ると、信じられない世界だ。抜きにくいタクティカルホルスタが、少しもハンディに感じられないほどだ。自分にとっての本道はオープンクラスだと思うが、お楽しみのシュートオフはタクティカルクラスのレギュレーションに沿って行われるので、少しは練習せねばならんな。その前に、上等なオープンサイトのGUNとホルスタが欲しい。趣味の世界はとにかくカネがかかるのだ・・・。 そうこうしているうちにぼくの番だ。ボックスに入って立つが、足をどう配置すればいいか全くわからない。揃えるべきか広げるべきか。左右か、前後か。しばらく考えて結論を出した。「よし、適当に撃とう」・・・ふざけているわけではない。あんまりスタンスを決めてしまうと調節がしにくいので、ゆるく立って、ゆるく構えて撃とう、ということだ。100%では撃てなくても、最低80%は力を出すための作戦だ。 まずは右から。ブザーでGUNを抜き、バリケードの右から突き出して狙う。レディポジションではターゲットを見てはいけないので、ターゲットの位置をイメージしておいて、顔を出すと同時に狙うのだ。重心が大きく右足にかかって、体が揺れた。「おっとっと」と左足を引きつける。6連射。ゆるい構えのおかげで何とかクリーンだ。次に左。ドロウして構えようとした瞬間、コンプの先端がバリケードにかすった。身を乗り出そうとする意識が強くて、バリケードに接近しすぎたのだ。一瞬ぎょっとしたが、そのままバリケの左から構えた。う、撃ちにくい。大きくひねられた体、マスターアイ(ぼくは右目)とGUNの位置関係が悪いこと、さらにバリケとスライドが接触して作動不良を起こす可能性・・・不安要素が一度に吹き出して、パニック寸前だ。それでも、どうにか6連射。やっぱり失点が出た。6mになっても状況は変わらず。難しくはなっても、易しくなるはずがない。ポロポロと落としまくった。 ぼくにとっては、バリケ攻略が優勝のカギになりそうな予感がする。結論から言えば、「GUNつかみ」は有効だ。そのかわり、専用銃を用意する手間や費用は相応にかかる。さらに、それを使いこなすには、新しいテクニックも必要だ。カネも時間も十分にはないぼくだけど、何とか克服してみようと思う。次回はクリーンだ!
とて20さん 225点 |
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