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その14 ガレージモディファイ編【DIYで床をペイントする】

2005.9.14

 さて。「野望編」が完結したと思ったら、早くも新章に突入です。早よ作業せんと、大変なことになりそうなの(苦笑)。てことで金とヒマを惜しみつつ、ただの鉄の箱を趣味のガレージにモディファイすることにします。まずは比較的手を付けやすい土間コンクリートの塗装から。

 クルマを見るガレージ、いじるガレージ、保管するガレージ・・・ガレージの機能はいろいろあれど、どの場合にも話題になるのが床材およびその仕上げです。レンガやタイル、石材、あるいは木材といったものも味わいがあっていいのですが、機能性を考えればやはりコンクリート。コストを考慮してもコンクリートですねぇ、やはり。ちなみにアスファルトは高温で変形しやすく、オイルが落ちたりすると溶けてしまう(石油製品だし)ので、自分のガレージには採用したくありません。

 そのコンクリートですが、多くの場合打ちっ放しというか左官屋さんがコテでならしてくれた面にそのまま車両を乗り入れているのではないでしょうか。ところがこれが曲者で、コンクリートがむき出しだと、少しずつ表面が風化して細かなホコリとなってしまいます。ガレージの中が妙にホコリっぽいのは、これが大きな原因だったりします。また、コンクリートは工具などを落とすと簡単に欠けてしまいます。他にも、液ものをこぼすと染みになって取れないとか、タイヤ跡がついて汚くなるとか、意外や欠点を我慢しつつ使っているオーナーが結構いたりします。

 最近ではガレージライフ誌をはじめ情報が手に入りやすくなったので、何らかの処理をすることが増えているようです。私が当初考えていたのはABC商会の「カラクリート」です。土間コンが生乾きの時に表面に顔料入りのパウダーを振りかけてコテで馴染ませると、ベースのコンクリートと一体となって耐摩耗性や対薬剤性に優れた表面層を形成する、と。一体化しているから剥がれちゃうこともないというものです(以上、自己流の解釈)。とはいえ金もないし、プロに施工してもらったんじゃHPのネタにもならないし(笑)、何かDIYでやれるものはないかいな・・・と思っていたらありました。某グリオズガレージの「フロアペイント」です。以前にガレージライフ誌上でもDIYによる作業が紹介されていたので、ほんとに簡単に施工できるか検証してみましょう。要するに「チョーチン記事じゃないか確かめちゃる!」ということですね。グリオズは日本での展開をやめてしまったようなんですが、ル・ガラージュにて製品を購入することが可能です。






 はい、いきなりの完成写真(爆)。1人で作業してるから、途中の写真が無いんだよ!気温摂氏30度を越える猛暑の中作業を敢行し、あやうく熱中症になるところでした。正午頃に1回目。夕方に仕上げの2回目を塗装。気温が高いので固まるのも早いようです。

 作業自体は本当に簡単で、何も難しい点はありません。もちろん、ある程度以上の仕上がりを求めるなら、それなりの下準備と技能が必要ですが・・・仮に少々ムラになったとしても機能面では影響ありませんから(笑)。

 「グレー」カラーを選びましたが、塗ってみると思ったより明るい色でした。艶有りなのでガレージ内が明るくなります。この色は人気があるのかル・ガラージュでも欠品していたため、入荷まで結構時間を食いました。




 床の艶を見ていただくために、内側に移動します。シャッターを半開きにして床面にのみ外光が当たるようにすると・・・ね、光ってるでしょ?掃除も楽だし、これはマジでオススメします。ただし、雨の日だけは注意。滑りやすくなるので転倒に気をつけましょう。質感としてはややゴムのような粘り気を感じるものです。据え切りしても剥がれたりしないのは、塗膜の柔軟性と、下地への密着力によるものでしょう。  


 もう少し床面に寄ってみます。かすかに下地コンクリートのコテ跡(左官屋さんの)が見えますか?塗装、ですから下地の状態に左右されるのは仕方のないところです。ちなみに、「2度塗りを基本とし、12〜13平方メートルをペイントできます。」とのうたい文句ですが、実際には18平方メートルくらいは塗れてしまいます。ガレージライフ誌にも「塗料が余った」とあったので、そういうものなのかもしれません。

 硬化剤を混ぜると直ちに化学反応が始まるのでつい慌てがちになりますが、下地の隠蔽力を考えるとやや効果が進んだ後の方が塗りやすいかもしれません。1回目の塗装では、初めの頃に塗ったところは塗料がシャバシャバで、下地が透けて見えるような状態でした。が、硬化が進んだ後半は1回塗りの段階である程度の塗膜の厚さをキープすることができました。




 これは、ガレージ入り口。このように、シャッターのパッキンが当たる面あたりから内側を塗装しました。外を塗らなかったのは、雨天の安全性に不安があるため。もちろん、「仕上げ塗りが乾かないうちに滑り止めの砂(クオーツとか)等を撒いて定着させる」という方法(販売店も推奨)もありますが、まぁ外はいいでしょってことで(笑)。

 で、注目して欲しいのがタイヤ痕の付き方です。見やすいようにややコントラストを強調していますが、数回の車庫入れとそれに伴う切り返しで、入り口前の三和土部分にはすでにタイヤ跡がくっきりと残っています。が、塗装した庫内床面にはそれがありません。んー、ふたたび「がんばってよかった」と感じる瞬間です。






 そんなこんなで、1日仕事の割に非常に満足度の高い作業となりました。マスキングやら何やらで面倒臭くもありますが、手間を楽しめる人にはオススメです。塗料が11,500円、塗装用具が2,000〜3,000円くらい。もし床コンクリートが古くて汚れているなら、コンクリート・ブライトナー(クリーナー)6,300円で洗浄する必要があります。私は正直に買い物をしたので、ブライトナー1缶と、フロアペイント1缶がきれいに残りました。未使用分の金額の方が大きいやないか(大汗)。

 今回の作業ではDIYと車文化が栄えるアメリカものの輸入品を使用しましたが、「さすが」と思わせてくれるものでした。自分で家を建てる人が大勢いる国の製品だなぁ・・・と感じる部分がありましたね、たしかに。ただ、国内にもいい製品はたくさんあるはずですから、情報収集に励んでみてください。ただし!「床用」塗料と「ガレージ用」に適した塗料は異なります。重量物が動くのはもちろん、タイヤというゴム製品と接触することを考慮しなければなりません。それが走行後の熱くなったタイヤだったら・・・。また、オイルをはじめ、多種多様な液体が床に滴り落ちる可能性も考える必要があります。ブレーキフルードなんてこぼした日には、ねぇ。

 さーて、次のDIYはいよいよ壁張りじゃ。



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