remove
powerd by nog twitter

■水の旋律


B000A6CILS 水の旋律 (通常版)
キッド(公式サイト)
2005-09-29
ネタばれオッケイ!な方・・・水の旋律 プレイ日記

あらすじ * 感想 * キャラ語り * 総評

◇あらすじ

父親の海外赴任をきっかけに、寮のある「尚和高校」に進学することを決め、10年ぶりに昔住んでいた町に戻ってきた主人公。
しかし、何故か彼女の周囲で異変が起こり始め・・・?


◇感想

システムは非常に快適でした。
画期的(KIDさんのゲームプレイしたの初めてです)ですね。
そんなところまで!と唸るほど細かく設定を変えることが可能。
ボタンにも色々な機能が割り振られていて、上手く使いこなせると快適。
特にクイックセーブ・ロードは便利でした。
他のADVゲームにも取り入れて欲しいくらいです。
ただセーブ・ロード画面の反応がちょっと重いので、画像は別に無くて良かったかも。

立ち絵・スチルは共に微妙。
スチルの出来がまちまちで、立ち絵も崩れ気味に感じる。
設定画が綺麗なだけに残念。
全体の色彩なんかは薄淡くてとても良い雰囲気なんですがね。

音楽は雰囲気に合っていてとても良い。
ピアノは雨音を想像させるし、緊迫した場面では三味線でべべんべん調(笑)
ドラマCD+サントラCD二枚組がちょっと欲しい・・・。

で、ストーリーなんですが・・・
ジャンル:ゴシックロマンスアドベンチャーは違うだろう。
思い切り伝奇モノ・ホラーテイストの激しいロマンスを予想していたので肩すかしをくらいました。
最初は果たして乙女ゲーかどうか迷ったほどだったのですが、蓋を開けてみると思い切り恋愛ADVだったという。

設定やストーリー自体は決して悪くない。
突然危険に襲われる主人公。異様なほど早く傷の治癒する自分の身体。
八百比丘尼の伝説と、そこから生まれた対立する2つの一族の悲劇。
主人公は一体何者なのか?なぜ狙われなければならないのか?・・・なかなか心惹かれる設定です。

けれどストーリー部分が単体で楽しめるほどつっこまれているかと言えば微妙ですし、恋愛要素を盛り上げているかと言えばこれまた微妙。

ストーリー部分は、一度わかってしまうとオチが同じなのでスキップスキップ。
謎は最後に一気に明らかになる流れなので、それまでは「今はまだ言えない」と焦らしプレイが基本。
そして焦らされている間何をしているかと言えば、マップでお目当ての人を探して下校デートをしていたりする(笑)

謎がだんだん明らかになるのはやはり面白いですし、恋愛要素もやり慣れた形式(お目当ての人に会って、選択肢で好感度上下)でやりやすい。
けれどそれらが融合していない、分離しているのが「悪くはないんだけど・・・」と逆説がついてしまう原因という気がします。

結局ストーリーを見せたいのかキャラとの恋愛で魅せたいのかよくわからないどっちつかず感が、 インパクトに欠ける消化不良感につながっているんだろうなぁと。

どこを取り出しても悪くはないのですがね・・・。
マルチプル(他視点で挿入される日常のヒトコマなどのシナリオ)での主人公を挟んだ男同士の会話とか、ドラマCDの方がむしろ面白く感じた。


◇キャラ語り

桐原 拓哉(cv.子安武人)
九艘の一族。
色々と元凶な人。ある意味デフォルトヒーローかと思われる。
ぶっきらぼうな口調と甘いもの好きなギャップが可愛い。
こんな子安声も大好き。


桐原 貴人(cv.井上和彦)
九艘の一族その2。拓哉の兄。
冷静沈着・排他的で当初は冷たい仕打ちに泣くものの、ラブモードに入ると甘々。
眼鏡を掛けさせようとしたが、九艘の一族は視力が落ちないということで断念したらしい。
そういえばこのゲーム、眼鏡がいない。
シリアスな井上声が素敵。


加々良 愁一(cv.森田成一)
一謡の一族。学内の人気者。王子。
カリスマ性や我が儘っぷりはあんまり出てなかったような・・・ドラマCDでの圭との絡みでは出てましたが。
ピアノが趣味という設定もマルチプルでしか出てこない気がする。
王道です。森田声はこういう系統のが好きかもしれない。


明月 圭(cv.遠近孝一)
一謡の一族その2。愁一の護衛役。むしろ従者。
堅実・実直・真面目・・・丁寧語がツボであります。
ひたすらお姫様扱いをしてくれるのに、恋愛モードに入ると情熱的。お気に入りキャラ。
遠近さんの特典付き予約にすれば良かった・・・・(後悔先に立たず)


新野 憲吾(cv.鈴村健一) 主人公の幼馴染み。
初恋の相手である主人公にLOVE全開。
一言で言うとしっぽを振って無邪気にじゃれついてくるわんこ。
一歩間違えるとストーカーなので、好き嫌いが分かれると思われる。
私が一番好きな鈴村声はギップル。


手塚 京輔(cv.谷山紀章)
憲吾がバイトする『茶呑書房』の店員。本業大学生。
八百比丘尼の研究をしております。実はすごい秘密を抱えているキーマン。
シナリオが面白かったです。
谷山声はクール系よりこういうほのぼの声のが良いかもしれない。


片瀬哲生(cv.檜山修之)
一謡の一族その3。主人公をつけ狙う人。一応敵さん。
なかなか美味しいシナリオです。実はEDのバカップルっぷりがかなり好き。
檜山さんは役にぴったりでした。


◇総評

全てにおいて「悪くはないんだけどね・・・」と言葉尻を濁してしまうところに、評価が表れているかと。
例えばどんな欠点があっても許容してしまいそうな、圧倒的な魅力には欠ける。

ただ、本当に決して悪い出来ではないので、女性向恋愛ゲームとして安心してプレイできるかと思います。
声優さんも豪華で、安心して聞けますしね。
人に薦めるかどうかは、値段次第。貸してと言われたら安心して貸せるという立ち位置の作品。

あなたの御感想もぽちっと教えてくださると喜びますv
 

▲このページのトップへ