remove
powerd by nog twitter

★リトルバスターズ!SS部屋★

リトルバスターズ!のSSを掲載していきます。

  15   『第二回、理樹君ハーレムナイト…大会』(女性陣オールキャラ?もの)
更新日時:
2008/04/27 
『第二回、理樹君ハーレムナイトでウッハウハ、こりゃヤバイぜヒャッホウっ!! 大会』
 
 
 
 
 
 某所。
 密談が行われていた。
 
「前回は小さい女史たちにやられてしまった」
「勢いありましたからネ」
「りんちゃんもクーちゃんもだいたんすぎなんだよ…」
「しかも、理樹君が貧乳好きだということも判明してしまった…。
 80オーバーの我々は問題外ということかもしれん」
「マジですか? 私も本当は小さいほうに入るはずなのになー」
「でもね…。理樹君、ほんとうに胸が小さい子が好きなのかな?」
「どういう意味だ? コマリマックス」
「だって…理樹君が自分から、『小さいのが好きだー』なんて言ってなかったよね?」
「あ…そういえばそんな気が」
「そう…なのか?!」
 
 
「復讐だ! リベンジだ!
 理樹君におっぱいの良さを味わってもらおうじゃないか!!
 小さくてはダメな、大きいからこそのおっぱいを!!!」
「うんっ。復讐は嫌だけど、がんばろーっ」
「えい、えい、おーっ!!」
 
「…で、次回のテーマは、ズバリ『水着』だ」
「水着ーッ!!」
「みずぎ?」
「ああ。まだ小さい連中には言っていない…」
「ほうほう。それじゃあ出し抜くってわけですネ?!」
「うんっ。じゃあお気に入りのを持ってくるよー」
「…ああ」
「どうしたの? 姉御。冷や汗出てるよ?」
「ゆいちゃん。その、握り締めてるの、何? ぱ、ぱんつ?」
「いや実は…」
 
-----------------------
 
 別の場所。
 こちらでも密談が行われていた。
 
「みんなっ聞いてくれ。とっておきの情報を手に入れた」
「本当ですかっ? 鈴さん、ぐっどたいみんぐですっ」
「…で、どんな内容ですか?」
「うん。次は、水着らしい。…何が水着なんだ?」
「水着ですかっ?! と言うことは…水着対決ーっ」
「そんな…」
「よくわからんが、また前みたいなのをやるってことなのか?」
「はい。その話から推測すると、今度は水着を着て直枝さんを囲もう、と言う会になるのだと思います」
「水着で理樹を囲んだら、なんかいいことあるのか? それで理樹はよろこぶのか?」
「それは…直枝さんも男の子ですから、喜ぶのでは無いかと」
「ふーん…。よくわからんが、わかった」
「でも…水着だなんて、わたしたちにとって、とても不利な条件ではないでしょうか?」
「どうしてですか? 胸が小さいことが不利になるとでも言うんですか?」
「?! 能美さんは、不利になるとは思わないんですか?」
「当たり前です。前回のリキの反応を見て、とても自信になりましたからっ!!」
「…確かに、直枝さんは小さいのが好きみたいでした」
「ねっしんにさわってたからな」
「そこで…格言っ。"小は大を兼ねる" ですっ」
「小は大を兼ねる…!? 兼ねますか?」
「兼ねます兼ねますっ」
 
「でも能美さん。水着はどうするんですか? わたし直枝さんに見せられるようなものは…」
「西園さん。あれでいいんですよ、あれで」
「あれですか?」
「鈴さんは何か持ってますか?」
「ん? ああ、バカ兄貴が買ってくれたやつがあるな」
「じゃあ、それを持ってきてください」
「わかった」
「能美さんはどうするんですか?」
「ふっふっふ。実は、私の体型にピッタリなのを用意してありますっ」
「そうなんですか?」
「クドはよういしゅうとうだな」
「はいっ。だから任せてくださいっっ」
 
「そういえば鈴さん。どこからその情報を仕入れたのですか?」
「ん? くるがやからだ」
「来ヶ谷さんからですかっ?!」
「不思議です…。一番情報には厳しそうなんですが」
「なんかやるから教えろ、って言ったらかんたんに言ったぞ」
「え?」
「…で、何をあげたんですか?」
「それがな。あたしのパンツだ」
「ぱ、ぱんつですかっ!?」
「パンツ…。何てあの人らしい…。今頃そのパンツは…」
「ん? パンツがどうかしたか?」
 
-----------------------
 
「鈴ちゃんのパンツで買収されてるっ?!」
「情報を教えたら何でもくれる、って言ったんだ…」
「子どもなのか変態のオッサンなのか、ちょっとびみょ〜なカンジだねー」
「鈴ちゃんの? え? それもらってどうするの?」
「それはだな…はーはーすぅーすぅー…」
「あは〜。小毬ちゃんはあんまり聞かないほうがいいかも…」
 
-----------------------
 
 
 
 
 女性陣に囲まれたあの日から数日後。
 
 僕は、今回も何処かの部屋へと連れて行かれていた。
 …しっかり失神させられて。
 
「今日のは峰打ちだ。心配しなくていい」
「そのうち死ぬよっ?!」
「ふむ? 理樹君はこのシチュエーションが嫌いなのか?」
「嫌いじゃないんだけどさ…」
 
 女の子ばかりの部屋に連れてかれるパターン。
 二度目なんだけど…。
 
「別に、拉致しなくても普通に行くからさ」
「ふむ…そうか。それは悪いことをしたな。では次からは普通に誘うことにしよう」
「うん。そうしてくれると嬉しいな」
 
 もっとも、言えばわかってくれるんだけれど…ねえ。
 
「では、始めるとしよう。葉留佳君、コマリマックス」
「はいさっ」
「うんっ」
 
 ばさっ。
 
「『第二回、理樹君ハーレムナイトでウッハウハ、こりゃヤバイぜヒャッホウっ!! 大会』
 開催だ!」
「うっひょ〜っ、姉御ーっ!!」
 
 …。
 
 妙なテンションの高さに気後れしてしまう。
 
「それじゃあ、『リトルバスターズ! ドキッ、女だらけの水着大会 ふぉー理樹君』スタートぉっ!!」
 
 水着大会…。
 水着?!
 
「望むところですっ」
 
 呼応するクド。
 そっか、水着大会なんだ。水着コンテストみたいなものかな…、
 …って、全然わからないんだけど。
 
「そういうことだ、理樹君。リトルバスターズ内で水着コンテストみたいなものを開催して、
 その評価を理樹君につけてもらいたいんだ」
「えっ?! ぼ、僕が?!」
 
 何で僕が…。
 って思ったけれど、
 
「それはそうだ。理樹君が審査してくれなかったら、誰が審査するんだ?」
「そうですヨ。理樹君に見てもらいたいからやるんじゃないですか」
「そ、そうなんだ…」
 
 僕がいないとダメらしかった。
 でも僕が審査員って、何を審査すればいいんだろうか?
 
「理樹君は、理樹君の基準で選んでくれればいいのだよ」
「僕の基準?」
「ああ。理樹君の主観で選んでくれればいい。
 主観と言うよりも…欲だな。ああ、欲だ!」
「理樹君の欲…。似合わない言葉だなァ」
 
 欲って…。
 僕は何を晒せばいいんだろうか…?
 
「素直になればいいんだよ、素直に…な。少年」
「素直…に?」
 
 素直に…か。
 
「理樹君に楽しんでもらいたくてやってるんだからサ」
「わかったよ」
 
 僕が楽しめればいいのか…。
 何か雲を掴むような気持ちになっていたけれど、
とりあえず自然体でいることにした。
 まあ、こうやってみんなに囲まれているってのは、照れくさい反面楽しくもあるのだから。
 
「んーと…。じゃあこうしよう。
 理樹君が満足したほうが勝ちってことで。おーけー?」
「うんうん、おーけーおーけー」
「では、話は決まったようだな。チームは、この前と一緒だ」
「また、持つ者と持たざる者の対決となるわけですね…」
 
 そして、やっぱり胸の大きいほうと小さいほうの対決みたいだ。
 わかりやすい構図なんだけど、その境界線はよくわからない。
 
 葉留佳さんは…それほど大きくないように見えるし、
鈴は…西園さんやクドみたいに平坦というわけでもない。
 まあサイズ的にはそこが境界線なんだろうけれど…。
 
「よし。では各自着替えようじゃないか」
 
 そういって、いきなり上着を脱ぎだす来ヶ谷さん。…って、
 
「ちょっとちょっとっ! ここで着替えるの?!」
「いいじゃないか。そうだな…着替えシーンも採点に入れるとか」
「ええええええええ〜〜〜っっ、ダメだよ〜ゆいちゃんっ。理樹くんに見られちゃうぅ〜」
「そうだよ姉御。恥ずかしいって」
「そうか? …仕方ないな。なら、理樹君に目隠しをしたら文句無いだろう?」
 
 いやいやいや…と思ったけれど、
 
「うん…まあそれなら…いいかな?」
「それで手を打ちますか」
「わふーっ。ちょっと恥ずかしいけど仕方ありませんっ」
「…でも私たちは別室で着替えてきますね。ネタバレはしたくありませんし」
「ふむ…。それなら、私たちも上着でも羽織るか」
「いえっさー」
 
 勝手に流れは決まってしまったみたいだ。
 僕はいつものように受身のままで…。
 
 小さいほうのチームが出て行った後、アイマスクで目隠しをされてしまう。
 まあ見える状態で着替えられたら目のやり場に困るわけだし、都合はいいかもしれない。
 
 しゅるっ。ぱさっ。
 
 …。
 
 前言撤回。
 衣擦れの音が、よからぬ妄想をかき立ててしまい…。
 
「おー姉御。さすがのブツですネ」
「はっはっは。しかし葉留佳君も可愛らしいおっぱいじゃないか」
 
 ぶっ。
 何をしてるんだっ。
 
「さあ、小毬君も見せるんだ。ええいっ、もったいぶらずにおねーさんに見せろっ!!」
「えええぇぇぇぇ〜っっっ???? なんでぇ〜〜っ?!」
「つべこべ言うなっ。さ、早く早くっっっ!!」
「やめてぇぇぇぇ〜〜〜」
 
 …。
 いつもの来ヶ谷さんと小毬さんだった…。
 
 
 
「よし、着替え終わったぞ。理樹君のアイマスクを取ってやろう」
「ごめんね〜、理樹君」
 
 小毬さんの手で(たぶん。少しクリームか何かの甘い匂いがしたから)アイマスクが外され…、
 久しぶりの光が目に入ってきた。
 たった数分だったのに、何時間も視界を奪われていたかのような感覚があった。
 
 で、後ろを確認。
 そこには…ガウンみたいなものを羽織った小毬さんが。
 
「おおっと。いきなり小毬君の水着姿は見せられないな」
「いや、そういうわけじゃ…」
 
 まあ、あれだけ着替える音とか声とかしてたら、水着になってるものと思うよね?
 
「ここで見ちゃったら水着コンテストにならないですヨ?」
「うん…そうなんだけどね」
「うむ。あとで見せてやるから、おぎおぎして待っているといい、少年」
 
 おぎおぎって真人じゃないんだから…。
 そう心の中でツッコミを入れて、とりあえずは待つことにする。
 
 
「そうそう。あとね。実は…隠し玉を用意しているのですヨ」
 
♪グーっ! グーググーっっ!!!…♪
 
「ちょっと待っててね…。おータイミングばっちり! あ、お姉ちゃん」
 
 携帯の着信音だったらしい…。
 
「うんうん、そう。だからぁ、水着は必ず着てきてよ」
「おーけーおーけー。じゃっ」
 
 ぴっ。
 
「隠し玉って…葉留佳君?」
「まぁ、来てのお楽しみってことで」
 
 隠し玉?
 どういうことだろう?
 
 
 がちゃっ。
 
「お待たせしましたっ。でははじめましょう!!」
 
 そう言って現れたクドたちによって、僕の思考は中断させられた。
 …はじまるらしいし。
 
 
 
 
「じゃじゃーんっ。
 
 そんな派手な効果音(by葉留佳さん)つきで、まずは来ヶ谷さんチームが水着を披露していった。
 …三人ともビキニ姿で、肌の露出が大きくて、目のやり場に困った。
 
「どう? 理樹くん。眩しいでしょ?」
「はっはっは。いくら見ても犯罪者扱いはしないから、目に焼き付けておくといい」
「ふぇぇぇ〜っ。恥ずかしいぃぃぃぃっっっ…」
 
 やっぱり、凝視するのはためらわれた。
 恥ずかしいのは僕も一緒だよ…小毬さん。
 
 
 
 
「では、こちらの番ですね…」
 
 クドが珍しく、にやり、と不敵な笑みを浮かべている。
 …悪役みたいだ。って、クドってこんなキャラだったっけ?
 
「何?! これだけの水着姿を見て、なお余裕があるというのか?!」
「皆さんのスタイルがいいのはリキもわかっていることです。想像の範囲内でしょう」
「くっ。では、クドリャフカ君たちの水着姿が想像を超えるものだと言うのか?!」
「はい。水着の種類、着こなしによっては、来ヶ谷さんたちのビキニ姿を超えることだってありえますっ!!」
 
 自信満々。
 今のクドは、自分が色々と小さいことへのコンプレックスを感じない。
 それどころか、それを活かし切って勝負しようとしている。
 その姿は…貧乳の星に見えた。
 
 …なんだろう? 貧乳の星って。
 
「くっ…。そんな自信満々のクドリャフカ君たちの水着姿…。
 想像するだけでイってしまいそうじゃないかっ!!」
 
 そして変態さんもひとり。
 イクってなんだ。
 
 
 
「では…まずは西園さんですっ。どうぞっ!!」
「じゃーん」
 
 …。
 
 そこには、スクール水着姿の西園さんがいた。
 紺の、もの凄くオーソドックスな。
 ちなみに「じゃーん」と言ったのは西園さん自身なんだけど。
 
「…どうでしょう? 直枝さん」
「いやあ…その…。うん、似合ってる」
 
 決して露出度が高いわけじゃない。
 ほぼ平らと言っても良いくらいの胸のふくらみとか、起伏の少ない腰やお尻なんかも特に色気があるわけじゃないのに、
スクール水着がすべてをカバーしているように見えてしまった。
 要は…もの凄く似合っていた、ってこと。
 
 『可愛い』って言えば、何か良からぬウワサを立てられそうだし、
 『綺麗だ』って言えば、何処をどう綺麗かを説明させられそうだし…。
 どちらにしても、具体的な箇所を説明できない以上、あいまいな答えしか返せなかった。
 何か申し訳ない気がするけど…。
 
 
 
 
「では…次は私ですっ。どうぞっっ」
「じゃーん」
 
 そこには…スクール水着姿のクドがいた。
 でも西園さんと違うのは…色が白だということ。
 それと、制服の上着を羽織っていたこと。
 
「っっ!!! そ、それはダメだ…クドリャフカ君っ」
 
 来ヶ谷さんが鼻を押さえてぷるぷる震えている…。
 まあ、この人は置いておくことにして。
 
 白いスクール水着に上着。
 何てマニアックなんだ…。
 
「この水着は、おじいさまが先祖代々伝わるものとして、私に授けてくださったものなのですっ。
 どーですか? リキっ」
「どう…? いや、可愛いとしか言えないんじゃないかな?」
 
 !? あれ?
 今度ははっきり言えた?!
 
 何だろう?
 クドには、こういうあざといとも思えるような格好こそ良く似合うと言うか…、
 さすがに「えきぞちっく(自称?) ますこっと」と言うべきなのだろうか。
 
 
 そして西園さんとクドを見比べてみる。
 …。
 
 お互いが相乗効果なのか、より可愛く見える気が。
 
「やはり…わたしではダメでしょうか…」
「そんなことないよっ! 西園さんも可愛いからっ!!」
 
 自信無さげに呟く西園さん。
 …いや、全然魅力が無いなんて思わないんだけれど。
 
「そうだっ。貧乳とスクール水着、しかも紺と白…。
 私を悶え死にさせたい気かっっ!!!」
「たぶん来ヶ谷さんを悶えさせたいとは思ってないと思うんだけど?!」
 
 本当に、女性の正しい反応では無い気がする…。
 
 
「最後に…鈴さんどうぞですっ!!」
 
 大トリ?は鈴みたいだ。
 どんな水着を着てくるんだろう?
 …そういや、皆で海に行ったことがあったけれど、あの時はどんな水着だったっけ?
 
「鈴さんもやはり、わたしたちと同じスクール水着なのですか?」
「それは…私にもわからないのです…」
「え? 能美さんが用意したのではないのですか?」
 
 どうやら、同じチームの二人も知らないらしい。
 ある意味楽しみでもあるけれど…。
 
 がちゃ。
 
 扉の開く音。
 そこには…。
 ボーダーと言うよりはしましまって感じの、
手の先のほうから脚はひざ下くらいまで、全身を覆った…水着?
 おまけに帽子まで…しましまの。
 
 ずるっ。
 
「さ、最後ソレですか? 鈴ちゃんっ」
 
 すかさずコケてツッコむ葉留佳さん。
 
「個性的ですごくかわい〜よ〜」
 
 鈴に対して否定的な意見を言わない小毬さん。
 
「そ…それも……なかなか…」
 
 たぶん輸血が必要な人。
 もう何でもいいらしいし。
 
「どうだ? バカ兄貴が、『これなら絶対大丈夫だ!』
 って言って買ってくれたやつだ。どうだ? 理樹」
「あ…うん。いいんじゃないかな? 恭介らしくて…」
「? バカ兄貴らしい? まあいっか」
 
 恭介らしい…ってのは、たぶん露出の多い水着を鈴が着て、
悪い虫が寄ってきて欲しくない、って思ってるのかな?と想像できたから。
 それにしても、絶対大丈夫かもしれない…としても、やりすぎだと思うけど。
 
 
 
 
 
「またまた劣勢ですネ…」
「こんなはずではなかったんだが…」
「唯ねえは目の保養もしてるでしょっ?!」
「…ああ」
 
 前回と同じく落ち込む来ヶ谷さんたち。
 もっとも、来ヶ谷さんは落ち込んでいるばかりでも無い気がするけど、
少し疲れていると言うか、顔色は悪く見えた。
 
「まあ、こっちには秘密兵器があるから大丈夫ですヨ」
 
 こんこん。
 
「あっ。来た来た来たっ。どうぞ、入って〜」
 
 がちゃっ。
 
 そこには…二木さんが。
 
「来たわよ…って何? これ」
「来たか、佳奈多君。
 ただいま『第二回、理樹君ハーレムナイトでウッハウハ、こりゃヤバイぜヒャッホウっ!! 大会
 リトルバスターズ! ドキッ、女だらけの水着大会 ふぉー理樹君』を絶賛開催中だ」
「えっ?! な、何それ…」
 
 その大会名を聞いて、明らかにドン引きな彼女。
 当然だと思うけど…。
 
「それはですネ。
 理樹君をよりメロメロにさせたほうが勝ちっていうバトルのことですヨ」
「バトル? 直枝理樹をメロメロに?!」
「はいっ。ここにいるみなさんが、リキに自分の魅力をあぴーるしているんですっ。
 そして…最終的にリキを振り向かせたほうが勝ちなんですっっ」
「クドリャフカまで…。何て馬鹿なこと」
「馬鹿にされましたっ?!」
 
 皆が必死に説明しているんだけど、そんなことで納得するような人じゃないと思う。
 …まあある意味、部屋で女子生徒が水着になって男子生徒一人を囲んでいるこの状況を見て、
何のお咎めもしないだけありがたいのかもしれないけれど…。
 
「で…何? 私も水着になれってことなの?」
 
 ちらっと僕のほうを見て言った。
 話早いよっ!!
 
 
 
「…で、理樹に見せろってこと?」
「わかってんじゃんっ。なら話が早いヨ。さっさと着替えちゃいなさいヨ、ゆ〜」
「着替えちゃおうよっ、ゆ〜」
「ちょっと…。いきなり見せるのは…。それに、神北さん。貴女に言われる筋合いは無いの」
「えっ? が、がーん。しょっく…」
 
 うーん…。
 どうも二木さんは、小毬さんにモノを言う時にトゲがあるような。
 本人が意識してるのかしてないのかはわからないけど。
 
 
「じゃあ、私たちが壁になろう。うん、そのほうが合法的に佳奈多君の着替えが拝めるからな」
「お生憎さま、もう下に着込んであります」
「ちっ…用意が良すぎるな」
 
 心底残念そうに、それでも大きなバスタオルみたいなもので覆って壁役を引き受けていた。
 あとは葉留佳さんと小毬さんも。
 
 
 
 
「じゃーん」
 
 そう葉留佳さんが言って、二木さんを囲んでいた壁が取り払われる。
 
 
「ど…どうかしら?」
 
 
 そこには…いわゆる競泳用の水着をまとった二木さんの姿があった。
 
 
 
 …似合いすぎてるんだけど!!
 
 
 大きすぎない胸やお尻といい、きゅっと締まった腰といい、憎いくらいに決まっていた。
 
「何? 何か言いなさいよっ」
「…似合いすぎててさ、何も言えなかったんだ。格好いい、って言ったほうがいいかな?」
「そ? そう…。一応、ほめ言葉として受け取っておくわ」
 
 まあ…誉めてるんだけど。
 鍛えてるんだろうか? 無駄なお肉がほとんど無い。
 そのシャープな身体のラインが、薄く密着性のありそうな競泳用水着にフィットしていて…。
 
 恥ずかしいのか、ぷいっと横を向いたその顔は…もう真っ赤だったけれど。
 
「素直じゃないねぇ〜、お姉ちゃんっ」
「あなたは黙ってて」
「ちぇっちぇ〜っ。はいはいっ」
 
 対葉留佳さんには怖いくらいに冷静なままだった。
 
「むぅ…。佳奈多君にもこれだけの萌え要素があるとは!!!」
 
 どうしようもない人もひとり。
 
 
 
「まあこれで形勢逆転ですネ」
 
 葉留佳さんが、僕のほうを見て得意げに胸を張っていた。
 しかし…。
 
「言っておくけど、私は一言も葉留佳の味方をするなんて言ってないわよ。
 まあ、味方するのなら…クドリャフカのほうかしら?」
「えっ? ええええええええっっっ?! どゆこと? お姉ちゃんっっ」
 
 爆弾発言?!
 僕も確かに、二木さんは葉留佳さんの助っ人で来たのだと思ったんだけれど…。
 
「どうせチームって、胸の大きい小さいで分けてるんでしょ?
 なら、あなたが大きい方に入ってるのなら、私は小さいほうじゃないの?」
「や、やー。だってさ、私が境界線になっても、お姉ちゃんが境界線になっても構わないじゃん。
 だからさ、お姉ちゃんはこっちこっち」
 
 彼女は、はー、と深いため息を一つついて、やれやれと言った表情で葉留佳さんを見た。
 顔と、胸のあたりを。
 
「あなた、その胸でよく『大きいほう』とか言えるわね。
 まあ私はあいにく、自分を『大きいほう』なんて言えないから…クドリャフカの側ね」
「んきぃぃぃぃぃ〜っ。すっごく痛いところを〜〜〜っ!!」
 
 地団駄を踏んで悔しがる葉留佳さん。
 まあ…確かに大きいか小さいかは微妙なラインにいるんだけれど。
 
「…止むを得まい。今日は我々の負けだ。
 それでいいな、コマリマックスも」
「う…うん。わかったよ、ゆいちゃん」
「ぐっ…」
 
 微妙に息の合っていない、胸の大きいチームが敗北を認めた。
 最終的には、葉留佳さんが負けを認めたことが大きいような気がした。
 
 
 
 でも僕は気づく。
 僕自身は、何も決めていないんじゃないかって。
 どちらがいいかなんて、一言も言っていないんじゃないかって。
 
 これで…いいのだろうかって。
 ちゃんと決めないといけないんじゃないかって――。
 
 
 
 
「ただいまー…」
 
 疲れ果てて、自分の部屋に戻る。
 そこには、いつもの3人の男がいた。
 
 
「理樹、聞いてくれ」
 
 恭介の真剣な眼差し。
 こういうときの恭介に、冗談は通用しない。
 僕も真剣に訊くことにした。
 
「わかった。…で、何を?」
「それはな…。『男の正しい水着』についてだ」
 
 がくっ。
 身構えた僕がバカみたいだ。
 
「何だ理樹。これはとても大切なことなんだ。
 男が一番映える姿は、やはり水着だからな」
「えぇー」
 
 
 こうして、また夜が更けていった…。
 
 
<終わり>
 
 
----------------------------
 
 いかがでしたか?
 実は半年くらいかけて描いていたんですが、ものの見事に勢いがつかず&キャラの多さに収拾がつかず、
 こんなに時間がかかってしまいました。
 
 内容は…特に無いのですけどね(汗。ハーレムとか言っておきながら、
 ハーレムというよりは単なるドタバタですしw
 完全なハーレムものにも需要があるみたいなので書いてみたい気はするんですけどねえ。
 なかなか手が回りませんし、誰が主導するかによって内容も大幅に変わりますしね。
 
 最後の部分で、「男だらけの夜」が始まりそうな勢いですが、
 実際にアホなネタでの構想はありますので、何らかの形で公開したいとは思います…が、
 需要が無いかもしれませんね(汗。
 
 感想や要望などがあれば、
 
「Web拍手」
「掲示板」
「アンケート」
 
 などへお寄せください。


PrevIndexNext

| ホーム | 更新履歴・2 | りきお紹介 | 雑記・ブログ | 小説(SS)の部屋 | ■リトルバスターズ!SS部屋 | Webコミック | ■ToHeart2 SSの部屋 |
| ■Kanon&AIR SS部屋 | 頂きモノSS部屋 | 競馬ブログへ | ギャラリー | KEYゲーム考察 | CLANNADの旅 | ギャルゲレビュー | 『岡崎家』アンケート |
| ■理樹君ハーレムナイトアンケート | SS投票ページ | 掲示板 | SS書きさんへひゃくのしつもん。 | リンク集 | What's New | ◇SS投票ページ2 | SS投票ページ |
| SSリクエストページ | 雑記 |


メールはこちらまで。