あいつが不良と言われていることは
あたしにとってはいいことだった
不良というレッテルが貼られている生徒に
近づく人間はこの学校にはほとんどいなかったから
そんな環境だったから
あたしの『恋敵』は生まれないはずだったのに
〜ソリダスター〜
２年生の頃はあたし以外近づく女の子はいなかった
だから、あたし自身焦ることはなかった
まだ友達でも、いつかは……なんて思えた
ところが、３年生になってから事態が急変した
病気がちで一年留年してるけど前向きで芯の強さを持ってる娘
学年一の秀才だけどどこか抜けてて守りたくなる娘
変わっているけど何かを一生懸命に成し遂げようとして構いたくなる娘
一つ下で不良だった過去を持っててあいつと同じものを持ってる娘
誰にでも分け隔てなく接することのできる優しい心を持ってる娘
そして
あたしの双子の妹……
はっきりしているだけでもこれだけの娘達があいつのことを好きだと思う
本人から聞いたわけじゃあないから勘違いかもしれない
でも、あたしには分かる
彼女達があいつを見る時の目をみれば気づかないはずがない
だって、あたしと同じ目をしているから……
あいつのことを慕い、信じて
そして
恋してる熱い目をしてるから……
あたしは今になって後悔している
あたしには一年という大きなリードがあったはずだった
しかしその一年という時間は
あたしとあいつの間に『友達』という壁を作ってしまった
あたしにはその壁を壊して踏み込む勇気がなかった
多分、あいつはあたしのことを何とも思っていない
ただの友達のうちの一人としか見ていないと思う
そんなあたし達の関係
何かきっかけがあれば
この関係が変わるかもしれない。
でも、関係が変わることが必ずしもプラスに転じるわけではない
もしかしたら、今までみたいに気軽に話すこともできなくなる
そんなのは絶対に嫌
あいつの傍に今までいたのはあたしなんだから
今までみたいに馬鹿言い合って
お互い笑っていられる
そんなあの居心地の良い空間
あのあたしの居場所
あの場所を守るために何をしなきゃいけないのか
今はまだ分からない
ただ、今はこのままでもいい
ああやって朝からだるそうに
遅刻しているのに急ぐ気のない背中
それを見ると頬が緩んじゃうのが分かる
だって、今この空間には
あたしとあいつしかいないのだから
でもあいつに対して臆病なあたし
嬉しいけどこういうときにどうすればいいのか分からない
どうすれば自然な会話に持っていけるのか
わからないから今日もぶつかっちゃう
ごめんね
照れ隠しのつもりなんだけど……痛いよね
でもそうすれば自然に会話に入れるの
そんなふうにしていつもの朝が始まる
「おはよう、朋也♪」
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初めまして、カツオといいます。
読んでくださった方ありがとうございます。
ＳＳを書き始めて間もない自分を
りきおさんはとても親切に指導してくださっているので
少しでも成長の跡を見せれればと思い投稿しました。
短編は数作作ったんですが、連載は今回が初めてなので
そうとうな不定期になるかもしれません。
それでも、読んでいただければと思います。
今後の展開はどうなるのか分かりません！（オイ
補足とかはするほどの文でもないですし
補足とかを後書きでするのは好きではないのでしません。
ただ、このSSのタイトルである〜ソリダスター〜ですが
これは花の名前です。
花言葉『私に振り向いて』を参考にしましたので。
最後になりましたがりきおさん
よろしくお願いします。
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りきおです。
カツオさんにSSを投稿してもらいました！
連載されるとのことで、今後が非常に楽しみですねｗ
杏がライバルを明確に意識するシナリオって、実はあんまり無いんですよねえ。それがこの状態からどう動いていくのかが楽しみでなりません！
カツオさん、ありがとうございました！
今後もよろしく！
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