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頂きモノSSの部屋
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35   ★カツオさん作『〜Sweet Heart〜』(CLANNAD杏 ラブSS)
更新日時:
2005.05.10 Tue.
暑い……
確か天気予報では真夏日になるとか言ってたな…
ハァ…ハァ…
 
きつい…
何で疲れてるかって?
走ってるからきついんだよ
 
何で走ってるかって?
簡単じゃないか……
 
杏とのデートに遅刻してるからだよ!!
 
 
    〜Sweet Heart〜
 
 
やばい、本当に今回はやばい!
杏があれだけ楽しみにしてたのに………
 
 
 
「と〜も〜や♪」
「ん? 杏どうした?」
やけに笑顔だなぁ…テストの結果でも良かったのか?
「へへ〜、今度の日曜日空いてるでしょう?」
 
日曜? え〜っとなんかあったな…
まぁ特別覚えてないってことは何もないんだろう
あってもたいした用じゃないだろうし…
「あぁ、空いてるぞ。なんかあんのか?」
杏がこれだけ機嫌が良さそうってことは何かあるんだろうが…
「久し振りに晴れるみたいだから遊びに行くわよ。朝から遊びとおすつもりでいてね」
朝から遊びとおすって…何時間遊ぶんだよ、杏…
「確かに、ここ最近は雨ばっかりで遊びに行けなかったからな。どこに行くつもりなんだ?」
 
「それは、その…どこでもいいじゃない!」
考えてないのに誘ってきたのか……
まあ、杏の言いたいこともわかるが
「そうだな、じゃあ日曜どっかでかけるか」
俺も杏と一緒に居たいし…
「うん! じゃあ朝十時に商店街前ね。遅れちゃ駄目だからね」
十時か…まぁそれならなんとかなるな
「お昼はお弁当作ってくるから。本当に遅れちゃ駄目よ」
「わかってるよ。それにお前との待ち合わせに遅れたことはないだろう?」
そう、俺は杏とのデートに遅刻したことがない
それどころか、学校にも遅刻しなくなってきている
杏と付き合うだけでこうも変わるとは思いもしなかった
「それもそうね、じゃあ、日曜ね♪」
 
 
 
そう、杏とそうやって待ち合わせの時間を決めたんだ
なのに、俺が朝起きた時に見た時計の時間は…
 
ぴったり十時だった!!
 
それから急いで支度をして家を出たが
どう考えても三十分以上は遅刻してしまっている
 
そして今俺は走って待ち合わせ場所へと向かっているのだった!
わかったか!畜生! 何で寝坊したんだ!
 
殺される…今回はやばい
あれだけ自信満々で答えたのに…
今回は広辞苑でも許してもらえないだろうなぁ……
それ以上となると……イミダス?
まさか……六法全書!?
 
危険だ…危険すぎる!
とにかく急いで行って謝ろう
杏も少しは許してくれるはずだ
 
 
いた! 杏だ!
と、とにかく謝らないと!
 
「杏! ごめん、遅くなって!」
これからえっとまず寝坊したことを素直に話して…
「本当にごめん。遅くなったのは寝坊しちゃって、それで…」
駄目だ、もう謝るネタがない!
というか謝るネタってなんだよ!
 
まともに杏の顔が見れねぇ…
なんか杏の顔も少し赤いし
 
ボフッ
 
ほら、怒って俺の両腕を包んじゃったよ!
ん? 両腕を包む?掴むじゃない?
これってどういうことだ?
 
これは…抱きしめられてる?
「……っ、………ひっく」
杏? 泣いてるのか?
「き、杏? どうしたんだ?」
何で杏のやつ泣いてるんだ?
わからねぇ……もしかして!
「杏!? もしかして、待ってる間に何かあったのか?」
もしかして、しつこいナンパか?
いや、怪しい勧誘にしつこくあって不安になったのか?
 
「……っく、違う。ひっく、朋也が…来なかったから…」
 
俺が来なかったから…?
俺が来なかったから泣いてる?
何故?
何故杏が泣いてるんだ?
全然わからねぇ……
 
「杏? どういうことだ。俺が遅れたことは確かに悪かったと思う」
そう、それは間違いないことなんだ
「でも、どうして泣いてるんだ? それを俺に教えてくれないか」
そう、それがわからないと俺も対応の仕方がわからないんだ
「朋也が来なかったから、朋也に何かあったんじゃないかと思って怖くなって…
それで、朋也の顔見たら涙がとまらなくなって」
 
「…………はぁ?」
「はぁ?って、そもそもあんたが遅刻しなかったらこんなことにはならなかったんだから!」
それはそうだが…なんか無茶苦茶な気がするんだが…
そもそも、遅れたのは確かに俺が悪い
でも、泣いた直接の原因は俺にあるわけじゃないだろう?
 
「もぉ! とにかくしばらくこのままでいなさいよね!」
「はぁ!? このまま? 馬鹿! 恥ずかしすぎるだろう!」
このままって、道端で抱き合ったままでいろっていうのか!?
ありえねぇ……これじゃあただのバカップルじゃないのか!?
 
「馬鹿って何よ! 泣いちゃったせいで目が赤くなって少し腫れちゃったんだから」
だからって抱き合ったままいるっていうのは…
「このままじゃなくても、どこか店に入れば…」
「少しはあたしのことも考えなさいよ! もう、こんな顔でお店に入れるわけないでしょう…」
杏……上目使いで見るのは反則だぞ…
可愛すぎてこれ以上何も言えないじゃないか…
 
 
結局、杏に負けた俺…
杏が落ち着くまで道端で抱き合ったままだった…
かなり恥ずかしかったぞ!
通りかかったどっかのおばちゃんに笑われるし…
俺、明日から一人で歩いても大丈夫か?
 
落ち着いた杏と近くの公園に歩いていった
少し目を腫らしていたから
水道が近くにあることも考えてだ
「朋也、ごめんね…いきなり泣いちゃったりして」
それにしても杏のやつ、結構気にしてるみたいだな…
 
気にしなくていいことまで気にして
色々考えて一人で抱え込む
それがこいつだからな……
 
「気にするなよ。元はと言えば遅刻した俺が悪いんだから」
間接的に杏を泣かしたのは俺っていうことだからな
そりゃあ恥ずかしかったけど、その程度でいいのなら安いもんだろう
 
「朋也が来ない間ね、色んなこと考えちゃったんだ…
途中で事故にあったんじゃないか? とか、昨日の間に何かあったんじゃないか? とか、
後………その、朋也は今日来ないんじゃないかとか…」
最初の二つは心配をかけたと思う
ただ、最後の一つはどういうことだ?
「杏、俺が来ないってどういうことだ?」
何故、そんな考えに到ってるんだよ!?
 
「もしかしたら他の女の子と一緒にいるんじゃないのか? とか思っちゃうと
不安でたまらなくなったの…」
「おいおい、俺が他の女となんか一緒にいるはずが…」
「わかってるの。でも朋也は気づいてないんだもん。
あたし以外の女の子がたくさん朋也のことを見てるのに…」
杏以外の女が…?
本当なのか?気づかなかった…
「それこそあたしよりスタイルも性格も女の子らしい娘もいるんだから。
ほら、あたしってこんなだから……」
 
「杏! それ以上言うな!」
それ以上言われると腹立ってくる
「いいか、杏? 俺はスタイルとか性格とかでお前を好きになったんじゃない。
ただ、お前が好きなんだ。そのままのお前が好きなんだよ」
「朋也……あたしも、あたしも朋也のこと好き、ううん、大好きだから!」
「だからってまた抱きつくなぁ!!」
「いいじゃない。こうやって表現するのもありでしょう?」
俺の恥ずかしい気持ちを頼むからわかってくれ…
 
「じゃあ朋也はどうやって表現してくれる?」
「俺が表現する方法だと……?」
俺にも抱きつけって事か!?
いや、そういうことじゃあないんだろう…
「あたしは朋也に好きだってことを表現する手段としてこうしてるんだから」
いやだからって、所構わず抱きつかれるのは……
嬉しいけど、やっぱり恥ずかしいぞ
 
「じゃあ朋也は会う度に………キスして」
ふ〜ん会う度にキスね……ん!?
会う度にキスだと!?
「ば、馬鹿! 会う度にキスなんてできるか!」
会う度って……平日学校でもさせるつもりかよ
そりゃあ、杏とキスするのは嫌いじゃないけど…
というか、むしろ好きだが
 
「だって、朋也って二人きりでいるときはいいんだけど、学校とか
周りに人がいるときに甘えさせてくれないじゃない…」
杏よ、それが当たり前だろう
人前で、まして学校でなんてやってみろ
…………………バカップル成立じゃないか
 
「あたしとしては人前でもこんな風にしていたいの…」
「それはさすがに恥ずかしすぎるだろう……」
杏よ。羞恥心というものがあるだろう?
「そりゃああたしだって恥ずかしいわよ。でもそうやって
朋也はあたしのものだって周りに見せ付けないと嫌なんだもん」
 
そういうことかよ
それなら、ちょっと恥ずかしいが…
 
「なあ、杏……」
「なに?どうか………んっ、………あっ………んぅ………はぁ」
これが一番手っ取り早いんだろうな
杏、わかってないみたいだな…
 
「俺はお前が思っている以上にお前のことが好きなんだ。
実際、お前がいない生活なんてものは考えられないんだ
だから、お前が不安になるようなことはないから安心しろ」
「朋也……」
杏がいない生活……?
ありえないな
 
朝起きて学校に行って杏と話をする
 
昼は杏の作った弁当を一緒に食べる
 
放課後一緒に手をつないで帰る
 
休みの日はできる限り一緒に過ごす
 
これが俺の日常なんだ
その日常を崩すなんて考えられない
 
「うん! 本当に大好きだからね♪」
この笑顔が俺を何度救ったことか…
改めてこの笑顔を見て思う
杏以外の女なんて考えられないな…
 
 
 
翌日……
 
昼休み俺と杏が一緒に昼飯を食ってるところにヘタレがやってきた
「よお、ヘタレ。昼になってようやく来たか」
「こんな時間に来るぐらいなら今日は休んで明日の朝一から来なさいよね」
来るなりいきなり文句を言われるヘタレ
「なあ岡崎、昨日一日なにしてた?」
昨日一日?
こいつどうしたんだ?
俺の一日なんて聞いて何かするつもりなのか?
「昨日は杏とデートだったけど、それがどうした?」
 
「昨日は僕の買い物に付き合ってくれるって言ってたじゃないですかねぇ!?」
なんかそんなことも言ったような…
いや、言ってないって事でまとめよう
「そんな事言ってたっけか?」
「お前って本当に鶏頭だよね……」
「ちょっと、あたしの朋也に向かってなんてことを言ってくれるのよ!」
杏……嬉しくて泣きそうになりそうだ…
ただ、『あたしの』っていうのは余計じゃないのか?
 
「なあ岡崎…やっぱり付き合う人間はよく考えた方がいいと思うよ」
「「ああっ!?」」
俺の杏を馬鹿にするんじゃねぇ!!
…………俺も杏のことは言えないか…
「ひぃぃぃ!?」
そしてここにビビるヘタレが一匹…
 
 
 
時には喧嘩するかもしれない
 
時には疑心暗鬼になることもあるかもしれない
 
時には嫉妬することもあるかもしれない
 
でも俺達は大丈夫だ
 
だって俺達は一緒にいること
 
これがお互いを感じられることだと
 
お互いを感じることによってもたらされる幸せ、喜び
 
これらを知ってしまったから
 
心から思う
 
本当にありがとう
 
俺の一番大切な人
 
-----------------------------
 
後書き
 
改めましてカツオです
 
今回は自分の書きやすい?ラブ系統で攻めてみました
 
CLANNADのヒロインで当たり前に馬鹿をやりつつ
 
ラブな展開に持っていけるのは杏でしょう
 
と思って書きました
 
もうちょっと春原を出しても良かったかな…
 
なんてことも考えましたが、彼には彼の役目を、ということで…
 
書いてて
 
杏って可愛いなぁ……
 
なんて考えちゃいました
 
最後になりましたが掲載してくださったりきおさん
 
そしてご覧になってくださった方々
 
本当にありがとうございました
 
-----------------------------
 
 カツオさんから、杏ラブSSを頂いてしまいました〜。
 
 杏に心配されてぇ〜。
 思わず読んでてニヤけてしまいましたw
 
 まあ僕なら、杏との約束の時間に寝坊することなんかありえないと思ってしまいますが、こんな反応されるのなら、遅刻してもいいかな?って思ってしまいましたw
 
 カツオさん、ありがとうございました!
 
 感想などは、
 
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「新・掲示板」
 
にお寄せください。
責任を持って、カツオさんにお届けします!

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