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頂きモノSSの部屋
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13   ★劇・アンパンマン (企画&演出:古河渚)<作・ひでやんさん>(CLANNADギャグSS?)
更新日時:
2007.11.02 Fri.
「劇・アンパンマン (企画&演出:古河渚)」
 
アンパンマン:岡崎朋也 ジャムおじさん:古河秋生 バタ子さん:古河早苗 チーズ:古河渚
ドキンちゃん:藤林杏(友情出演) ばいきんまん:春原陽平(強制出演) 女の子:伊吹風子(ただの通りすがり)
 
 
 ガコン
 大きな金属音と共に開かれた大きなオーブンから、たくさんのパンを乗せた鉄板が現れた。
「ふっ、今日もいい出来だぜ」
 男はできあがったパンを見つめながら額の汗を拭った。
「次の分の用意も出来ましたよ、ジャムおじさん」
「ああ、分かった。それとバタ子…」
 男は目を閉じてすっと息を吸った。
「おじさんは余計だ! せめてジャム生(お)と呼べっ!」
「はいはい、ジャム生さんですね」
「…そんな事はどうでも良いから早く俺の顔をくれよ、オッサン」
 バタ子さんの後ろからマントを身につけた男が現れた。
「ふん、てめえにやる顔なんざあるわけねえだろ。そのまま干からびちまいな」
「干からびたあんパンも美味しそうですねっ」
「いや、絶対美味しくないっす」
 すかさず突っ込みを入れるアンパンマン。
「アン、アン!」
「ん、なんだチーズか。どうかしたのか?」
「アン、アン!」
 ジャム生に何かを必死に訴えようとしているチーズ。
「…ちっ、分かったよ」
 ジャム生は焼き上がったパンの中でも一際大きなもの〜アンパンマンの顔〜を手に取った。
「ほら、新しい顔だ!」
 焼きたての頭部か放物線を描きなから宙を舞った。
 そしてそれはアンパンマンではなくチーズの元へと落ちていき…
「アン!」
 ぱくっ
 幸せそうな顔でそれに飛びついていたのはチーズだった。
「って、お前が食ってどうすんだよ!」
「すいません、美味しそうだったのでつい食べてしまいましたっ!」
「まあ、チーズもしゃべれたんですね」
「…あ」
 チーズはとても気まずそうな表情を浮かべた。
「ふっ、俺様の娘だからそのくらい朝飯前だ」
「…オッサン。設定をメチャクチャにしてることに気付けよ」
「うるせえ、居候のくせに家の主にたてつくんじゃねぇ」
「アンパンマンさんも大変ですね」
「バタ子さん、他人ごとのように言わないで下さい…」
 そのとき突然、外から悲鳴が聞こえてきた。
「わーっ!」
 ぱっこーん!
「ぶへっ!」
 爽快な音に続いて、何かがひしゃげるような音がした。
「なんだ!?」
 アンパンマンが慌てて外に飛び出すと、そこには全身黒タイツの男と、何故か制服姿の女の子がいた。
「…ハ、ハヒッ…フ…」
「わっ、まだ動いてますっ!」
 ぱっこーん!
「ぐげっ!」
 星形をした彫り物で思いっきり顔を殴られると、全身黒タイツの男は再び倒れた。
 どうやらさっきのひしゃげるような悲鳴の発生源はこの男だったようだ。
「どうしたんですか?」
 女の子の前で伸びている黒タイツの男の存在など無視するかのように、バタ子さんは女の子の元に駆け寄った。
「急にこのヘンな人が風子に襲いかかってきましたっ! 風子、とてもピンチでした!」
「それは大変でしたね。悪い人はわたしたちがやっつけちゃうので、あなたは早くここから離れて下さいね」
「はい、ありかとうございます。それでは」
 女の子はそう言い残すと風のように去っていった。
「…あんなやつ役者にいたか?」
「アン。きっと飛び入りです」
 4人が女の子の走り去っていたいった方向をしばらく見つめている間に、伸びていたものがぴくりと動いた。
「…あの…僕のこと…忘れてない…?」
「あん? そういやコイツもいたんだったな」
 ジャム生は実に面倒臭そうにバイキンマンに目をやった。
「相変わらずのヘタレっぷりだな、ばいきんまん」
「ヘタレって言うなっ!」
 ばいきんまんはがばっと起きあがった。
「ふん、悪者だって正義の味方に勝てることを証明してやるよ。ハッヒ、フッヘ、ホー」
「そのキモい語尾は止めろよな」
 ばいきんまんは余裕の表情を見せたが、さっき女の子に殴られた頬が見事に腫れ上がっているためにその言葉には説得力がなかった。
「アンパンマンさん、頑張って下さいね」
「ま、せいぜい頑張ってくれ」
「アン、アン!」
「何であんたたちが観客面なんだよ…」
 全然頼りなさそうな仲間達に、アンパンマンは肩を落とした。
「ハヒフ…じゃあ、いくぜ」
 言い終わるや否や、ばいきんまんはアンパンマンに向かって突進した。
「うりゃああぁぁー!」
 ばいきんまん懇親の一撃がアンパンマンの胸元へ迫る!
 しかしアンパンマンはそれをすんでの所でかわすと、カウンターにエルボーを放った。
 そのエルボーが恐怖に歪むばいきんまんの顔へと吸い込まれていき…
 ぽこっ!
「…は?」
 驚くアンパンマン。
「…あれ、痛くない?」
 異変に気付くばいきんまん。
「…そういや、今日はまだ新しい顔に変えてなかったんだったな」
 重大なことを呟くジャム生。
「もしかして僕、今日はツイてる?」
「…ああ、そういうことになるな」
 攻勢が逆転したばいきんまんは躊躇うことなくアンパンマンの腹に一撃を放った。
「ぐっ!」
 その一撃に、アンパンマンは苦しそうに膝を突いた。
「はははははっ、悪いけど今日は僕が勝たせてもらうよ! ハッヒ、フッヘ、ホー!」
 ばいきんまんは倒れ込むアンパンマンを容赦なく蹴り続けた。
 抵抗しようにも、力のでないアンパンマンに為す術はなかった。
「アンパンマンが危ないですっ、アン!」
「ジャム生さん、何とかなりませんか?」
「そう言われてもな…さっき焼いた顔はチーズが食っちまったしよ…」
 3人が会話している間にも、アンパンマンはばいきんまんの猛攻に晒され続けていた。
「はっはっは、そろそろトドメをさしちゃおっかなー♪」
 倒れたアンパンマンの頭を踏みつけようと、ばいきんまんが足を踏み下ろそうとした瞬間…
 ずがん!
 高速で飛んできた何かがばいきんまんの頭部にヒットし、彼は白目を剥いて地面に倒れた。
 その骸の側に転がっているのは…ええっと、広○苑?
「ちょっと! アンタみたいなヘタレがアンパンマンを倒していいわけないでしょ! アンパンマンを倒してもいいのはあたしだけなんだからね!」
 大声の聞こえてきた方を向くと、そこには妙な音を唸らせながら浮いている飛行物体があった。
「ん、ドキンちゃんじゃねえか」
 見ると、ドキンちゃんはコックピットの縁に足をかけて飛行物体の上に立っていた。
 さぞやご立腹の様子なのが、背後に漂うオーラから容易に察せられた。
「アン。あんなことをして危なくないんでしょうか?」
「きっと危ないと思いますよ」
「…え? って、わっ、っちょっと!」
 案の定、しばらくの間制御を失った飛行物体はふらふらと墜落し始めた。
 どーーーん!
 派手に土煙を巻き上げ飛行物体は墜落した。
「うっ、ケホケホ…」
 ドキンちゃんはぼろぼろの様子でコックピットから這い出てくると、何かに気が付きはっと後ろを振り向いた。
「あーっ! 最近買ったばっかの新車だったのにーっ!」
 頭を抱え叫ぶドキンちゃん。
 そこへバタ子さんがゆっくりと近づいていった。
「危ないですから、次からは気を付けて下さいね」
「ううっ、そうするわ…」
 バタ子さんに慰められ、涙を拭うドキンちゃん。
「さて、小僧の顔でも焼くとするか」
「アン、アン!」
 一件落着と言った感じで、ジャム生とチーズは家の中へと戻っていった。
 そして、今日もいつものような平和な1日が始まる。
 
 
〜完〜
 
 
 
「…なあ、岡崎…」
「…なんだよ…」
「…僕たちって…一体…何だったんだろうね…」
「…馬鹿、そんなこと聞くな…」
 舞台上に倒れたまま放置されている2人の、そんな悲しい会話が客席に届くことはなかった…。
 
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 りきおです。春原以上に、朋也の扱いの酷さが凄いw 僕は笑えたんですが、どうでしょうか? 杏が美味しいところを持っていきすぎな感がありますけどねw
 
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