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25.事件当日 1 /おにやん



「こんなに朝早く、お邪魔じゃないかしら?」

 今日は例のアンケートの日。つぼみからの贈り物が食べ物なだけに、山百合会の面々は朝早くに黄薔薇姉妹のお宅に集まっていた。

「うちは道場だし、基本的に朝は早いから気にしなくていいよ。それに家族には事情を話してあるから」

 登校時間まで時間のあるせいか、令さまと由乃さんはまだリリアンの制服に着替えていない。まぁ、私服の二人を見るのは初めてじゃないんだけど、やっぱり何か不思議な感じ。

「それにしても、令ちゃん・・・」
「んー? なぁに、由乃ー」

 何か良い事があったのか、令さまはかなりご機嫌な様子。対して由乃さんは何故かご機嫌ナナメ。

「ただ、焼くだけなのに・・・なんでみんなを呼んだの? しかも、こんな朝早く・・・」
「え・・・?」

 どうやら由乃さんは寝不足みたい。私はいつもより30分早いくらいだったけど、学校から近い由乃さんにとってはきっとかなり早起きしたんだろう。

「まぁ、確かに山百合会メンバー全員を集める意味はあまりありませんね」

 冷静なツッコミを入れる乃梨子ちゃん。

「ま、まぁいいじゃない。折角みんなで作ったんだし」

 焼き上がったクッキーは香ばしい匂いを辺りに漂わせていた。




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