24.真相 1.5 /kousi
「あ、そうそう」
思い出したかのように蓉子さまが呟く。真っ直ぐ、私の顔を見て私の名前を呼ぶ。
「由乃ちゃん」
「はい?」
「江利子から伝言があったの。わざわざ由乃ちゃんを名指しでね」
「聞きたくないです」
「そう、良かった。じゃ、伝えるわね」
「・・・あっさりと無視ですか」
うわー、なんていうか嫌な予感がすごくするわ・・・。
そんな私の気持ちを知っているのか、蓉子さまは充分な間を置いてから口を開いた。
「『こっちで由乃ちゃんの妹、見繕って連れてってあげよっか?』。だって」
「あのでこ・・・」
思わず言葉が口をついて出ていた。
硬く握り締めた拳は、その直後に令ちゃんに向かって振り下ろされた。