22.ちょっと後の話 2 /kousi
とりあえず、ということでテーブルにつく4人。
江利子さまの真向かいに瞳子ちゃん・可南子ちゃんが座り、私は余った端の席に振り分けられる形になった。
「そうねぇ。どこから話したものかしら・・・」
早速、江利子さまが頬に手を当て視線を泳がす。一つ、うーん、と唸るのが聞こえた。
「考え中失礼ですけど・・・」
瞳子ちゃんが江利子さまに向かって口を開く。
「ん? どうしたの?」
「自己紹介して頂けませんこと?」
隣にいた可南子ちゃんもこくりと頷いた。
・・・あ、そういえばまだだった・・・。
「つまり、今話していた話の主人公ということですね」
可南子ちゃんが江利子さまを見ながら言う。視線を注がれていることが気にならないのか、江利子さまはゆっくりと紅茶を口に運んだ。
「そういうことになるわね」
あくまで優雅に、さらりと答える江利子さま。
「ありえないくらいタイミングがいいですわね」
感心しているのかいないのか、瞳子ちゃんは江利子さまをただ眺めている。多分、呆れてる反応だと思うけど。
「で、もうご質問はないかしら?」
笑顔で問う江利子さまに対し、二人は揃って首を横に振った。
「よろしい。じゃ、話すわね」
どこか遠くをみつめる風に、江利子さまは話し始めた。