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Reports クッシー −屈斜路湖の怪物−

元祖・和製ネッシー

北海道 屈斜路湖のクッシー を調査する

[Report By GUY 1995]

みなさんもネッシーは知っているだろう。
有名なネス湖(スコットランド)の怪物だ。
1994年に有名な写真はガセネタだったと報じられてしまった
(*1)が、
1975年には現東京都知事の石原慎太郎氏も大規模な調査を行っている、
おそらく世界一有名な未確認生物だ。

「写真はインチキ」報道ですっかり否定されてしまった風潮があるが、
それは少し早計というものだ。

インチキだったのは、数多くある写真の中の一枚であるし、
そもそもネッシーの存在が人々に囁かれて来た歴史は、実に1500年も遡ることができるのだ。
長い歴史の中にひとつの偽りがあったからと言って、他のすべてを否定してしまうのは冷静ではない。

まあ、今回はクッシーの話なので、ネス湖についてこれ以上は、いずれ「ネッシー」の記事を書く時までとっておこう。

この Nessiteras rhobopteryx という学名まで与えられた首長竜似の怪物には、
また多くの亜種があることも特徴的だ。

シャンプレーン湖のチャンプ、ネッシーと同じスコットランドのモラーグ、ニュージーランド沖のニューネッシー・・・
枚挙に暇はないが、比較的最近ホットなのは、やはり南米オカナガン湖のオゴポゴだろうか。

しかし、やはり忘れてはいけないのが我が国の”レイク・モンスター”のエース、北海道は屈斜路湖のクッシーだ。

註1:写真の撮影に関わったといクリスチャン・スパーリング氏が、死去する直前にサンデーテレグラフ誌に語った。

 屈斜路湖は北海道東部に位置する周囲4、50km(アバウト)の国内ではまあまあ大きな湖だ。ネス湖と同程度かそれ以上の容積はあるのではないだろうか。北東に川湯温泉と東岸に砂湯温泉、そして南岸はミンミンゼミの北限地という絶妙なロケーションだ。周囲にはアイヌ民芸の土産を手に入れられるところも多く、観光地としてまずまずの賑わいを見せている。すぐ近くに、かつて透明度日本一に輝いたこともあるという摩周湖もあるという点もポイントだろう。摩周湖は環境保全のために湖岸への進入が全面的に禁止されているが、それだけに展望は素晴らしい。話が逸れたが、もちろん屈斜路湖も、広々と開放的な雰囲気があっていい湖だ。

 そんな屈斜路湖に、初めて奇怪な怪物が目撃されたのは1973年7月のことだ。湖近くに住む林業家が岸から50mほどのところにキリンのような首が突き出しているのを目撃した。これだけならば、おっさんが酔っ払っていたのではないかと一蹴してしまうところだが、翌月には付近に遠足に来ていた中学生40人がキリンのような首で背中に瘤のある、体長10-15mの怪物を目撃した。さらに翌月には、観光客がふたたび背中に瘤がある怪物を目撃。1976年には観光バスの運転手が目撃、そしてその運転手の話を聞いて「な〜にバカ言ってんだ」と言っていた同僚が翌年に22人の客とともに目撃・・・と続く。
 ネッシーの水中写真が撮影されたのは75年だし、ニューネッシーは77年に引き揚げられたし、どうも、70年代中期というのは怪物のやたらに出現した時期のようだ。

 クッシーの写真は残念ながら存在しないが、姿はネッシーとほぼ同じと考えていいだろう。ネッシーも、目撃者によってはキリンのようなカタツムリのような角があったと言っているそうだし、背中に瘤があるというのも有名で、瘤は何個か?で論争が起こることもあるくらいみたいだからだ。

で、実際のところなんだが・・・実は私がついに写真を撮りました。・・・土産屋の前で。しかし、これはいくらなんでも「首長竜」の先入観が入り過ぎてるだろ・・・。

 学術的には、ネス湖の規模でネッシーのような大きな生物は栄養的に存在し得ないとされている。屈斜路湖はネス湖と同じ程度の規模だから、水温などの関係でいくらか冨栄養だとしても、やはり10m以上の生物個体が繁殖するのは無理だろう。ネス湖は海との連絡があるからまだ考えようがあると言えばあるが、屈斜路湖は完全に陸水だ。
 恐竜の生き残り、というのはよく言われるが、それには無理がある。北海道はアンモナイトの産出で有名なように、おそらく中生代には海だったろう。そしてその後、大きな地殻変動を受けて現在のような形になっている。狭い湖の環境がそういった歴史の中で、そう安定していたとは思えない。もちろん、中生代の恐竜の個体が生き残ってるなどということはあり得ない。恐竜の寿命がどうあれ、65,000,000年以上もはないのは確かだ。

 とは言え、クッシーというニックネームが付く以前にも、屈斜路湖には巨大な生物の存在は噂されていたらしい。アイヌの伝説には恋人達を湖のなかにある島に運ぶ巨大なヘビがあるそうだ。また、屈斜路湖には冬に湖面に張った氷に奇妙な裂け目ができ、それはクッシーのせいだとされるそうだ。

 しかし、このような事実・現象にはクッシーの正体に迫るヒントがありそうだ。氷の裂け目は湖の氷が気温によって膨張したり収縮したりする際にある条件のもとで起こる現象で、他の湖(例えば諏訪湖)にも見られるものだ。この現象は物理的に充分説明されているので、いまさら神霊の仕業と思う人はいないが、昔の人には不思議に映ったもので神憑かり的な現象と捉えられていたようだ。諏訪湖では「御神渡り」という。アイヌの伝説にあるヘビもまさに、この裂け目のことだろう。

 もっと、クッシーの正体に近付けそうなネタを最後に。
 1995年に、屈斜路湖から26発の毒ガス弾が引き揚げられた。旧軍が終戦時に(一部の民間人に依頼して)投棄したものだ。このオペレーションは極秘に行われたことだろう。しかし、秘密は漏れるものだ。周辺の住民は、軍が関係して何が行われたかは知らされなくとも、何かが行われたことには気づいたろう。
 ものものしい雰囲気で不安だけを掻き立てた兵器の秘密投棄は、やがて周辺の者に「この湖には何か重大な秘密がある」といった空気だけを残した。それが「御
神渡り」現象に由来したアイヌの伝説上の大ヘビと重なり、当時世間を騒がせていたネッシーのイメージと合わさることで、いよいよ「クッシー」という人々の共通イメージとして具現化したのではないか。

 ま、怪物話にはたいがい裏があるんじゃないかと。

 それよりも、問題にすべきは隣の摩周湖にいるという、全長1mにも達するという巨大ザリガニの方だな。